<第50回>やっぱりレスラーは凄い!(06.4.5)

 今、私は左腿を負傷中。どこでやったのかはわからないが、この2ヵ月ぐらい左腿とふくらはぎが突っ張って、角度によってはイスに座るのも辛い状態。筋肉を損傷しているとのことでマッサージ、電気治療、超音波などで治療中で、今もレスラーのようにテーピングをしている。去年の5月には左腕を痛めたし、腰は持病で疲れてくるとすぐに症状が出てくる。運動選手でもないのに、どういうことだ? いや、逆に運動不足のツケというやつか…。不健康な生活を25年以上もやってきた代償だろう。

 で、こういう時に改めて思うのが、レスラーの凄さ。人間、体のどこか一箇所でも調子が悪いと憂鬱になるのに、彼らは怪我を抱えて毎日リングに上がっているのだ。普段は歩くのも辛いほど膝が悪い武藤敬司。小橋建太、大谷晋二郎だって膝が悪い。田中将斗は常に肩をガチガチにテーピングして試合に臨んでいる。みんな大したものだと思う。昔、名古屋で谷津がブロディのインター王座に挑戦する時に足首を骨折していて「ブロディに変な遠慮をされないように」と試合時間を見越して病院で痛み止めの注射を打ってもらったこともあった。ジャンボ鶴田は親知らずを抜いたその日に平然とリングに立っていた。

「試合やってて、怪我するでしょ。だいたい、どの程度ヤバイかは自分でわかるんだよね。気分が悪くなるっていうか、吐き気がきたら"これは折れてるな"とかさあ。"あっ、これは明日、病院に行かないとやべぇなあ"とかね…」  とは三沢の言葉。

 そうやって自分の体を犠牲にしてリングに上がり続けているプロレスラーを私はリスペクトする。

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<第49回>秋山準のバランス感覚(06.3.29)

 4月2日からスタートするノアの新シリーズの主軸は中堅層によるGHCヘビー級王座決定トーナメント。当然、森嶋猛、モハメドヨネ、力皇のヘビー級新世代はエントリーされず、佐野巧真、齋藤彰俊、泉田純至、井上雅央、川畑輝鎮、志賀賢太郎、そして大抜擢の新人・谷口修平という地味めのメンバーだ。
「ハッキリ言って、面子的に難しいでしょうけど、ここで"勝ちたい!""目立ちたい!"っていう気持ちを出してもらいたいですね。この中にボクが入れば面白くする自信はあるんですけど、ボクはチャンピオンだから入るわけにいかないんで(笑)。ボクはタイトルマッチまで手出しができないんで、出場する人たちには踏ん張ってほしい。自分の力で何とかしてほしいと思います」  と、秋山が言う。

 秋山がこのトーナメントをプランニングした裏には、先日、スタートした若手中心によるプロレスリング・セムがあると思う。セムは森嶋、ヨネ、力皇、KENTA、金丸、丸藤らにトップとしての勉強をさせる場。秋山はノア全体を見て、こうした世代交代の流れの中でベテラン&中堅層への激、彼らのキャリアに裏打ちされた持ち味を引き出すために今回のトーナメントを考えたと思うのだ。

 専修大レスリング部主将からジャイアント馬場にスカウトされた秋山。秋山は「お前はいずれトップに立つ人間だから…」と、様々なことを直接教えられたというが、リングの中だけでなく、団体全体を見渡してのバランス感覚も吸収したに違いない。

 この秋山構想が成功するか、否か…エントリーされた選手たちの発奮に期待したい。


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<第48回>泥まみれの王者(06.3.22)

 今週号の週刊ゴング(第1118号)の表紙は三冠ヘビー王者・小島聡。昨年のMVPであり、三冠防衛記録もあと1回で三沢と並ぶ8回となる。川田が持っている10回の記録を追い抜く勢いだ。

 この実績からしたら、小島は日本マット界の主役であり、全日本プロレスの主役のはず。ところが実際はというと、全日本プロレスのエースではあっても主役ではないのだ。今年に入ってからの防衛戦を振り返っても…1・8大阪ではTARUを退けたが、クローズアップされたのは、その直後の諏訪魔の反乱。2・10大田区では昨年の武藤に引き続いて今度はグレート・ムタをピンフォールしたにもかかわらず、血の海に倒れ、ファンの目はその直後のチャンピオン・カーニバルの予告編に行ってしまっていた。

