<第60回>2ヵ月後の棚橋に期待!(06.6.14)

「リングに立った時、相手の背中に人生が見える」と言ったのは、維新軍時代の長州。それは武藤流の表現だと「レスラーとしての色気」になる。

 未だに昭和世代のレスラーに存在感があり、根強い人気があるのは、長年親しんできた歴史もそうだが、その背中に人生が見えるのである。それに比べて今のレスラーの背中には人生が見えない。見えるのは上っ面のキャラクターだけだ。だから思い入れが生まれにくい。

 そんな中で私が期待したいのは棚橋弘至。彼はまさに今のレスラーの代表格だ。"太陽の天才児"と言われるだけに、少なくとも表面的には明るくて屈折がなく、ズバリ言って、背中に人生が見えない代表格でもある。

 だが、本当の彼はプロレスを凄く考えている人間。だからマスコミに対しても、どんなに答えにくい質問にも一生懸命に答えてくれるし、テーマがない試合だとしても、聞かれれば、その試合の意義を捻り出して答えてくれる。

 そんな棚橋に大化けのチャンスがやってきた。7・17月寒におけるレスナーへのIWGP挑戦である。6・7大阪大会の試合前に発表されたものだが、そこで棚橋はこう言った。 「入門から今の今まで頑張ってきたその結果が、今回の挑戦につながったと思います。僕は(現場監督の)長州さんがいない間に新日本で育ってきた人間なんで、信頼は薄いかもしれないですけど、すべてを勝ち取って、レスナー戦に向かいたいと思います」。

 アメリカで肉体改造中の中邑真輔は、まだ調整ができていないということで7・17月寒でのIWGP挑戦を固辞した。意地悪く見れば、棚橋は中邑が挑戦するまでのつなぎという感じがしないでもない。だが、棚橋は大真面目。この一戦に賭けているのである。

「僕は今のまんまの棚橋弘至で終わりたくないんです。変わりたい、ホントに!」

 それは心の底からの言葉だった。カッコイイ棚橋が、今、心の中をさらけだして、素のままでレスナー戦と向き合おうとしている。2ヵ月後、月寒のリングに立った棚橋の背中には、きっと彼の人生が見えるはずだ。

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<第59回>意識次第で化けられる(06.6.7)

 先日の『NEWS侍!』で6月4日の越谷・桂スタジオの大日本、新木場1st.RINGのアパッチの興行を立て続けに放映したが、強く印象に残ったのは佐々木貴。大日本では元イーグル・プロの豹魔を引っ張り上げようとし、アパッチでは貴軍団のボスとして金村を下した。

 ハッキリ言って、昔の佐々木は"空気が読めない男"だった。DDTでどんなキャラを作ってもハマらなかったし、GENTAROとの赤レンジャーズも私にはピンとこなかった。

 彼が変わったのは昨年、大日本に転じてからだ。当初は普通の試合をしていたが、大日本ではデスマッチに参入しなければトップに行けない。佐々木は当然、デスマッチに身を投じた。そこで彼は"プロレスラーの心"に目覚めたのではないか。

 大日本のデスマッチはエログロではない。選手たちは「デスマッチでも人を感動させることができる」という信念を持って、体を張ってお客の想像を上回る試合をすることで、満足させて帰らそうとしている。そういう共通の志を持って闘っているから、大日本のデスマッチにはある種の爽快感があるのだ。その世界に触れた時、佐々木は変わったのだと思う。

 どんなに技量があってもパッとしない選手がいる。きっと、それは意識の持ち方なのだと思う。お客と真っ向から勝負できるようになった時、レスラーは化けることができる。


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<第58回>若いファンを呼び込め!(06.5.31)

 5月27日=草加、5月28日=後楽園の新日本『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアXV』開幕2連戦に取材に行ったが、普段のシリーズよりも子供のファン、若いファンが増えているように感じた。これは凄く大事なことだ。

