UWF あの頃と今

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 最近、ダイアリーの更新が仕事の宣伝ばかりになってしまって心苦しいが、明日5月20日、双葉社から『俺たちのプロレス UWFあの頃と今』(1200円+税)が発売される。同書は旧UWFが誕生してから30年ということで“旧UWF、新生UWFとは何だったのか?”をテーマに関係者12名の証言をもとに現在のマット界に与えた影響を検証している。
 私は新生UWFが続いていれば、新時代のエースになっていたはずであり、2006年にはビッグマウス・ラウドでスーパーUWFのエースになるはずだった船木誠勝、旧UWFを営業マンとして支えた上井文彦氏、そして“天龍革命とUWF”として天龍源一郎にインタビューした。
 新日本から始まり、今はW-1に身を置く船木の格闘技人生は実にドラマチックなもの。船木のロングインタビューは、プロレスから総合格闘技へと移行する熱い時代が生々しく語られている。その船木、そして前田とビッグマウス・ラウドで袂を分かった上井氏とは久々の再会だった。「僕は浦田さんにも前田さんにも許されていないと思うんです。そんな僕がUWFを語る資格はないと思って今まで取材をお断りしていたんですけど、旧UWFについて最初から最後まで知っているフロントの人間は僕しかいなくなってしまったので、今回を最後として喋ります」と上井氏。旧UWFの現実を読み取っていただきたい。
 そして天龍。私は週刊ゴング時代の88年7月に「新生UWFの旗揚げ戦のビデオを観たよ!」という天龍にインタビューした。当時、天龍はレボリューションをスタートさせてから1年…世間がUWFブームに沸くなかで、ブレることなく自信を持って純プロレスをやっていた。だが、その一方では理想を追うUWFの姿勢、前田の情熱を認めていた。天龍のインタビュー翌週には前田にインタビューして、その言葉のキャッチボールで天龍と前田の間に同志的な感情が生まれたと自負している。あれから26年経った今、天龍が改めてUWF、前田について語ってくれた。
 私が担当した以外には藤原喜明、木戸修、鈴木みのる、旧UWFと体を張って闘った藤波辰爾、越中詩郎、新生UWFのフロントとして最後を見届けた川崎浩市氏、さらには獣神サンダー・ライガーがUの原型を作った新日本道場を語り、Uの魂を受け継いだ髙阪剛、UWFに憧れた総合格闘技のパイオニアである宇野薫が登場。
 改めて検証してみると、彼らの理想に向かうエネルギーは半端ではなかったことを痛感する。そこには烈しい青春がある。ぜひ、読んでみてください。

Gスピリッツ最新号は60周年記念特集!

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 3月26日(水)発売のGスピリッツVol.31の表紙と総力特集を公開しよう。今号の特集は『旗揚げ60周年記念特集 日本プロレス』。1954年(昭和29年)2月19日、蔵前国技館での日本プロレス旗揚げ興行で力道山&木村政彦vsシャープ兄弟戦が行われ、この国にプロレスが根付いて60年。この機会に改めて力道山が創り、ジャイアント馬場とアントニオ猪木が生まれ育った伝説の団体を掘り起こしてみた。リアルタイムで知らない世代でも楽しめるエピソードがてんこ盛り…日本プロレスの面白さ、深さを堪能していただけると思う。主な内容は以下の通りです。
【新事実続出! 力道山時代裏面史】
京谷泰弘( 元・日本テレビ『三菱ダイヤモンド・アワー』プロデューサー)
水面下で消滅した「力道山vs木村政彦の再戦」と「豊登vsカンガルー大晦日決戦」
【真説―ロングインタビュー】
アントニオ猪木
“若獅子”の青春時代
【禁断の主流派vs反主流派対談】
北沢幹之×グレート小鹿
闘論―なぜ俺たちは対立することになったのか?
【ボヤキ評論家の日プロ中・後期講座】
門馬忠雄
至近距離から見た豊登~BI時代
■スペシャルインタビュー
ハーリー・レイス
元NWA世界チャンピオンの帝王学
ロイ・ウッド
ウィガンからのメッセージ
■英国軽量級レジェンド対談
ジョニー・セイント×クン・フー
追想――土曜午後の英国プロレス
<好評連載>
■実録・国際プロレス
【第21回】マイティ井上
“第3団体”最強外国人選手は誰だ!?
■グレート東郷  「銭ゲバ」と罵られた男の戦前・戦後史
【最終回】潰されたドリー・ファンク・ジュニアvsシャチ横内のNWA世界戦
■ミル・マスカラスが「悪魔仮面」と呼ばれた時代
―ロス登場から初来日までの1033日―
【最終回】AWAでストロング小林と激突
■アリーバ・メヒコ
ブラックマン&ホワイトマン
白黒忍者コンビが30年ぶりに再会!
【前編】“早熟の天才児”アルベルト・ムニョスの快進撃
ドクトル・ルチャのミニ講座
アルベルト・ムニョスが巻いたナショナル・ウェルター級王座
■ 原悦生の格闘写真美術館
【第31回】 「力道山」

