田口隆祐が見せたもの

 毎年のことだが、昨日のスーパージュニア最終戦の後楽園ホールは超満員札止めで熱気ムンムンだった。バルコニーの立見のお客さんの数も半端ではなく、私がファンだった頃の70年代後半を思い出した。当時、高校生だった私は新日本プロレスのファンクラブを主宰していて観戦数も多かったから、もっぱら買うチケットは立見。バルコニーに陣取って、会報用の写真を望遠レンズで撮っていたものだ。バルコニーは立見の特等席で、人が二重三重になってしまうので、早めに行かないと前のポジションが取れなかった。そんな時代を思い出した。
 今回のジュニア戦争を勝ち抜いたのはAブロック=ロウ・キー、プリンス・デヴィット、Bブロック=PAC、田口隆祐。今年のMVPはドラゴンゲートから参戦したPACだろう。彼の難易度が高くも正確な空中殺法は本当に素晴らしかった。華やかだが、重厚さ、パワーが感じられ、決して軽業師ではないのだ。ここが重要なポイントである。
 スーパージュニアというと、どうしても怪我が心配だが、昨日の決勝トーナメントでアクシデントが発生してしまった。ロウ・キーvsデヴィットで、デヴィットが左膝を故障…試合をストップしたタイガー服部レフェリーは「膝が抜けたみたいだ」と言っていた。この状況での負傷リタイアは不運というしかない。
 ロウ・キーvs田口の優勝戦では、ロウ・キーのローリング・チョップが田口の顔面に入り、左目が大きく腫れ上がるアクシデント。あわやKO負けという状況で、本人も試合後に「戦意喪失しかけた」と言っていたが、こうしたアクシデントが起こった時にどう対処して戦うかがプロレスラーとしての真の力の見せどころであり、魂の見せどころだ。田口はこの局面で田口隆祐というプロレスラーをきっちりと見せつけてくれた。己に勝ち、試合に勝ち、タグダンスも披露した。どんな状況でもファンキーウェポンで在り続けたのだ。最終的に感動を呼び起こしたのは難しい空中技でも、派手な大技でもなく、田口の心だった。

「田口隆祐が見せたもの」への1件のフィードバック

  1. 名古屋で観戦しました…
    田口選手、優勝おめでとうございます…
    目の方は大丈夫なのでしょうか?

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