 ベルトを防衛しても、いつもキャンバスに倒れ、主役の座が誰かにいってしまうというのは、かつてのアメリカ・マットのNWA世界チャンピオンの伝統を引き継いでいるとも言える。当時のNWA世界王者は各テリトリーを回ってその土地のトップスターと戦い、いつも青息吐息の防衛。その土地のファンは、我らが地元の英雄を「もう少しでベルトが獲れたのに。惜しかったなあ」と言うのが常だった。つまり各地のトップを引き立てる役回りにあったのだ。

 今の小島は、まさにそんな感じ。普段の全日本の事実上の主役はVMであり、RODであり、武藤敬司。昨年後半は曙だった。その中で小島は黙々とファイトしてきた。小島がしっかりしたファイトをしてくれるから、全日本は面白おかしいストーリー展開でもビシッと締まっていたと言える。全日本のパッケージ化の成功は、小島という生真面目なチャンピオンがいたからこそだ。

 だが、このままでは小島は、ちょっと気の毒。そろそろ真の主役に躍り出てもらいたい。それには武藤の存在感、オーラを超えていかなければならない。4月からスタートする『チャンピオン・カーニバル』はその絶好のチャンスだ。全公式戦で他の誰よりも内容のある試合を続け、そして優勝できれば周囲の見る目も変わるはず。プロレス・ファンは頑張っている人、努力する人に思い入れを持つのだ。やっぱり三冠王者=主役でなければいけない。

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<第47回>王道追求の道標は方舟(06.3.15)

 4・9後楽園ホールにおけるキングスロード旗揚げ第3戦に三沢、菊池、志賀、丸藤のノア勢が参加する。これはハッキリ言って驚きだ。キングスロードと言えば、今の武藤体制・全日本と主張を異にして、馬場色を打ち出す団体。設立当初から馬場元子さんの影響力があると言われていた。そこに元子さんと袂を分かつ形で誕生したノアが協力するのである。

 私はキングスロードが出来る時から、同団体の青木&高橋氏、元子さんの双方から無関係であるということを聞いていた。 元子さんは「高橋くんたちがキングスロードという名前を使うことに対して何も言うことはないし、やるんだったら成功してほしい。でも私は馬場さんの七回忌追善興行を最後にプロレス界とは一線を引いたから、協力するということはないの」と言っていた。今回のノアの参戦は高橋氏とノアの仲田龍渉外担当取締役の信頼関係から実現したものだ。

 それでも三沢らがここに参戦する意味は大きい。その後の経緯はどうであれ、馬場ファミリーの世界に出陣するのである。しかもノアの参加メンバーは、みんな馬場さんが生きていた時代の全日本のメンバーなのだ。キングスロードが王道を目指すなら、全日本の平成黄金期を築いた三沢らの教えは必要不可欠なのだ。


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<第46回>今こそ地方興行を!(06.3.8)

 このところ地方への出張取材が多いことで考えさせらることが多い。ダイアリーではテレビの必要性を書いたが、現状では、いい時間帯で地上波がつくのは不可能。そうなると必要になってくるのは昔ながらの地方興行だと思うのだ。

 観客動員数から考えると、地方興行は団体にとって経費的に負担になる。それよりも東京ドームを1発成功させた方がいいに決まっている。しかし、子供たちが気軽にプロレスに接する機会がない現実の中でファン層を拡大するには、ナマで見せるしかないのだ。それによって「プロレスって面白い」と思ってくれれば、次にその土地に行った時に確実にお客さんが増えるはず。口コミこそが一番確かなプロレス普及活動だと思う。ただし、これは本当に時間がかかる草の根運動的な活動である。

 2月26日のビッグマウス・ラウド徳島は地元に密着した大会だった。柴田や村上がサイン会などの営業活動で現地を訪れ、元腕相撲王者のアラン・カラエフは地元のテレビに出演したり、100人抜き腕相撲大会をやったりとパブリシティ。当日は地元の格闘技道場の対抗戦、地元のミュージシャンのライブ、地元出身のマスコットガールの起用…と、地元の手作り的な興行となり、結果、超満員となった。