仲田龍氏の死を悼む

プロレスリング・ノアの仲田龍さんがお亡くなりになった。彼と私は同学年。彼は中学時代から全日本プロレスでリング設営のバイトを初めて80年春に全日本に入社、私は高校時代に新日本プロレスのファンクラブを主宰していて、大学に入学した80年春からゴングのスタッフになった。まだ小僧だった彼と私は“同級生”という感覚で付き合い、この業界で同じ時代を生きてきただけに辛く、悲しいことだ。
もちろん、仕事の中ではずっと関係が良好だったわけではなく、SWS騒動の時には私のことを「敵だ!」と言っていたが、私は私なりの信念を貫いて仕事をしていたから「小佐野クンは敵ながらアッパレ!」とよく笑っていた。どんな状況になっても…お互いに小僧の頃から知っているから、彼にとって私は「小佐野クン」だったのだろうし、私にとっては「龍ちゃん」だった。
この2~3年はスキャンダルに見舞われてしまい、表の仕事からは退いていたものの、私にとっての龍ちゃんは何も変わらなかった。若い頃にお世話になったベテランの記者に常に気を配っていたし、レスラーでも関係者でもこの世界の先輩には常に敬意を払っていた。フリーになった私の取材にも昔と変わらず便宜を図ってくれた。そんな昔気質の龍ちゃんが私は好きだった。
私にとって一番楽しかった時代は週刊ゴングの全日本担当記者時代。龍ちゃんが馬場さんの秘書でもなく、リング屋さんとリングアナをしていた時代だ。あの当時はお互いに責任も複雑な人間関係もなく気楽に遊んでいたものだ。
ご冥福をお祈りします。

馬場さんが亡くなって15年…

 昨日1月31日はジャイアント馬場さんの祥月命日。馬場さんがいつも食事をしていたキャピトル東急ホテルの『オリガミ』で馬場さんを偲ぶ食事会が催され、私も参加させていただいた。
 馬場さんが亡くなって15年…誰もが年齢を重ねた。振り返ると亡くなった1999年1月は、私にとっては週刊ゴングの編集長から編集企画室長に異動となった時期。最初に手掛けた本が馬場さんの追悼号になってしまった。刷り上がった本を届けにご自宅に伺った時に元子さんが「馬場さんはあなたにプレゼントをあげちゃったのね」と仰ったことを思い出す。その元子さんは今も馬場さんと一緒に生活している。元子さんと話をしていると、常に隣に馬場さんがいることを感じるのだ。
 15年という年月は長い。お会いできなくなってしまった方もいるというのが現実だ。毎年1月31日の馬場さんの名の下に集うたびに命の尊さを教えていただいているような気がする。また1年、健康に過ごそうと思い、参加した方々の健康を思うのである。

クリスマス発売のGスピリッツは新日本特集!