ハッキリ言って、今、プロレス専門誌を買うファン層は30代以上の人だと思う。子供時代、学生時代に"いいプロレス"を見た記憶があるから、そう簡単に卒業しない。仮に一度離れたとしても、何かのきっかけや、ノスタルジーで戻ってきてくれる。だが、現実問題として新しいプロレス・ファンの数が増えるわけではないから、雑誌の売れ行きは厳しいものがあるのだ。現状を優先するなら、プロレス専門誌は大人向けに作っていかないと部数が伸びることはないのではないか。

 多分、今の子供のファンは親の影響が強いと思う。親がプロレスを見なければ、普通にプロレスに接する機会はないのだから…。こうなったら、親に連れられてきた子供ファンから発信していくしかない。その子がプロレスを見て面白いと思ったら、きっと友達をプロレス・ファンにしてくれるだろう。子供のファン、若いファン…新しいファンが増えない限り、プロレス界もプロレス専門誌も未来がない。4代目タイガーマスクでもムシキング・テリーでもいい。とにかく、あの手この手で子供を呼び込む手段を考えるべきだ。

そう考えると初代タイガーマスクは偉大だった。新日本黄金時代を築いたのは猪木でも長州でも藤波でもない。あのタイガーマスクによって一大ブームが起こったのだ。あの時代、猪木でさえ、スポンサーに会う時にお土産としてタイガーのマスクを持って行ったものである。

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<第57回>NWS本旗揚げ戦での感慨(06.5.24)

 5月20日、新宿FACEにおけるNWS旗揚げ戦の取材は新鮮だった。だって将軍KYワカマツ、ウルトラセブン、超人勇者Gヴァリオンの試合はそうそうナマで見るチャンスはないからね!もう、これだけでもトクした気分になるのだ。

 このNWSの代表は中村吉佐氏。吉佐氏と私の付き合いは古い。元々、ジャパン・プロレスの営業部員で、ジャパン分裂後は全日本の金沢地区の営業をやっていた。その吉佐氏と再会したのは90年9月2日に天龍、カブキ、石川の3人が同月29日のプレ旗揚げに向けてのPR活動で福井に行った時のこと。ショッピングセンターでイベントをやっていた時に、それを妨害するようにガンガン、音を鳴らしながら出現した全日本の宣伝カー…運転していたのが吉佐氏だった。 「おっ、中村じゃないか。何やってんだ、お前! 今晩、飲みに来い!」  と天龍。大学時代は相撲部で、元々は天龍ファンだった吉佐氏は「ハイ、わかりました!」と、夜になったら我々が飲んでいるところにやって来た。当時の全日本とSWSの関係を考えると、かなりヤバイ。吉佐氏が来たことは内緒ということになったが…なぜか翌日には全日本にバレて、吉佐氏はクビになってしまった。

 そしてWARである。営業部長にまでなったが、冬木と意気投合して冬木軍設立へ。冬木軍プロとはいろいろあったようだが、この人は本当に冬木が好きだった。03年3月23日、冬木の葬儀が終わって出棺の時の、 「冬木さん、試合ですよ…出発しましょう。赤コーナー、249パウンド〜、マッチョ〜バディ〜、冬木弘道―っ!!」  というコールは忘れられない。

 あの日から3年、吉佐氏と再会したのは今年の3月10日、全日本の大田区体育館だった。天龍や、冬木軍の流れを汲むアパッチプロレスとの関係はよくないようだが、私にとっては懐かしい人。夢は「サムソン・アリーナを作ること」と言う。この人は、この人なりに冬木の遺志を継いで生きているのだ。

 さて、このNWS本旗揚げの私のお目当ては健介&北原のサムライ・ウォリアーズだった。89年夏にカナダ・カルガリーで合体した2人を私は国際電話で取材してゴングのグラビアを作っていた。それが17年経って、ようやくナマで見られるのだから、こんなに嬉しいことはない。

健介も北原も「小佐野さんが来てくれたんじゃあ、カルガリー時代の何かをやらないといけないなあ」と声を揃えてくれた。そして北原は日本初公開の毒霧、フィニッシュの前にはサムライ・ウォリアーズの合体技ファンタスティック・フリップをやってくれた。この2人と組んだ勝彦は、サムライ・ウォリアーズがカルガリー地区認定インターナショナル・タッグ王者として暴れていた頃、まだ1歳5ヵ月だったという。

 そんな話をしていて苦笑する健介と北原。いいものを見せてくれた!


