昨日のノアには“あの時”と同じ熱が!

 昨日のノア後楽園には“これから!”を感じさせる熱があった。「あれだけ体を張っているチャンピオンが、自ら挑戦者を探している状況はヤバイ。もう、俺が獲りにいくしかない。傍観者でいたくない。今の俺の原動力は現状打破と怒り。今の会社の状況だってヤバイと思うし、現状に満足している奴ら、ナメんじゃねぇ!」と危機感いっぱいにGHC王者・杉浦への挑戦を表明した森嶋は第3試合の6人タッグで健介とド迫力の真っ向勝負をやってのけたし、続く休憩前の第4試合では秋山がジュニアの石森を『チャンピオン・カーニバル』でも出さなかった“奥の手”スターネスダストαを決めて勝利。
「休憩前のメインエベントだったし、いい流れができていたんで、その流れを壊さないように。俺もなかなか元気かな」と秋山は笑み。スターネスダストαを出したことについては「体格差に関係なく石森選手が惜しげもなく技を出してきたんで、それに応えようと」と言っていたが、そこには今後への決意表明があったのは明白だ。“その時”にいつでも出撃できるように準備を整えている前向きな秋山がそこにいた。
 休憩後は杉浦vs雅央、高山vs谷口、潮﨑vs彰俊のシングル3試合が続いた。興行的に考えるとシングルが続くのはリスクを伴うが、それを敢えてやるところにノアの試みを感じる。そして選手たちはそれに応えた。杉浦vs雅央は、雅央ののらりくらりのマサオ・ワールドを杉浦が硬派ファイトで突破するという味のある試合だったし、高山vs谷口は、谷口が必死のアタック。身体能力的には若い谷口が圧倒的に上だけに、高山は勝ったものの青息吐息という感じだった。ただ、谷口がトップに行くにはまだまだの印象。ファイトに気迫出るようになったが、あまりにも攻撃のバリエーションが少ない。いろいろなモノを持っているはずなのに単調なのだ。これを突破するにはプロレス頭を養うしかないだろう。
 潮﨑vs彰俊は、森嶋と同様にGHC挑戦をぶち上げた者同士の対決。彰俊が潮﨑の心を折るような攻めを見せた。考えてみれば、彰俊はいつも潮﨑に成長を促す立場にいる。記憶にあるのは07年6月8日の横浜文化体育館での一騎打ち。この時、彰俊は左腕を骨折していたが、欠場することなく潮﨑の前に立った。そして真正面からのファイトで勝利した。試合後、彰俊に話を聞きに行くと「休むことも考えましたけど、潮﨑は間違いなくこれからのノアを背負っていく選手。だからレスラーの魂を、身をもって伝えたかったんです」と言っていた。また、潮﨑が初めてGHC王者になった時の初防衛戦の相手も彰俊だった。昨日の彰俊は…もちろん、自らGHC王座を狙う者としてのファイトだったが、それでもその中には「これで心が折れたらダメだろう?」という潮﨑への問いかけがあったように感じられた。
 試合は潮﨑が勝利し、その直後に杉浦への挑戦を表明。そこに森嶋が割って入り、6・11ディファ有明での挑戦者決定戦が決まった。“鉄は熱いうちに打て!”だ。
 そしてメインはKENTA&金丸vs鼓太郎&青木のGHCジュニア・タッグ王座決定戦。この4人が揃ったら見応えのある試合になって当然。28分13秒の戦いは観客をまったく飽きさせなかったと思う。
「俺はヒールになりたいわけでもないし、ヒーローになりたいわけでもない。俺は少しでも多くの人にノアを観てもらいたい。それだけだよ!」のKENTAのマイクに後楽園は大歓声に包まれた。観客の声援がKENTA一辺倒ではないところがミソで、それについては「お客同士も闘えばいい」とKENTA。ある意味、会場の雰囲気はKENTAの目論み通りになっていると言える。
 今のレスラーはマスコミに対して何でも説明して答えてしまうが、KENTAのプロレス頭の優れたところは、先々について聞かれて「ちゃんと考えている。想像して、今は楽しんでほしい。(自分で)考えてほしい」と投げかけること。そういえば昔、鈴木みのるが若い記者に「何でもかんでも俺に答えを求めるな。てめぇで考えろ!」と言っていたことがあるが、それと通じる。あんまり「昔は…」とは言いたくないが、昔のレスラーとマスコミの攻防には“敢えて言わない”“敢えて聞かない”ことがあって、そこは各記者が独自に頭脳を使って記事に膨らまし、それがレスラーの感性と合っているのかどうか勝負する面があった。KENTAは今、ノアの体制、ノアの選手、ファン、そしてマスコミにまでも勝負を仕掛けているのだ。
「昔は…」のついでに書かせてもらうと、昨日の後楽園は何だか懐かしい感覚に襲われた。それは何かと考えてみたら…90年6月30日の全日本プロレスの『ワンナイト・スペシャルin後楽園』。日本人だけのわずか5試合の興行だったが、鶴田軍vs三沢軍(まだ超世代軍という名前はなかった)、川田vs小橋の一騎打ちに観客が熱狂、天龍離脱で低迷していた全日本はそこから本格的に盛り返したのだ。昨日のノア後楽園は、あの時と同じような熱があったと思う。

「昨日のノアには“あの時”と同じ熱が!」への2件のフィードバック

  1. 当時と同じように、NOAHもここから盛り返してくれる事を切に願います。
    谷口は…。
    昨日はエルボーばかりで、なおさら技が少なく映りましたね(苦笑)

  2. 次回の名古屋は仕事で行けませんが…
    前回、観たんですが、面白かったですよ!!
    ノアには期待してます…

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