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 12月25日(水)のクリスマスに発売されるGスピリッツ第30号は1年9ヵ月ぶりの新日本プロレス特集! 第23号に続く『続・金曜夜8時の新日本プロレス』だ。正確には月曜や火曜の夜8時の時代も含む88年4月までのゴールデンタイム時代の新日本を特集している。
 この特集の中では1973年(昭和48年)3月に合流して以後、選手として、副社長として、ブッカーとして新日本を支えてきた坂口征二相談役に計5時間インタビューした他、獣神サンダー・ライガーの素顔時代、武藤敬司の若手&スペース・ローンウルフ時代の青春を取材。また日本プロレスの『ワールドプロレスリング』放映開始から新日本の70年代の黄金期にプロデューサーとして手腕を振るった堀内国弥氏とお会いすることもできた。
 主な内容は以下の通り。またまた濃い一冊に仕上がっています!
【巻頭2万字インタビュー=坂口征二】
昭和の副社長兼ブッカーが振り返る「闘いのロマン」と「企業戦争」
【証言―金曜夜8時最後の世代】
越中詩郎 ド演歌ファイターの苦闘と栄光
獣神サンダー・ライガー あすなろ戦士の尖りまくり青春記
武藤敬司 月曜夜8時のスペース・ローンウルフ
【テレビ朝日から見た昭和・新日本】
堀内国弥・元プロデューサー=70年代の『ワールドプロレスリング』
■スペシャルインタビュー
ザ・ファンクスのアマリロ黄金期回想録
ジョニー・セイント=“千の技を持つ男”が明かすロイヤルマジック誕生の秘密
■連載
グレート東郷 「銭ゲバ」と罵られた男の戦前・戦後史
【第2回】なぜグレート・アントニオは外国人控室でリンチに遭ったのか?
実録・国際プロレス
【第20回】米村天心(後編)
ミル・マスカラスが「悪魔仮面」と呼ばれた時代
【第13回】宿敵ジョニー・バレンタインと合体!
アリーバ・メヒコ
“怪魚仮面”フィッシュマン 天才エストレージャの栄光と破滅
【後編】頂点を極めた男がマスクを脱いだ日
ドクトル・ルチャの現地リポート
CMLL創立80周年を祝してルテロ・ファミリーが勢揃い!
原悦生の格闘写真美術館
【第30回】「ガウン」