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<第56回>メジャーもインディーもない(06.5.17)

 今のプロレス界、メジャーとインディーという分け方をするのは無理になってきていると思う。だいたいが、日本プロレス界におけるインディーというのは大仁田FMWの戦略として生まれたものなのだ。

 89年10月、FMWを旗揚げするのに際して、私は個人的に大仁田の相談に乗っていた。当時のマット界は新日本、全日本の2大老舗に従来のプロレスの枠を越えた新生UWFの3団体。ここに割って入るにはFMW独自の価値観をアピールしなければならなかった。当時、私はアメリカ・マット界に興味を持っていたが、当時のアメリカはNWA、WWF、AWAの3大組織に加盟しているプロモーションがほとんどで、そのいずれにも属さないプロモーションはインディペンデントと呼ばれていた。つまりは大組織に属さない独立団体という意味である。さらに当時の日本の音楽はインディーズ・ブームだったから、これを使わない手はないと考えたのである。つまり"FMWは新日本、全日本という大組織と世間でブームになっているUWFに対抗する独立団体=インディペンデントである"というのがコンセプトだった。言葉を縮めてインディーとなったわけだ。

 大仁田はこの案にノリノリだった。行動力がある大仁田はアメリカのインディペンデントと連携すべく、カリフォルニアのレッド・バスチェンと組んでインディペンデント・ワールドという日米を股にかけるインディペンテント連合も結成した。

 だが「資金5万円からスタートした」などの貧乏話ばかりがクローズアップされ、いつしかインディー=力もお金もない弱小団体というイメージができあがってしまったわけだ。日本人は浪花節が好きだから、大仁田にとってはそれでもよかったわけだが…。

 さて、現在のマット界を見てみると、メジャーとインディーの区別はハッキリしない。敢えてメジャーとして括るなら、地上波のテレビ番組枠を持つ新日本とノアの2団体、会社組織としてしっかりしているドラゴンゲートということになるか。会社のイメージ、定期的に外国人選手を招聘している全日本もメジャーと言っていいかもしれない。他はハッキリ言ってインディーだ。

 とにかくメジャー&インディーという括りは無意味。ファンに支持され、しっかりと大会を提供できる団体が真の意味でのメジャーだと私は思う。

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<第55回>ゴールデン・ウィーク(06.5.10)

 今年のゴールデン・ウィークは、プロレスがすっかり他の格闘技に食われてしまった。5月3日=代々木第一体育館『HERO'S』、5月5日=大阪ドーム『PRIDE』に有明コロシアムの亀田兄弟のボクシング興行。プロレスも新日本は5月3日に福岡国際センターでビッグマッチを行なったし、横浜・赤レンガでのプロレス・フェスティバルがあるなど、活動していたが、一般メディアは上記の他の格闘技の話題一色だった。

 これは実に悲しい現実。上記の3つの興行はエンターテインメント性でも素晴らしかった。いや、今の時代、エンターテインメント性がなければ世間でも注目されないのである。エンターテインメント性こそ、プロレスならではの特権だったはずなのに…。すでに"終わった"と思われていたボクシングが亀田兄弟という強烈なキャラクターの出現でイメージが変わってしまった。今やボクシングこそトレンドである。『HERO'S』も山本KID、所など華のあるスターがいるし、ここに桜庭和志やブロック・レスナーまでも投入しようとしているのだ。桜庭を抜かれた『PRIDE』は内容で見せてくれた。判定試合はひとつもなし。特に阪、藤田のファイティング・スピリットは観る者の心を掴んだはずだ。

 こうした大会がテレビのプライムタイムで放映されたら、プロレスの出る幕がなくなる。私個人は、もし同じ時間帯で毎週放映されたとしたら、最後に残るのはプロレスだと思っているだけに、残念な現実だ。テレビ局が食いつく魅力がないというのが今のプロレスを取り巻く現実。"プロレス界に出よ、亀田兄弟!"である。

