ドカ盛りの時代

 一昨日は後楽園ホールで大日本プロレス、昨日は新宿FACEでWrestling New Classic(WNC)だったが、どちらも内容テンコ盛りだった。
 まずは大日本。メインはアブドーラ・小林と沼澤邪鬼の蛍光灯444本使用デスマッチ TOKYO DEATH CITYによるデスマッチ・ヘビー級戦。何が“TOKYO DEATH CITY”というと、蛍光灯スカイツリー、東京タワー、雷門、さらにアブ小お手製の蛍光灯・東スポが用意されたのだ。「おちゃらけ」「強さが足りない」「ゆるい」と散々の言われようの小林だが、きっちりとV3。「やっぱり心が折れる瞬間っていうのがあるんですよ。それをうまく乗り越えることができました」の言葉に王者の重みを感じた。そのアブ小は昨日の夕方渡米。現地時間23日にデラウエア州タウンゼンドで開催されるCZW『第11回トーナメント・オブ・デス』に出場、1回戦で“ブルドーザー”マット・トレモントとウルトラヴァイオレント・バッツ・マッチで対戦することが決定している。昨年の大会では竹田誠志が準優勝(優勝はMasada)、アブ小は一昨年の第9回大会ではベスト4に残っているだけに今回は優勝して世界に向かって愛を叫ぶつもりだ。
 このデスマッチの前にはダブル・メインイベントの第1試合として世界ストロングヘビー級王者の佐々木義人が岡林裕二相手に防衛戦。自らの額が割れるヘッドバットの乱打からのラリアットでV2に成功した。これにより7・15札幌テイセンでは関本が義人に挑む。山川竜二の後楽園ラストマッチ(伊東竜二&山川vsシャドウWX&佐々木貴=観客凶器持ち込みタッグデスマッチ)は楽しい雰囲気から一変、シャドウWXがシビアな攻めで山川をKO。7・5新木場でこの2人はデスマッチで戦うが、シャドウWXの山川への想いが伝わってくるような攻めだった。第4試合の関本大介&大谷将司vs石川晋也&忍のストロングBJタッグマッチは、関本が忍を豪快に料理したが、その忍が弾けた。忍は7・15札幌テイセンでストロングヘビー級奪取に失敗した岡林と組んで石川修司&入江茂弘のBJWタッグ王座に挑戦することが決定した。
 その石川と宮本裕向、木高イサミがトリオを結成して竹田&星野勘九郎&稲葉雅人と激突した有刺鉄線ボード・デスマッチは、ユニオンの7・18新木場で宮本が保持するDDTエクストリーム王座に挑戦する石川が宮本に突っ掛けて仲間割れ。第2試合ではMENSテイオーの独特の世界が広がる6人タッグマッチ、オープニングではバラモン兄弟が橋本和樹&塚本拓海相手にストロングスタイルで戦って(もちろん途中まで)いきなり客席を温めてくれた。
 そして昨日のWNC。オープニングはWNCと大日本プロレスの若手による8人タッグの対抗戦。第2試合は高橋星人vsレザー・フェースの宇宙人vs怪物のシングルマッチ。第3試合では木藤拓也&清水基嗣がウルティモ・ドラゴン&リン・バイロンをクズプロに引き込もうとしたが失敗。リンの空中殺法を買うウルティモの提案で7・15後楽園でのウルティモvsリンの一騎打ちが決定した。
 注目のノアとの初接点、大原はじめvsマイバッハ谷口のハードコアマッチはテーブルの上への断崖式チョークスラム→マイバッハボムでマイバッハの勝利。試合後、マイバッハとTAJIRIが接触する場面も生まれた。「面白いことが浮かんだ」と大会終了後にTAJIRIはニヤリ。あのマイバッハをどうTAJIRI的世界に取り込もうというのか興味深い。なお、7・15後楽園ではTAJIRI&丸藤正道のコンビが実現。対戦相手がFCFのスターバック&大原はじめだから、これも注目カードだ。
 華名&朱里vs真琴&紫雷美央の女子タッグマッチでは真琴が華名から初フォールを奪ったが、とにかくギクシャク。特に朱里の弾け方次第では急展開を迎えそうだ。朱里は7・15後楽園で浜田文子との対戦が決定した。
 セミでは「今のWNCは甘い!」とするAKIRAが児玉ユースケを血祭りに。メインではTAJIRIと山川が15年ぶりにタッグを結成した。
 WNCもそれぞれのカードに意味があり、そして次に向かっての展開が生まれるから常にテンコ盛りなのだ。
 振り返ると…昔のプロレス興行の売りはメインイベントの1本だけだった。極端に言えば、他の試合はすべてメインの引き立て役で、メインさえしっかりしていればよかった。休憩前のカードは“ションベンタイム用の試合”などと言われていた。だが、ファンの価値観、楽しみ方が多様化した今は、それでは通用しない。ファンがどれを「面白い!」とチョイスするかは自由だが、オープニングからメインまですべての試合に意味合いを持たせた「これでもか!」のドカ盛りの時代と言っていいかもしれない。

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