2013年度プロレス大賞選考会議

『2013年度プロレス大賞』選考会議は22人の選考委員(所用のため欠席の特別選考委員・内館牧子さんは事前ノミネート)によって昨日9日の午後1時から行われた。約2時間の選考会議の経緯と各賞受賞者は以下の通りだ。
【最優秀選手賞(MVP)】オカダ・カズチカ(2年連続受賞)
オカダの他、新日本&DDTのダブル所属となって活躍した飯伏幸太、新日本のG1、全日本のチャンピオン・カーニバル制覇に続き、ノアの『グローバル・リーグ戦2013』を制して史上初の3大メジャー・リーグ戦制覇を達成した永田裕志、1月にGHCヘビー級王者になり、この1年のノアを支えてきたKENTA、フランスのジャパン・エキスポなどのイベントを加えると17もの団体で年間186試合をこなす関本大介、プロレス転向8年にして三冠ヘビー級王者になった曙がノミネートされた。
会議進行の流れの中で、私がオカダをノミネートする形になったが、やや過保護感のあった昨年と違って、4月にIWGP王座に返り咲いてからの様々な相手との防衛戦の内容、そして何よりも業界の盟主・新日本の頂点に君臨しているという、ごく当たり前の理由から名前を挙げさせてもらった。
投票の結果はオカダ=11、飯伏=2、永田=1、KENTA=4、関本=2、曙=2。1回の投票でオカダが過半数の票を獲得して2年連続の受賞となった。
【年間最高試合(ベストバウト)】中邑真輔vs飯伏幸太(8月4日、大阪ボディメーカーコロシアム)
ノミネートされたのは①中邑真輔vs飯伏幸太(8月4日、大阪ボディメーカーコロシアム)②中邑真輔vs桜庭和志(1月4日、東京ドーム)③“黒天使”沼澤邪鬼vs葛西純(3月1日、後楽園ホール)③内藤哲也vs棚橋弘至(8月11日、両国国技館)④諏訪魔vs潮﨑豪(7月14日、後楽園ホール)⑤田中将斗vs石井智宏(2月3日、後楽園ホール)⑥KENTAvs関本大介(10月19日、ディファ有明)⑦藤田和之vs鈴木秀樹(10月26日、東京ドームシティホール)⑧後藤洋央紀vs柴田勝頼(6月22日、大阪ボディメーカーコロシアム)の7試合。
私がノミネートしたのは分裂騒動後の全日本の船出となった7・14後楽園のメインで60分3本勝負として行われた諏訪魔vs潮﨑。全日本の新たな方向性を打ち出した重厚な真っ向勝負で“プロレスラーの芯の強さ”を見せてくれたと感じていたからだ。石井のゴツゴツしたファイトは選考委員の誰もが高く評価していたし、常軌を逸した狂気を見せつけた沼澤vs葛西、118秒で終わってしまったが、観る者に恐怖を与え、鍛え込んでいなければできない攻防を繰り広げた藤田vs鈴木など、今年は緊迫感のある試合、ゴツゴツした試合、アクのある試合がノミネートされたのが興味深かった。
第1回投票では中邑vs飯伏=6、中邑vs桜庭=7、沼澤vs葛西=1、内藤vs棚橋=0、諏訪魔vs潮﨑=2、田中vs石井=4、KENTAvs関本=0、藤田vs鈴木=1、後藤vs柴田=1。この中から中邑vs飯伏、中邑vs桜庭、田中vs石井によって2回目の投票が行われて中邑vs飯伏=7、中邑vs桜庭=8、田中vs石井=6(※内館先生は不在のため、総票数は21)。
絞り込んでの2回の投票でも過半数に達する試合はなく、再び議論が交わされ、最終的には中邑vs飯伏、中邑vs桜庭の決選投票に。結果は中邑vs飯伏=14、中邑vs桜庭=7で、それまでの2回の投票と逆転した。
私は勝敗が重要視されたシチュエーション、プロレス対総合格闘技の緊張感の中で己のスタイルを貫いて好勝負を創り上げた中邑の器量&力量を買って中邑vs桜庭に投票していたが、中邑の現在のスタイルの集大成とも言えるvs飯伏の方が最終的に支持を集めた。飯伏の技量も遺憾なく発揮されたというのも大きな要因。期待の高さを上回った両者の高度な攻防と高揚感が最終的な決め手となった。この中邑vs飯伏が2013年で一番たぎった試合と言っていいだろう。
【最優秀タッグチーム賞】マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト(初)
いくつかのチーム名が挙がったが、正式にノミネートされたのは矢野通&飯塚高史、木高イサミ&宮本裕向のヤンキー二丁拳銃、諏訪魔&ジョー・ドーリング、マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイストのTMDK、バラモン兄弟の5チーム。
初回投票は矢野&飯塚=6、ヤンキー二丁拳銃=6、諏訪魔&ジョー=1、TMDK=8、バラモン兄弟=1。2回目は上位3チームに絞られて矢野&飯塚=6、ヤンキー二丁拳銃=7、TMDK=9。そして上位2チームの最終投票でヤンキー2丁拳銃=9、TMDK=12に。
イサミはユニオン、宮本は666の所属ながら大日本&DDTのタッグ王者になり、試合内容も会場人気の高さも評価されていて、私もヤンキー二丁拳銃推しだったが、久々の外国人のベビーフェース・コンビとしてノアのヘビー級タッグ戦線をリードしたTMDKに軍配が上がった。留学生からスタートしてここまで這い上がってきた努力、そしてポテンシャルの高さも評価された。
