超満員の新日本に感じたこと

 一昨日の新日本プロレス後楽園ホール大会はよくお客さんが入った。当日の立ち見券を増やした上での完売だ。地震が起きたら、停電になったら、電車が動かなくなったら…等々、先が見えないために前売りチケットが売れず、当日券頼りというのが現状で、どの団体も苦戦している中、超満員になったのだから、プロレスに関わっている人間としては嬉しい限り。「NJC後の後楽園は面白い」というのが定着した証拠だろう。そういうファンの信頼の積み重ねが本当に大事なのだ。
 実際、お客さんのノリもよかった。坂口(征二)さんは「お客さんの気質が変わったよなあ」と言っていたが、確かに手に汗握って観戦するというよりも、楽しんでいる感じ。今の新日本はメジャー、インディーの区別も、スタイルの違いも関係なく様々なプロレスのエッセンスを取り込んでひとつのショーを提供するプロレスの総合デパートと言っていい。それが支持されているのだから、これも時代の流れなのだ。しかし、メインでは永田裕志が伝統のストロング・スタイルをアピールする。そのバランスがいいのだろう。
 様々なプロレスを堪能した後のメインの棚橋弘至vs永田のIWGP戦がキッチリと締めた。テーマは王者・棚橋の“俺のスタイル”と永田の“ストロング・スタイル”の激突。スタートは前に出る永田に対して、チャラくいなすような棚橋。これによって試合のテーマがさらに明確になった。打撃、サブミッションを軸にあくまでもシビアに攻める永田と、試合が転がり始めればそれを真っ向から受け止める棚橋。35分の長丁場の試合になったが、両者ともにコンディションがよく、ダレることのない緊張感あるいい試合だった。
 今年の目標を「アンチエイジング!」とする42歳の永田のコンディションのよさは特筆もの。敗れはしたが「時代が変わりつつある新日本の中で存在感を示した」と胸を張った。今の新日本ではベテラン選手の居場所が狭くなりつつあるが、新日本が様変わりしたからこそ、昔の匂いを持つ永田や中西の存在感は逆に重要だ。これからも若い力に抗って存在感を示してほしいし、今のコンディションならば全日本の『チャンピオン・カーニバル』での活躍も楽しみになってきた。
 一方の棚橋は、今や信頼を置ける新日本のエースになった。永田を受け止めたレスラーとしての器もそうだし、何より自覚である。試合後、キャラに似合わずに涙していたが、今の状況でのタイトルマッチにはプレッシャーもあっただろうし、いろいろな想いがあっただろう。特に2月20日に小島聡相手に初防衛戦をやった仙台の話になった時には感極まっていた。あの大会は久々の地方都市でのIWGP戦。新日本にとっては新たなマーケット開拓という意味で重要な大会だった。それが超満員になり、観客の熱狂度も凄かった。棚橋にとって思い入れが深くて当然。この永田戦は「応援してくれた仙台のファンに元気を届けたい!」という気持ちも強かったはずだ。
「ストロング・スタイルは、もう誰かがあるいてきた道だから、俺は自分の道を歩きます」と語った棚橋は、理想のチャンピオン像を「みんなが楽しんで、明るくなれば」と言った。かつてのキャッチフレーズの“太陽の天才児”が今の棚橋にピッタリくるような気がする。プロレス界を明るく照らしていってほしい。

「超満員の新日本に感じたこと」への1件のフィードバック

  1. 地元なんで防衛は嬉しいです…
    それより、1日も早く宮城など東北で試合が出来る日が来る事を祈っております…

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