プロレスという大河ドラマ

 昨日は今年初めてのサムライTV『速報!バトル☆メン』出演。話題は前日8日のレジェンド・ザ・プロレス後楽園、ブル中野引退興行が中心だった。当然、両大会とも現場で取材している。レジェンドの方は山口雅史氏とサムライTV中継の実況解説を務めた。放送は1月31日の23時からなので、ご覧いただきたい。
 さて、レジェンドの目玉は長州力vs橋本大地。昨年12月に還暦を迎えた長州が、あの橋本真也の忘れ形見と対戦したのである。長州と橋本の関係は一言では語れない。ふたりの物語のスタートは87年6月3日の西日本総合展示場だ。当時、長州はジャパン・プロレスから新日本にUターンしたばかり。この日、若手だった橋本は、長州と新日本にUターンしてきたヒロ斉藤と対戦して骨折させてしまったのだ。試合を観ていた馳によると「技術的に未熟だったというだけのことですよ」となるが、一部では「裏切って一度出て行った悪い奴らを懲らしめろ」と焚きつけられた橋本がソノ気になってやってしまったという説もある。真偽はともかく、この事故に激怒したのが長州。橋本を控室に呼びつけて鉄拳制裁を加えた。ここから橋本は長州を憎み、いつかリングでボコボコにすることを目標にした。そして89年4月24日の東京ドームに凱旋した橋本は長州に初勝利している。
 そんなギラギラした橋本を買ったのは長州だった。長州は現場監督時代、この橋本をエースにした。新日本の切り札にしたと言ってもいい。だが、方針や生活態度、言動などで長州と橋本はことごとくぶつかった。まさに愛憎入り混じった関係だ。今でも長州は橋本の話になると「チンタ、あのバカは…」と苦笑しながら話す。頭にも来ただろうが、一番愛した後輩・部下だったかもしれない。
 大地戦が決まった時に「俺は誰が相手だろうが、リングに上がる限りは姿勢は変わらないですよ」と長州は言った。でも、実際の試合ではやはり他の選手と対峙するのとは明らかに違った。ヘンにプレッシャーをかけることなく、いきなり一直線に歩を進めてロックアップ。そしてグラウンドに持ち込んでレスリング、サブミッション。まるで道場のスパーリングのような場面が生まれたのだ。通常、長州はこういうファイトはしないが、きっと大地がどれだけのレベルにいるのか確かめたかったのだろう。さらに驚いたのはバックドロップを出したこと。アキレス腱に不安がある長州がバックドロップを炸裂させたのは、05年夏にBMLのリングにおけるvs柴田勝頼以来だと思う。
「真也は真也、大地は大地。笑われないようにやっていけばプロレスラーになれますよ」と微笑を浮かべた長州。タッグ結成を匂わす言葉も出た。普通のスポーツだったら選手寿命からして親子2代と関わることはまずないだろう。そう考えるとプロレスはまさに大河ドラマだ。
 このレジェンド興行の後は隣の東京ドームシティホールでブル中野引退試合。これはブルの名前の下での事実上の女子オールスター戦だった。今は女子プロを観ていなくても、ブルたちの世代のファンも詰めかけただろうし、そういう人たちが今の女子プロに改めて興味を持ってくれたら幸いだ。ブルについては15日更新の週プロモバイル『サンデー・小佐ポン』で改めて書くので、そちらをご覧ください。

「プロレスという大河ドラマ」への1件のフィードバック

  1. 本当にプロレスは大河ドラマですね。それも最終回の無い大河ドラマ。でもそれはプロレスファンとしてプロレスを見続けているから実感できる事。今年のプロレス大河はどんな展開になるのか楽しみです。

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