ちなみにカメラマンの選考委員から評価が高かったのはヤンキー二丁拳銃とバラモン兄弟。「撮っていて楽しい」というのが、その理由だ。
【殊勲賞】KENTA(初)
ノミネートされたのは、今年の選考会議の各賞で名前が挙がった石井智宏、MVPにもノミネートされたKENTA、曙、永田裕志、G1初優勝の内藤哲也の5人。
初回投票では石井=3、KENTA=9、曙=8、永田=1、内藤=1となり、KENTAと曙の決選投票でKENTA=11、曙=10。1票差でKENTAが殊勲賞となった。
私は曙のこれまでの葛藤、苦悩、努力も見てきたし、たとえ年下でも自分よりキャリアのあるレスラーを“さん付け”で呼ぶ謙虚さ、プロレスへの真摯な姿勢も大好きだが、ここはKENTAを推した。
曙は三冠王者になったこれからが本当の勝負、対してKENTAは選手離脱、小橋引退の逆風、沈滞ムードのノアを1年間頑張り続けて変えてきた実績がある。常に最高のファイトを心掛け、試合後には「今日はありがとう。またこの会場で会えることを楽しみにしています」と素の言葉でファンに語りかける姿は感動的だった。もしKENTAがいなかったらノアはヤバかったと思うのだ。
【敢闘賞】関本大介(初)
ここでは選考委員の間で評価が高い石井智宏と関本大介、分裂騒動の中で選手としてはもちろん、それ以外の部分でも奔走して全日本を守った諏訪魔、殊勲賞にもノミネートされた内藤哲也、活況を呈するドラゴンゲートにあって、CIMA時代から群雄割拠の時代になった中でドリームゲート王者に君臨する吉野正人の5人の名前が挙がった。
投票結果は石井=6、関本=8、諏訪魔=4、内藤=1、吉野=3。石井と関本の決選投票は石井=8、関本=13で関本が過半数以上を獲得。私は石井と関本のW受賞が望ましかったが、どちらかひとりとなれば、今年は石井推し。昨年暮れあたりから注目されるようになった石井だが、もっと早くスポットライトを浴びていてもおかしくない選手だと思う。スマートなレスラーが主流になっている今だからこそ、あの無骨なファイトが異彩を放ち、注目されるのだろう。だが、もちろん関本の受賞に異論はない。立派な敢闘賞受賞だ。おめでとう!
【技能賞】吉野正人(初)
ここにはワルの職人・矢野通、王道プロレスの継承者・秋山準、ノアから全日本に転じて常に好試合をやっている潮﨑豪、スピードマスターの吉野正人、広い意味の技能によってあらゆる面で新日本を支える棚橋弘至、殴って蹴って叩きのめすギリギリのスタイルながらハイレベルな技術で唸らせる藤田和之の6人がノミネートされた。矢野=2、秋山=2、潮﨑=6、吉野=8、棚橋=2、藤田=2から潮﨑と吉野の決選投票に。
私は全日本登場以来、カーニバル公式戦全戦で好試合を演じ、諏訪魔とのシングル2試合で未来の全日本の可能性を見せ、王道トーナメント決勝では曙を引き出した潮﨑の技能を推した。果たして決選投票の結果は潮﨑=10、吉野=11の1票差で吉野に軍配が上がった。
【新人賞】竹下幸之介
新人賞は昨年8月18日のDDT日本武道館初進出でエル・ジェネリコ相手にデビューした現在高校3年生の竹下、大相撲で培った基礎体力と、一からやり直す姿勢、朴訥としたファイトが評価されたIGFの将軍岡本、女子では10・17後楽園の仙女の世代闘争で豊田真奈美、井上貴子、ダイナマイト関西に勝った夕陽、愛川ゆず季引退後も存在感を発揮している世Ⅳ虎の4人の争いに。
私が推したのは竹下。187センチの恵まれた体格、デビュー当時は恵まれた運動神経だけの印象が強かったが、最近では身体能力、大技に頼らずに試合を組み立てているセンス、アクシデントで流血しても心が折れないファイティング・ガッツを買った。
投票は竹下=9、岡本=8、夕陽=4、世Ⅳ虎=1となり、竹下と岡本の決選投票は竹下=14、岡本=8。竹下の受賞が決まった。
【女子プロレス大賞】里村明衣子(初)
2年連続受賞の愛川ゆず季が引退したことで注目された女子大賞は里村明衣子、GAMI、高橋奈苗、赤井沙希、リン・バイロン、木村響子の5人がノミネートされた。
私が変化球的に(?)ノミネートしたのはGAMI。GAMI「女子プロレス大賞を狙う」と冗談ともつかない宣言をしていたが、WAVE、OSAKA女子プロレスを切り盛りして独特の感性で数多くの興行を開催し、女子プロレスを盛り上げているのは、確かに女子プロ大賞を狙うに十分だと思ったからだ。
投票は里村=12、GAMI=1(私だけ…)、奈苗=1、赤井=5、リン=1、木村=2で里村がダントツで受賞。
05年から仙台を拠点にセンダイガールズプロレスリングを主宰して自身がトップとして支えつつ、後進を育成し、現在の世代闘争をプロデュースする里村の受賞は誰もが納得するところだと思う。
また、以前のように該当者無しではなく、7人もの選手がノミネートされたのは嬉しい限りだ。
【特別功労賞】小橋建太
満場一致で決定!
【レスリング特別表彰】
登坂絵莉(ハンガリー世界選手権48キロ級優勝)
吉田沙保里(ハンガリー世界選手権55キロ級優勝)
伊調馨(ハンガリー世界選手権63キロ級優勝)
2時間に及ぶ選考会議の経緯は以上です。