 ただし、これは興行を月1回にしているビッグマウス・ラウドだからできたこと。しかも和田最高顧問、福田取締役のお膝元というのも強かった。シリーズで各地を回る場合には、ここまで1大会のプロモーションに手間隙をかけるのは不可能だろう。

 それでも私は地方興行は重要だと言いたい。日本各地にナマでプロレスを見たい人はいるはず。PRIDEやK−1が絶対にできないのが地方興行なのだ。

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<第45回>前田&船木のBML撤退に想う(06.3.1)

 ビッグマウス・ラウド(BML)の2・26徳島大会はスキャンダラスな意味で注目の大会だった。スーパーバイザー辞任を宣言していた前田の気持ちが試合を見て変わるのか? そして因縁の前田と永田の遭遇はあるのか? 結果はどちらもなかった。休憩明けに船木と共にリングに立った前田は「試合を見て査定する気はありません」と、スーパーバイザー辞任を早々に発表し、試合を見なかったから前田と永田の遭遇もなかったのだ。

「21世紀のストロング・スタイル、スーパーUWFをやるというからBMLに協力したが、上井さんはここにきて"できません"と言う。ファンの皆さんに期待を持たせて申し訳ないという気持ちがあるが、できないのなら元居た場所に帰るだけ。今のプロレスの駄目な部分、至らない部分から1歩も出ようとしないBMLにはガッカリした」
 というのが前田の言い分だった。前田は冷静だった。新しい記者を知らないだけに、かつてU系担当で今は週刊ゴングのプロデューサーになった杉本喜公氏、新日本の若手時代から知っている私の顔などを見ながら、誠実に、理解を得ようとコメントしていたのが印象的だった。前田はプロレス・ファンに対してプロレス界から去ることを心底、申し訳なく思っているのだと私は感じた。

 前田が掲げたスーパーUWFとは何だったのか? 前田自身がリングで実践できないわけだから、おぼろ気にしかわからないが、総合格闘技に限りなく近いプロレスであることは確か。今回、カラエフがプロレス・デビューしたが、名のある格闘家をプロレス・ルールのリングに上げて、その中で総合でも勝てる日本人レスラーを育成するというのが前田の構想だったと思う。

 だが、これは現実的には、やっぱりできないというのが上井氏の本音だっただろう。純血メンバーでスタートしなければ新しいスタイルは作り出せない。だが所属選手は柴田と村上だけ。今のBMLの興行は他団体やフリーの選手の協力がなければ成り立たないのだ。彼らにスーパーUWFスタイルを強要するのは無理な話である。

 私は思う。上井氏がビッグマウスを立ち上げた時に前田を担ぎ出したのは、スタイル云々ではなく、あのUWFの、かつての新日本の熱を取り戻したかったからだと。そして前田はUWFで完成できなかったプロレス・スタイルを確立しようと思ったのだと。当然、そこには意識の隔たりがある。足並みが揃わなくて当然なのだ。

前田は理想を第一とする夢追い人。上井氏も夢多い人だが、元々営業の人間であり、興行を成功させることが第一。まずお客さんを満足させることが優先になって当然だろう。結果、マッチメークはバラエティに富んだものになっていく。もはや前田と上井氏に接点は生まれないだろう。

 今後のBMLはどうなるのか? これはもう、柴田勝頼しかいない。柴田とカラエフの試合は、プロレスや格闘技の知識がない人間が見ても面白かったと思う。体重が倍近く違う同士の力VS技の攻防は実にわかりやすかった。BMLの今後のスタイル=柴田である。柴田が続ける実験が、そのままBMLのスタイルとなっていくのだ。その成長過程を見るのが、今、私は楽しみである。


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<第44回>新日本プロレス2・19両国決戦(06.2.22)

 ウーン、自分で選んでおきながら、実に難しい題材だ。新たな体制での初ビッグマッチ…新日本はここで新たな方向性を打ち出さなければならなかったのだが、残念ながらそれを見ることはできなかった。