 今、プロレス界に必要なのはデッカイ打ち上げ花火。かつて5月5日と言えばFMWの川崎球場が定番だっただけに、ゴールデン・ウィークにはどこの団体でもいいからドデカイ大会をやって存在感を示してほしい。思えば新日本の東京ドーム大会だって、国技館が満員にならないという現実の中で猪木の一声で開催が決まり、それが結果的には新日本の、プロレス界全体の起爆剤になった。無謀はいけないが、挑戦は必要。プロレス界よ、今こそ自信を持って底力を発揮してくれ。


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<第54回>私のスタンス(06.5.3)

 今、出版界は難しい時期にきている。それはもちろんプロレス専門誌も同じ。私が読者だった時代は情報が少なかったから、新聞だけでは満足できずに専門誌によって様々なことを吸収していた。ところが現代ときたら、インターネットの発達によって試合やニュースが逐一手に入るようになった。ただ単に試合をリポートしても、わざわざ本を買うまでもないだろう。

 ここで私の仕事に対するスタンスを示しておきたい。今の私はフリーランスだから自分の媒体を持っているわけではなく、主に古巣の週刊ゴングを主戦場にオファーを受ける形で活動している。だから編集方針に口を挟む立場ではないが、それでも自分なりに心がけていることがある。

 まず、試合のグラビアだが、木幡新編集長体制になってから記名記事になったことで、個人的に持っている材料や蓄積、考えを出しやすくなったのは有難い。あとはそのサジ加減…あまりにも個人を強く出しすぎると本全体のリズムを狂わせてしまうことがあるだけに、そのあたりが悩みどころだ。

また、インタビューでは、いわゆるアングルに沿った話ではなく、そのレスラーのプロレス観や人間性に重点を置いている。今年になってからの健介、前田、天龍、秋山のインタビューは時流を意識しない内容にしたつもりだ。また、インタビューや事件を追う記事を書く場合は"フリーライター/小佐野景浩"と入れるようにした。これは何かクレームがあった場合に、その責任がゴングではなく、私個人にかかってほしいから。もし、何か揉め事があった場合、ゴングは「では、小佐野を使いません」と言えば済むのである。その方が私にしても書きたいように書けるというもの。今の時代、ファンの目線に立った記事でなければ誰も読んでくれないだろう。それによって団体やレスラーとトラブルが起きても仕方がない、という覚悟は持っている。

 ただし、無責任な記事、そのレスラーや関係者の人間性を中傷するような記事、暴露物と言われるものは絶対に書かない。私の根底にあるのはプロレスとプロレスラーに対するリスペクトである。

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<第53回>藤波辰爾の去就について(06.4.26)

 昨年秋から業界内では囁かれ続けてきた藤波辰爾の新日本退団問題が遂に表面化した。私はこの件について実際に取材していないが、東スポ報道の通りにサイモン社長と長州現場監督の退陣が残留の条件だとしたら、もはや藤波の選択肢は退団しかないのではないか。

 4月24日の株主総会で取締役陣の再任となったことで、もはや藤波の意見が通るとは思えない。藤波はユークスの谷口社長と直接会談によって現状打破を目指すようだが、会社組織として考えたら、谷口社長がウルトラ裁定を下すとは到底、思えない。私もかつては日本スポーツ出版社の執行役員を務め、現在も同社の株主のひとりとして株主総会にも出席していて会社組織の仕組みを一応は知っているつもり。となると、藤波の結論は退団しかないということになる。

 シリーズ中にこうしたリング外の問題が噴出してしまったのは残念。株主総会のタイミングとぶつかってしまったのは仕方がないが、それでもシリーズにマイナス材料を与えてしまったという責任を藤波も考えるべきだと思う。その上で信念を貫くなら、新日本というフレームを出て、自身の行動によってファンに審判を仰ぐべきだろう。不透明決着で残ったとしたら…それこそ"優柔不断"のレッテルを貼られてしまう。