天龍vs小橋は76分の熱闘に!

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 昨日は新木場の天龍プロジェクト『蛟龍R』の天龍源一郎vs小橋建太トークバトルの進行を担当。トークの詳細については…チケットを購入して会場に足を運んでくれたお客さんのものだと私は思っているので、知りたい方は格闘技DXや週刊プロレス・モバイルを見ていただきたい。
 ちょっとだけ書くと、天龍が合宿所に殴り込んできた真相を小橋が語ったり(実は2回あった!)、新潟で天龍同盟の宴会に馬場さんと小橋が合流した時の話、柳葉敏郎や哀川翔を激怒させた武野功雄さんの結婚披露宴での2人の泥酔ぶりなど、本当に楽しそうに思い出話に花を咲かせてくれた。お客さんもハッピーな気分になってくれたと思う。
 そして最後は天龍のリクエストに応えて小橋がマシンガンチョップ10連発。ウォーミングアップなしで「行くぞーっ!」と気合いを入れてリクエストに応えた小橋も凄いが、11年11・24名古屋の健介オフィス興行(手術前の最後の試合)以来約2年ぶりに公の場で裸の上半身を公開してチョップを食らった天龍も凄かった。
 果たして60分1本勝負と銘打たれたトークバトルは60分越えの76分! この日はトークバトルを第1試合として計5試合が組まれたが、この第1試合だけで21時を越えそうになったため、小橋のマシンガンチョップで締めさせてもらったが、実際にはあと1時間でも続けられたはずだ。
 振り返れば、かつての天龍同盟の試合はTV中継のある日よりも地方の試合の方が長いくらいだったし、天龍同盟の姿勢と試合を意識した四天王プロレスも全国各地で30分近い全力ファイトをやっていた。天龍も小橋も、それがトークの場になっても「お客さんに満足してもらって帰ってもらう!」という姿勢は変わらないのだ。ふたりの中に馬場・全日本プロレスが受け継がれているのだと実感させられた昨日のトークバトルだった。

禁断の天龍vs小橋実現!

