リングへの願い

 昨日は新宿FACEで天龍プロジェクトの年内最終興行。そこには様々なレスラーの“リングへの願い”が見て取れた。
 まずは、本来ならメインで天龍と組んで初代タイガーマスク&タイガー・シャークと戦うはずだった折原昌夫だ。折原はリアルジャパン11・7相模原大会で首を負傷、11・28DDT後楽園大会終了後に下半身が麻痺して緊急入院。昨日の大会を欠場することになったが、首の負傷は積年のダメージがここにきて爆発したもの。今の折原にとっては日々、生きていることが喜びだという。来年3月に予定されている手術はかなり難しいものだと聞く。それでも折原は手術を成功させて、再びリングでファイトする日を夢見て、強い気持ちを持っている。
 リングで涙したのはHIROKIからIJ王座を奪取した土方隆司。今年8月に全日本プロレスを退団し、現在は学習支援センターで障害のある子供たちの指導をしているが、引退したわけではなく天龍プロジェクトの9・29新宿FACEに上がったし、ノアの11・19所沢大会にも上がっている。しかし、本人の中には“引退”の2文字が常にあったようで、昨日のタイトルマッチに引退を懸けていたようだ。ベルトを取ったことにより「もうしばらくプロレスを続けさせてもらっていいですか?」と観客に訴えた土方。まだまだプロレスラーとして燃え尽きていないのだ。
 そして天龍源一郎である。左膝の状態はよくない。昨日の試合ではタイガー・シャークにもサンドバッグにされてしまった。左膝は4月19日の旗揚げ戦で痛め、ジムでの練習中にも痛め、新日本の8・15両国で悪化させてしまった。結局、体調が戻らないままの1年だった。だが、天龍はあくまでも前向きだ。
「調子がいい時は馬事公苑をジョギングしようと思うんだけど、朝起きたら“無理だな”って(苦笑)。元気な自分を知っているから、半端な自分に腹が立つ。“こんなはずじゃない!”ってシャクにさわって腹が立った寅年だった。こんなに具合悪くて動けないのを見せるのも…こんな俺を観て“頑張ってみよう”と思ってくれればね。体調が万全に戻ったら身も心もボロボロになるくらいの試合を提供したいね。馬場さんの年齢を越える? 1つくらい越えたいね。金も地位もないから、それくらいはいいでしょ(苦笑)。来年の予定? 誕生日(2月2日)くらいにやろうかと。バースデー・プロレスでもやりますか!」
 きっと天龍は「あと1回だけでいいから万全の体で試合をしたい!」と思っているのだと思う。そのために心を前向きに持ち、出来る練習をし、今は万全でなくてもリングに上がって試合勘だけは鈍らさないようにしているのだろう。
 折原、土方、そして天龍…それぞれ状況は違うが、彼らにはリングへの願いと、プロレスへの愛着がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です