 会社というフレームを飛び出した私の考え方は、心によしとしないものがあれば、残って不平不満を言うよりも、飛び出して自分の足で歩く方が、自分に対しても会社に対しても誠実な姿勢だと思う。


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<第52回>ノアの底力の見せどころ(06.4.19)

 今度の日曜日にノアは"聖地"日本武道館で興行を行なうが、今回は異例の大会だ。何が異例かと言うと、この1年以上、日本武道館には常に天龍、鈴木みのる、健介、柴田勝頼などの"ゲスト"を参戦させて話題を作ってきた。ある意味、メインのGHCヘビー級選手権がどんなカードであったとしても他のカードでガッチリと脇を固めるから、超満員は間違いなしという感じだった。

 ところが今回はゲストを目玉としないビッグマッチ。鈴木みのるの参戦はあるものの、全9試合中、6試合目(三沢&小川VS鈴木&SUWA)で、SUWAと組んでのGHCタッグ挑戦への布石という見どころはあるにせよ、目玉のカードではない。基本的にはノア純血カードなのだ。

 メイン=秋山VS井上雅央のGHCヘビー級戦、セミ=KENTAVS石森太二(石森はノア初登場でフレッシュだが、ノア・ファンには浸透していない存在だ)のGHCジュニア・ヘビー級戦、セミ前=小橋VS丸藤。セミもセミ前も好試合間違いなしだが、ノアはことさらこの2つのカードをアピールしていない。メインでは"中年トーナメント"優勝者の雅央が秋山に挑むが、これはハッキリ言って冒険的カードだ。

 今回の日本武道館はノアが普段着のままの人気を問う大会。カードに左右されるのではなく、ノアのクォリティー、ノアという団体の魅力がどこまで通用するかの実験と言っても過言ではないだろう。試合内容はお墨付き。それだけでどれだけのファンが集まって、そして満足して帰るのか。プロレス人気の低迷が叫ばれて久しいだけに"盟主"ノアの底力に期待したい。

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<第51回>新日本2大プロジェクトの可能性(06.4.12)

 新日本プロレスは5月から従来の興行とは別に、2つのイベントをオフ期間に毎月継続的に開催していくことになった。ひとつは長州力をプロデューサーとする『LOCK UP』、もうひとつは棚橋、タイガーマスクを柱とする『WRESTLE LAND』だ。

『LOCK UP』はゴツゴツと肉体をぶつける競技性を強調したプロレスをコンセプトにしているもので、後援が大阪屋であることから、事実上、リキプロの興行を安定&スケールアップしたものと考えていい。第1回大会は5月21日の新木場1st.RINGで、6月25日、7月29日にも同所で興行を開催する。第1回興行では、みちのくプロレス提供試合として景虎VSラッセが決定している。

一方の『WRESTLE LAND』はエンターテインメント性を協調したプロレスをコンセプトにして5月13日に新宿FACEでオープニング興行。6・30新宿FACE、7・2ディファ有明も決定している。5・13新宿FACEでは棚橋VSタイガーマスク、愚乱・浪花VSつぼ原人の2つのカードが決定済みだ。

 さて、この2つのプロジェクトをどう見るか? 本来、プロレスというものは競技性とエンターテインメント性の両方を兼ね備えているものだが、敢えてそれを2つのイベントに分離して特化させようというのだ。

 これは新日本の現状を踏まえての実験。『LOCK UP』では長州が現場監督に就任して以来、賛否両論が飛び交っていたインディーの選手の起用が大っぴらに行なわれるはず。「インディーにもいい人材はいる」を持論とする長州は、このプロジェクトを成功させることで持論を証明し、本隊の興行に反映させることができるのである。

 一方の『WRESTLE LAND』は、長州の息がまったくかからない若手の自由な発想で展開されるプロジェクト。長州体制でできないことをこのリングで思いっきり表現することができる。

 つまり2つのプロジェクトは長州と若手のイデオロギー闘争。どちらが支持を集めるかで新日本の今後の指針が見えてくる。果たして今後の新日本の舵を取るのは長州プロレスか、若い感覚か…これは見ものだ。


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