 一言で表現すれば、切ない大会だった。選手はそれぞれに必死…特にそれは永田VS棚橋に感じられた。共にこれからの新日本を引っ張っていかなければいけないという責任感を持っている。セミ前に据えられたが、きっと2人共に「これが今日のメイン!」という意識だっただろう。未来への希望という意味で、棚橋には「絶対に勝たなければいけない!」という気持ちが強かっただろうし、一方の永田は、周囲が棚橋の勝利を期待していることは痛いほど感じていたはず。だが、ここで簡単に道を譲ることはできないという意識だったはず。結果、必死さが出すぎて観る方が辛くなってしまう試合になってしまった。プロレスにはシビアな面白さも含めて、基本的に楽しいものであるはず。見る人間が辛くなってしまうのは切ないものだ。

 だから評価が一番高かったのがレスナー&中邑VS長州&曙。私も、この試合が一番だったと思っている。どの組み合わせも新鮮だったし、レスナーと曙の攻防は、これぞプロレスの醍醐味。「新日本らしさがない」と残念がる声もあったが、では新日本らしさとは何なのか? お客さんが「オーッ!」と声を上げ、楽しいのがプロレスである。そこに理屈はいらない。となると、ここ何年間かの新日本は屁理屈ばかりが先行していたのではないかと思う。「理屈の前に、理屈抜きの面白いプロレスをやってごらん」というのが私の意見。もはや新日本らしさ云々をしたり顔で語る前に、お客さんが満足するプロレスを提供することが先決なのだ。そこから、今までのストロング・スタイルや闘魂とは違う"新しい新日本らしさ"が生まれてくるのではないか。

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<第43回>健介興行で学んだこと(06.2.15)

 2月11日、東京・後楽園ホールで行なわれた佐々木健介20周年イベントは大盛況だった。健介に聞いてみたら、前売りチケットは2日間で売り切れてしまい、本人たちも知人からチケットを頼まれて困ったという。

 だが考えてみれば、この大会はわずか3試合。これだけでファンがチケットに殺到したということが、業界的にみれば大きなことである。今の時代、どんなに豪華なカードを並べ立てたとしてもファンは動かない。一番大切なのはイメージ…「何か楽しそうな大会だ」「面白いものが見れるんじゃないか」という期待感をその大会に持てるかということである。

 健介興行について言えば、健介ファミリーのアットホームな空気、各団体やフリーのレスラーが超党派で健介をお祝いするというハッピー感が大きかったと思う。

もちろん3試合とはいえ、マッチメークもファン心理をそそるものだった。健介の別キャラのケンスキーは誰でも1度は見てみたいはずだし、参加費1万円を払った上で参加料総取りというバトルロイヤルも楽しそうに感じられる。そのメンバーには"鬼嫁"北斗晶と"世界一性格の悪い男"鈴木みのるが入っているのだ。そしてメインの健介&小橋VS天龍&勝彦は文句なく好カード。今の健介オフィスの人脈からしたらベストカードと言っていい。

 そして内容もよかった。全体的には記念大会ということで、健介ファミリーの家族的な雰囲気と、ノスタルジックなあったかい雰囲気に包まれていたが、メインはガラッと変わって、痛みが伝わるハードな闘いとなった。健介と勝彦の攻防に甘ったるさは一欠けらもなかったし、小橋が非常に徹し、天龍がお祭りムードを拒否して喧嘩腰でムキになって闘っていたのが良かった。このギャップがまた観に来た人に大きなインパクトを与えたはずだ。あったかくも厳しい…それがプロレスなのだ。

まだ2月だが、このメインは現時点の今年のベストバウトだと自信を持って推せる。


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<第42回>フリーという生き方(06.2.8)

 今日(2月8日)発売の週刊ゴングで、私は佐々木健介にインタビューしている。私と健介は、健介がジャパン・プロレスに入門した時からの付き合い。2月16日にデビュー20周年になるということで、実に10年ぶりのインタビュー…普通の「です」「ます」調のインタビューだとお互いに調子が出ないので、普段どおりのタメ口でやらせてもらったので、悪しからず。

 それにしても、健介がフリーのレスラーになるとは思ってもいなかった。新弟子のジャパン・プロ時代は長州のため、新日本時代は新日本のため、WJ時代は家族を犠牲にしてまでもWJのために必死になっていた男なのだ。そして、真っ直ぐな男だから、そんな生き方が似合っていた。

