虎王

 G1決勝から一夜明けた昨日、ノアを取材するためにラゾーナ川崎プラザソルに初めて行った。ここはショッピングモールのラゾーナ川崎プラザの5階にある多目的ホールで、230人で超満員札止めという「どこから観てもリングサイド!」的な会場。小さいハコだが、それだけに臨場感溢れるプロレスが楽しめる。
 メインの秋山準&鈴木鼓太郎vs潮﨑豪&青木篤志のS・A・T同門対決は4選手がスタミナ配分も駆け引きもなく真正面から全力でぶつかり合って、ユニットとしての気概、レベルを見せつけた。またセミの森嶋猛&リッキー・マルビンvsKENTA&マイバッハ谷口では、今シリーズから完全復帰のKENTAがリッキーをgo2sleepでKOしたが、試合後には背後から森嶋を襲ってgo2sleep! 大の字になった森嶋からGHCベルトを強奪して挑戦予告。さらに石森太二&小峠篤司がジュニア・タッグリーグ戦に向かってエリック兄弟相手に試運転…と、それぞれが今後に向かって動いている。
 そんな中での個人的に注目していたのは…G1優勝は逃したものの、9・23神戸でIWGP挑戦が決定した丸藤正道だ。この日の丸藤は第2試合に出場。「俺が勝てば、俺が棚橋に挑戦できるってことだよな? 俺がIWGPを獲ったら、ノアに金の雨が降るぞ!」と豪語していた“レインゲンバー”平柳玄藩を新兵器の虎王(こおう=2段式膝蹴り)で一蹴だ。
「G1で試し斬りさせてもらったから。至近距離からでもカウンターでも、どんなタイミングでも出せる。KENTA、秋山さん、杉浦の膝が効くから、違う形での膝はないかと考えていたんだけど、俺のいろんなコンビネーションの中にあれを入れればヘビー級相手でも行けるよ。IWGPを獲ったら、防衛戦はノアでしかやらないから!」と丸藤。
 振り返ると丸藤は2010年1・4東京ドームでタイガーマスクを撃破してIWGPジュニア王者になり、プリンス・デヴィットに敗れるまで半年間ベルトを保持した。1月=デヴィット、3月=金本、4月=ライガーと、丸藤の防衛戦が行われた後楽園ホール大会は常に超満員で、その頃の丸藤は新日本にとって“レインメーカー”だったと言っても過言ではない。そんな過去を踏まえて、今度はヘビー級のベルトを奪取して、奪回を狙う新日本の選手をことごとくノアに上げて防衛戦を行い、ノアに金の雨を降らそうというのだ。
 あちこちの団体に上がる丸藤の外交策は内部からも批判の声が出たりしたが、それは上がった団体の選手をノア・マットに引っ張り込むためだし、今回のIWGP挑戦決定もひとつの成果。ただし、それらの外交策が実際にノアにプラスをもたらせることができるかは、レスラーとしてリングで結果を出すしかない。虎穴に入らずんば、虎子を得ず…丸藤は虎王という新しい武器を持って虎穴に入るのだ。
 常に矢面に立たされている丸藤はレスラーとしても、ブッカーとしても正念場を迎えている。

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