『方舟新章』は四天王プロレスからの卒業

 昨日12日の午前11時前、後楽園ホールのチケット売り場を覗くと立見席以外のチケットが売り切れになっていた。昨日はノアの新たな出航を意味する『方舟新章』。前日には日本武道館で小橋健太引退試合があったため、客入りを心配する声もあったが、むしろ相乗効果で超満員。地方から小橋引退を観に来たファンの中には「ついでに翌日のノアも観てから帰ろう」と思った人もいたかもしれないし、以前はノアファンだったが今は観ていなくても小橋の引退試合を観て「久しぶりにノアを観てみよう」という人もいたかもしれない。小橋引退によってノア愛に再び火がついた人もいただろうし、もちろん純粋にノアを応援し続けているファンもいる。どうあれ会場に来てくれた超満員2200人のお客さんを魅了して、今度は知り合いを連れて再び足を運んでくれるようにすることが重要なのだ。
 後楽園ホールは試合前から出来上がっていた。大川リングアナの試合カード発表に合わせて選手がリングインして入場式に。館内は「新しいノアを観よう!」という期待感、盛り上がろうという空気が充満していた。まるで新団体の旗揚げ興行のような高揚感がそこにはあった。
 振り返ればノアは四天王プロレスの延長のような形で生まれた団体である。だから三沢光晴が亡くなり、小橋建太、田上明が第一線から退いてすでに世代交代していたものの、それでもファンはどこかで四天王プロレスの幻影を追っていただろうし、選手たちも四天王プロレスのプレッシャーを感じていたと思う。2010年9月6日の日本武道館での時のGHC王者・杉浦貴の「三沢さんのいない武道館は物足りないですか? 小橋さん、秋山さんが欠場して出場していない武道館は物足りないですか? 僕はそういうものとも闘っています」という観客への問いかけは心の叫びだった。そうやって苦しみながらノアは今日までやってきた。そして小橋引退によって、みんなに踏ん切りがついた。昨日の後楽園では誰もが「あの頃は…」と振り返ることなく未来だけを見ていたのだ。
 昨日のメインのKENTAと杉浦のGHC戦は身も心も削るような激闘だった。四天王プロレスとはまた違った趣の闘いだった。それは彼らのノア新時代への決意の証。亡き三沢さん、引退した小橋から“諦めない心”を受け継ぎつつ、前に向かって、明るい未来に向かって力強く踏み出したノア。2012年5月12日は四天王プロレスからの卒業、旅立ちの日だったように思う。

「『方舟新章』は四天王プロレスからの卒業」への2件のフィードバック

  1. 明日に踏み出す姿。
    プロレスファンは、そんな姿のプロレスラーに自分を重ねて見てるんですよね。
    プロレスラーは常に、前進し、挑戦し続けて欲しい!
    だって、プロレスラーは強い体と勇気を持った超人なんだから!

  2. この大会で田上さんも12月での引退を表明され、いよいよ新時代に突入ですね。先日の小橋さんの引退試合(これ以上ない、素晴らしい内容でした。唯一SUWAさんのことだけが心配です)に駆け付けたファンの中には、それぞれの心の中にある”あのころの全日”に区切りを付けに来た人も少なくなかったと思うんです。そういう人がずっと目を離さずにいられるような、熱い戦いを見せるノアであって欲しい。加えて、新人の育成はしっかりやって欲しいです。全日、ノア、天龍プロジェクト…と”全日本系”の団体はいくつかに分かれていますけど、新人の育成は共同でできないかなと思うんですよ。昔
    馬場さんが言っていたプロレス学校的なものが必要な時期に来てるんじゃないかって。熊野選手は渕さんだけじゃなく、百田さんやターザン後藤さん、カブキさんや小鹿さんにも鍛えてもらって、プロレスを支えるでっかい男になってもらいたいです。

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