「俺はずっと家族を犠牲にしてきたんですよ。それが家族を食べさせていかなきゃいけないと思った時に、自分で歩いていこうと決めたんです」。  およそフリーが似合わない男だと思っていたのが、いざフリーになってからの健介は輝いている。それは背伸びをせず、肩の力を抜いて"本当の健介"を自然体で見せられるようになったからだ。そこには妻・北斗晶の助言も大きいと思う。それまでの健介は、ハッキリ言って、どこまで行っても長州力のコピーだった。その長州の影が消えたことで、健介は解放された。

 今、新日本からフリーになったレスラーが多くいるが、果たして彼らは健介のようになれるだろうか。今までは良くも悪くも団体がプロデュースしてくれた。だが、これからは自己プロデュースしていかなければならない。フリーになったレスラーは、それまで所属していた団体以上のプロデュース力がなければ生きていけないのだ。

 ただひとつ言えることは、リスクを背負ったレスラーは魅力的である。

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<第41回>新日本に柱は立つか!?(06.2.1)

 新日本はいよいよ風雲急を告げている。今年の契約更改で西村、吉江、ヒロ斉藤、後藤達俊、成瀬、井上、長尾、安沢(引退)、柳澤(フリー契約)らが退団、レフェリーだったブラック・キャットが急逝し、山口、田中の両リングアナも退社(田中リングアナは今シリーズをもって退社)、さらには藤田和之が猪木事務所を退団して「もう新日本には上がらない」と宣言した。また天山、金本ら契約を保留したままシリーズに参加している選手もいる。

 一体、これはどういうことか。昨年10月、長州が現場監督に復帰したことでアンチ長州の選手が離脱するというのが大方の見方だったが、この事態はそのレベルを明らかに超えている。そこには金銭という問題もあるだろうが、田中リングアナの「自分の心の中にある一番大切なものを守れなくなったから…」という言葉が引っかかった。多分、金銭的な問題があっても、そこに将来への希望があれば、こんなに離脱者はいなかったと思う。もはや、新日本プロレスという会社自体の問題なのだろう。

 だが、その一方では新日本を守ろうと必死になっている人間もいる。永田裕志は「新日本という看板がある限り、俺は留まって頑張る」と言うし、中邑、棚橋は一発で新契約にサインした。IWGPシングルの金看板がレスナーに持ち去られた今、蝶野&天山はIWGPタッグ王座を主軸にしようと躍起になっているし、中西はバーナードとの野獣コンビを考えている。また真壁は棚橋に噛みついて新日本マットに火をつけようとしている。

 だが、やはり"ぶっとい柱"が必要だ。今の新日本は選手不足をリキプロの石井、宇和野、アパッチ軍で補い、結果的にマッチメークはバラエティになってきているが、ハッキリ言ってかつての"これが新日本だ"という芯がない。全日本はパッケージ・プロレスとして様々な要素を入れてバラエティさで05年は人気が持ち直したが、それも三冠王者・小島聡という柱があればこそ。柱がなければ、寄せ集めのポリシーのない団体になってしまうのだ。

 柱を作るという意味では2・5月寒ドーム大会が焦点となってくる。メインは中邑VS棚橋。昨年1・4東京ドームのメインとなった若きエース対決だ。この時期に2人に重いものを背負わすのは気の毒だが、ハッキリ言って今の新日本が新しい何かを打ち出すには、この2人しかいない。一騎打ちは今度で3度目となるが、こうなったら毎シリーズの大舞台で2人の一騎打ちを組むぐらいの強い姿勢と、この2人に懸けるという覚悟がなければ"新しい新日本"というものを打ち出せないのではないか。

思えば、かつては藤波と長州が毎シリーズのように一騎打ちを行なって"名勝負数え唄"を作った。藤波と長州にとっては、かなりきつかったと思うが(実際に藤波は"長州との一連の闘いは選手生命を削られるようだった。長州の顔を見るのも嫌だった"と言っていた)、それが今、2人の財産になっている。毎シリーズ一騎打ちを行なってもファンを飽きさせないだけの技量が中邑と棚橋にあるか!? 当人たちにとっても、新日本という団体にとっても厳しい賭けだが、今はそれぐらいのことをやる必要がある。


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