OKUMURA!

 先週はルチャ・リブレに触れる機会が多かった。まず、1月16日に新宿FACEで開催された東京愚連隊興行。“世界一性格の悪い神の子二代目”ドス・ミル・トレセ・イホ・デル・ベルウッドが器用に(?)ルチャのムーブをこなし、クルクルッとティヘラも披露。そして最後はラ・ミノティカ(ミスティカのラ・ミスティカと同じ)で勝利したのだから、いいものを見せてもらった。翌17日は後楽園ホールでドラゴンゲートの今年初の東京大会。ドラゲーは選手それぞれがオリジナルなスタイルを確立しているが、根っこはルチャ・リブレ。いつもながら、彼らのコンディションの良さ、身体能力の高さ、観客を引き込むプロレス頭には感心させられる。
 そして昨日は毎年恒例となった新日本&CMLLコラボ興行3連戦2日目の後楽園へ。新日本の選手たちのほとんどはメキシコを経験しているからルチャドールたちも違和感なくファイトできるし、普段とは違う新日本の選手たちのムーブも見られるから新鮮。またルチャドール同士の対決ではデビュー30周年を迎えた小柄なアトランティスが182センチ、95キロの大型のエウフォリアを必殺アトランティーダで見事に担ぎ上げてギブアップさせたシーンには唸らされた。中邑真輔にラ・ソンブラが挑んだメインのIWGPインターコンチネンタル戦もスリリングな好勝負に。桜庭和志の次はソンブラ…中邑はどんなスタイルの相手とでもクオリティの高い試合をする。これから中邑がさらにどう変化・進化していくのか楽しみだ。
 さて、昨日は嬉しい再会があった。CMLLのメンバーとして参加しているOKUMURA…奥村茂雄と久々に話をする機会があったのだ。彼のファイトを初めて見たのは95年の東京プロレスだったと思う。「基礎がしっかりできているインディーの若いコだな」というのが第一印象で、本人と話をしてみたら“イス大王”こと栗栖正伸さんのジムの出身だった。東京プロレスではカブキさんに指導を受けていたと思う。それから開国路線で広く門戸を開放した馬場・全日本にも上がったし、WARにも上がって荒谷信孝(望誉)と組んで“打倒!天龍”を目指したことも会った。00年には分裂騒動後の馬場元子・全日本に入団している。私にとっては何かと縁のある選手だった。
 だが、彼がメキシコを主戦場として年に何回かCMLLの選手として里帰りしても、ほとんど話す機会がなかった。05年1月末に馬場さんの七回忌法要及び七回忌追善興行に参加するために帰国した時以来かもしれない。
 04年3月に全日本を退団した奥村は、同年5月にすべてをリセットして「1年頑張れるなら…」とネコさん(ブラック・キャット)さんのツテでメキシコに渡った。それまでのキャリアからすると奥村はカナダにルートを持つなどのアメリカン・プロレス志向だったはず。それが基本からまったく違う、無縁の世界だったルチャ・リブレに飛び込んで一から取り組んだのだから、その覚悟は相当だったと思う。そしてしっかりとメキシコに根を張り、今も頑張っている姿には頭が下がる思いだ。
「気付いたら8年8ヵ月経ってしまいました。去年は153試合やりました。もう少し頑張っていれば永住権も取れそうです」と奥村。ふと考えたら、奥村がメキシコに旅立った4ヵ月後に私は日本スポーツ出版社を退社したのだった。そうか、私もフリーになって8年4ヵ月になるのだ。自分のことだとそんなに時間を感じないが、奥村と話をしていて年月の重さに気付かされた。このダイアリーも時々チェックしてくれているとのことなので、ここはメッセージをひとつ。君はメキシコで、私は日本で…04年から踏み出したそれぞれの新しい道を今後も頑張っていきましょう。昨日はパワーをくれてありがとう。ムーチャス・グラシアス!

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