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 7月31日から3ヵ月以上が経過し、季節もすっかり変わっての久々の更新です。早速ですが、10月5日(火)に新木場1st.RINGで開催される天龍プロジェクト『蛟龍R』で天龍源一郎vs小橋建太のトークバトルが実現、その進行役を務めることになりました。
 天龍と小橋の対談はこれが初。小橋が87年6月20日に全日本プロレスに入団する直前の6月4日に天龍は天龍革命をスタートさせていたために、普通の先輩後輩とはちょっと違った間柄でした。
全日本を離脱した天龍が小橋を殴りに全日本の合宿所に押しかけた事件、その9年後には元一世風靡の武野功雄さんの結婚披露宴で同じテーブルになって、お酒で潰し合ったエピソード、ノアでの対戦、小橋引退試合への天龍の出場…傍から見ていると、実に面白い関係の2人です。
トークバトルは60分1本勝負。60分フルタイムの闘いが提供できるように私も張り切っています。ぜひ、5日は新木場にお越しください。開場は19時、試合開始は19時30分です!

今井良晴さんを偲んで

 まだ私が月刊誌時代のゴングのアルバイトをしていた時代だから、80~83年頃だったと思う。東京・大田区の洗足池区民センターでアマチュア・プロレスJWAが休みの日によく大会を開いていた。リングではなく、マット。ロープはなく、コーナー代わりにバーレーボールの審判用のイスを置いていたような記憶がある。
 JWAのトップ2は、間合いを取った大きなファイトでハーリー・レイス的な雰囲気のあったビッグ赤平、ジュニア・ヘビー級時代の藤波辰巳を彷彿とさせるファイター藤本。ファイター藤本はリングもロープもないから、わざわざ本部席を飛び越してのドラゴン・ロケットを使っていた。ヒールとしてはタイガー・ジェット・シンばりにサーベルを持ったハンニバル清水がいて、よくビッグ赤平を流血に追い込んでいたことを思い出す。彼の入場シーンでは、控室の扉の前になぜか大きな灰皿が置いてあり、扉を明けると同時にその灰皿を蹴飛ばして大きな音を立てることで観客を驚かせていた。そうやって、それぞれが置かれた環境の中で工夫を凝らすアマチュア・プロレスは理屈抜きに楽しかった。専門誌の立場からしたら、当時は否定すべきものだったのだが、選手たちのプロレスを愛する心が観る者に伝わっていたのは否定できないものだった。
 そうした個性的な選手たちの中で、もうひとり印象に残ったのはタイガー今井。タイガー今井は空中殺法が得意なベビーフェースで、ドロップキックはもちろん、今ではプロでもあまり使い手がいないコークスクリュー・シザースがマイティ井上ばりに鮮やかだったことを記憶している。素晴らしいアマチュア・プロレスラーだったと思う。
 タイガー今井は7月29日にお亡くなりになった今井良晴さん。今井さんが全日本女子プロレスのリングアナウンサーになった当初は、まさかタイガー今井だとは思わなかったし、私は女子プロレスの担当記者をやったことはないので、雑談するだけで正式に仕事として関わらせてもらうことはありませんでした。でも、いつ頃だったか「今井さんはタイガー今井だったんですね!」という話になってから、手前勝手かもしれませんが、フレンドリーにさせてもらっていました。全女崩壊後、アットホームな大日本プロレスも今井さんにピッタリな場所だったと思います。
 今はただ、ご冥福をお祈りします。

最強シリーズ第2弾発売!

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 このところ名勝負関係の仕事が多いが、近々で手掛けたのは発売になったばかりの『プロレス最強の名勝負はコレだ!』(定価600円)。
 この本は昨年12月に出版された『プロレス最強は誰だ?』に続く、竹書房のプロレス最強シリーズ第2弾。前回同様に私、元週刊プロレス編集次長で現在はフリーとして幅広く活躍している鈴木健txt.氏、元週刊ファイト副編集長の波々伯部哲也氏、正体不明のフリーライターのミステル・エキスからなるプロレス評議会が厳選された名勝負58試合を6項目からチェックしてベスト25を決めるというもの。
 もちろん58試合については評議会メンバーだけでなく大御所の門馬忠雄氏、元週刊プロレスの市瀬英俊氏らも執筆陣として加わって熱筆を振るっている。果たして名勝負BEST1に輝いたのは!?