DDT、新日本、そしてノアのディファ有明2連戦

 23日=DDT後楽園→ノア・ディファ有明→新日本・後楽園のトリプルヘッダー、24日=ノア・ディファ有明とこの2日間は4大会を取材。DDTには新日本マットで矢野&飯塚のベルト泥棒と抗争を展開した天山広吉&小島聡のテンコジ警察が高木三四郎の要請を受けてモンスター・アーミー退治に出動、テンコジvs火野裕士の絡みが実現した。新日本の今春のストーリーをDDT流にアレンジして年末に導入するあたりは、相変わらず高木社長の頭は冴えている。実はスケジュールが合わなくてDDTの会場に足を運んだのは8・18日本武道館以来だったが、久々に観たEXTREME級王者の石井慧介、高尾蒼馬、ユニオンの妻木洋夫などの若い世代が逞しく感じられ、嬉しい気分にさせてもらった。
 新日本の2012年最後の興行となった後楽園は好試合続出。特に田口隆祐vsオカダ・カズチカ、真壁刀義vs石井智宏、中邑真輔vsKUSHIDAは、それぞれタイプが違う試合だが、どれもメインを張れる濃密な内容だった。今年の新日本の充実ぶりを改めて見せつけてくれた大会だった。
 そしてノアのクリスマス2連戦だ。秋山準、潮﨑豪、金丸義信、鈴木鼓太郎、青木篤志がこの2連戦を最後に退団するということで会場の空気は微妙。去っていく選手にも、ノアにも思い入れがあるファンがほとんどだと思うが、中には離脱組に厳しい言葉を投げかけるファンもいて、いつものクリスマス興行とは明らかに違うのだ。23日大会では杉浦貴vs潮﨑が殺伐とした闘いになってしまい、厭な気持ちになった人もいるだろうが、これがリングの中での2人だけの会話だから仕方ない。両者の心の奥底はわからないが…杉浦にしてみれば、ノアを応援してくれるファンのために「この野郎!」を示さなければならなかったという面もあっただろうし、潮﨑は杉浦のシビアな攻めを逃げることなく真正面から受け止めた。翌日の潮﨑の「自分をぶつけてきてくれたと思うし、それはもう本当に試合をやってくれて感謝してます」は本音だったと思う。
 この初日大会で救われたのは、メインの丸藤正道vs秋山が清々しい試合になったこと。試合後、2人は握手を交わし、丸藤は「勝ち逃げは絶対に許さない。何ヵ月後、何年後になろうとも、お前が試合したくなるリングにして俺は待っている」と誓いとも取れる言葉を投げかけた。この2人を見ていて、私は08年夏のことを思い出した。当時、GHC王者だった秋山は「現在のノアのエースは小橋建太で、未来のエースは丸藤正道」と言っていたのだ。
「三沢さん、小橋さん…そういう人たちを見ていると、丸藤にはそういう資質も資格もあると思いました。僕が“ああ、こいつは!”と最初に思ったのは、ウチの娘が3歳か4歳の時に丸藤にサインを頼んだら、しゃがんで同じ目線でサインをして話をしていた。その時に“こういうのが自然にできる人間って凄いな”って。そして何より、こういう職業だから勝つ奴がいて、負ける奴もいて…丸藤には負けた人間にもちゃんとリスペクトの気持ちがある。敗者の気持ちがわかる人間ですよ。僕の“ああ、こいつは!”って思うのは、大きく言えばその2点ですね。チャンピオンは強ければなれる。でもチャンピオンとエースは意味合いが違いますから」と、当時の秋山は丸藤を高く評価していた。それは今もずっと変わらないと思う。
 昨日のノア2012年最終興行となったクリスマス大会は選手たちが努めて明るく振る舞っていたのが印象的だった。第1試合では秋山が例年通りにMr.クリスマスになって青木と対戦。明るく最後のリングを務めた。第2試合では勝った鼓太郎が平柳玄藩に肩を貸して一緒に花道へ。ここ最近はS・A・TとNO MERCYに分かれていた2人だが、かつては金丸を加えてDISOBEYでジュニアの悪トリオとして好き放題やっていただけに、共に感慨深いものがあっただろう。前日、杉浦にKOされた潮﨑は石森に豪腕ラリアットで勝利して笑顔で緑のマットに別れ。丸藤&杉浦vs齋藤彰俊&金丸は、杉浦と金丸の絡みが心配されたが、彰俊がスギちゃんに扮した“ワイルド彰ちゃん”として登場したことで空気が和み、杉浦もこの日は殺伐ファイトを封印。試合後、丸藤と杉浦はそれぞれ金丸と握手を交わした。
 丸藤は金丸について「しばらく会うことはないかもしれないけど、個人的に越えてない壁だから。俺はシングルで勝ったことはないからね」と、これで終わったわけではないことを示唆。杉浦は「グッバイ。さよなら」としかコメントしなかったが、金丸は一緒にGHCジュニア・タッグを取った先輩。そこに何も感情がないわけがない。
 これまで私は長州らジャパン軍の全日本離脱、天龍の全日本離脱、SWS分裂騒動、ターザン後藤らのFMW離脱、冬木軍のWAR離脱、全日本分裂騒動などを取材してきた。もちろん仕事として真相究明の取材をしてきたわけだが、いつも心の中で思っていたのは…綺麗事だと言われるかもしれないが、最終的にはそれぞれが成功してほしい、みんなが幸せになってほしいということだった。来年1・6後楽園からスタートするノアに頑張ってもらいたいし、新たなスタートを切る秋山ら5選手の前途も明るいものであってほしいと願うばかりである。

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