今年もありがとうございました!

 気がつけば、あっという間に大晦日。2010年は公私共に本当に多忙な1年だった。結果、ダイアリーの更新が例年より少なくなってしまったことをお詫びします。
 私の部分は置いといて…公では全日本プロレス、リアルジャパン・プロレスに加えてSMASH、天龍プロジェクトのTV解説もやらせてもらい、紙媒体&モバイル系では『Gスピリッツ』、ニッカンバトルの『見どころcheck!』、東京スポーツの『プロレス・スーパースター実伝』、週刊プロレス・モバイルの『サンデー・小佐ポン』、Office Maikaiとしてのプロレスリング・ノアのパンフレット編集にプラスして週刊プロレスの天龍源一郎ミニアルバム、2代目タイガーマスクのミニアルバム、来年も続く『日本プロレス60年史』に携わり、一般雑誌ではBUBUKAで記事を書くなど仕事が広がって充実した1年でした。サムライTV『Sアリーナ』では普段は喋る機会が少ない選手と接点が持てるのは大きな財産だし、『Gスピリッツ』では取材を通して、改めてプロレスの奥の深さを知ることができました。来年4月でプロレス業界31年目に突入しますが、何年経っても勉強させられることや新たな発見があります。つくづくプロレスは本当に面白いものだと思います。
 2011年もプロレスの面白さ、深さ、よりプロレスを楽しめる材料を様々な媒体で伝えられるように活動していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 では、よいお年を!

2010年のクリスマス

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 ダイアリーを少し休んでしまったが、皆さんはクリスマスをどう過ごしたでしょうか? 1日たりとも休まないプロレス界にあって、私は21日~25日の4日間、強引にクリスマス休暇を取り、グアムに行ってきた。
 今年は公私共に何かと忙しくて1度もハワイに行けなかったし、これまで夫婦でクリスマスに外出したことはなかったから、思い切っての休暇。24日には結婚5周年の時に行ったレストランで食事をし、25日はホテルのクリスマス・シャンパン・ブランチを楽しんでから飛行機に乗り、帰国後は普段から親切にしていただいているお店で夕食。仕事と時間に追いまくられている日常をちょっと離れての幸せな時間を過ごすことができた。
 ということで今日は朝から仕事再開! 休んでいる間の原稿の締め切りがあってDDT後楽園には行けなかったが、とりあえず年末まで突っ走らなきゃ。

今日23時から

 今日、23時からサムライTVで『追悼特番2010~プロレスへの遺言』が放送される。今年、プロレス界では多くの方が亡くなった。そうした方たちがプロレスにどんな思い、願いを持っていたのか? 生前の映像や親しかった関係者の話を交えつつ、故人を偲ぶ番組である。
 柴田勝久さん、ミスター・ヒトさん、ラッシャー木村さん、山本小鉄さん、愚乱・浪花さん、ジョー樋口さん、星野勘太郎さん、そして外国人選手にもスポットを当てている。
 MCを三田佐代子さん、解説を私が務めたが、改めて亡くなった方たちのプロレスへの思い、功績を痛感させられた。そして、生かされている者は日々を大切に過ごさなければいけないというメッセージを頂いたような気がした。
 ご覧ください。

アントニオ猪木の存在感!

 昨日は『2010年度プロレス大賞』授賞式。各賞に輝いた選手たちの嬉しそうな顔を見ると選考委員のひとりとして報われた気持ちになる。女子プロレス大賞の高橋奈苗の着物姿もなかなか可愛かった。
 さて、壇上で一際存在感を見せていたのが東京スポーツ50周年記念特別功労賞のアントニオ猪木。大晦日の『Dynamite!!』のエグゼクティブ・プロデューサーに就任するなど、プロレスの枠を越え、未だに日本格闘技界の象徴なのだ。
「プロレスとは何であるか? 筋の通ったところがなければね。プロレスは何でもありなんだけど、強さは当然、そこにプラスしてプロとしてのキャラクターを持った人間が出てくればファンは支持してくれる」「プロのパフォーマンスはバカになって自分自身をさらけ出さないと…」「後楽園ホール・クラスならマニアックでもいいけど、東京ドーム・クラスとなれば世間一般にアピールするものを打ち出さないと。『Dynamite!!』にしても年末最後のお祭りだよ。そこのところをわからなきゃいけない」
 つくづくアントニオ猪木というのは“強さ”と“パフォーマー的感覚”というプロレスに必要な要素をバランスよく兼ね備えた最高のレスラーだったのだなと思う。今の時代のレスラーたちよ、この猪木といろいろな意味で勝負してくれ!

リングへの願い

 昨日は新宿FACEで天龍プロジェクトの年内最終興行。そこには様々なレスラーの“リングへの願い”が見て取れた。
 まずは、本来ならメインで天龍と組んで初代タイガーマスク&タイガー・シャークと戦うはずだった折原昌夫だ。折原はリアルジャパン11・7相模原大会で首を負傷、11・28DDT後楽園大会終了後に下半身が麻痺して緊急入院。昨日の大会を欠場することになったが、首の負傷は積年のダメージがここにきて爆発したもの。今の折原にとっては日々、生きていることが喜びだという。来年3月に予定されている手術はかなり難しいものだと聞く。それでも折原は手術を成功させて、再びリングでファイトする日を夢見て、強い気持ちを持っている。
 リングで涙したのはHIROKIからIJ王座を奪取した土方隆司。今年8月に全日本プロレスを退団し、現在は学習支援センターで障害のある子供たちの指導をしているが、引退したわけではなく天龍プロジェクトの9・29新宿FACEに上がったし、ノアの11・19所沢大会にも上がっている。しかし、本人の中には“引退”の2文字が常にあったようで、昨日のタイトルマッチに引退を懸けていたようだ。ベルトを取ったことにより「もうしばらくプロレスを続けさせてもらっていいですか?」と観客に訴えた土方。まだまだプロレスラーとして燃え尽きていないのだ。
 そして天龍源一郎である。左膝の状態はよくない。昨日の試合ではタイガー・シャークにもサンドバッグにされてしまった。左膝は4月19日の旗揚げ戦で痛め、ジムでの練習中にも痛め、新日本の8・15両国で悪化させてしまった。結局、体調が戻らないままの1年だった。だが、天龍はあくまでも前向きだ。
「調子がいい時は馬事公苑をジョギングしようと思うんだけど、朝起きたら“無理だな”って(苦笑)。元気な自分を知っているから、半端な自分に腹が立つ。“こんなはずじゃない!”ってシャクにさわって腹が立った寅年だった。こんなに具合悪くて動けないのを見せるのも…こんな俺を観て“頑張ってみよう”と思ってくれればね。体調が万全に戻ったら身も心もボロボロになるくらいの試合を提供したいね。馬場さんの年齢を越える? 1つくらい越えたいね。金も地位もないから、それくらいはいいでしょ(苦笑)。来年の予定? 誕生日(2月2日)くらいにやろうかと。バースデー・プロレスでもやりますか!」
 きっと天龍は「あと1回だけでいいから万全の体で試合をしたい!」と思っているのだと思う。そのために心を前向きに持ち、出来る練習をし、今は万全でなくてもリングに上がって試合勘だけは鈍らさないようにしているのだろう。
 折原、土方、そして天龍…それぞれ状況は違うが、彼らにはリングへの願いと、プロレスへの愛着がある。

GスピリッツVol.18情報③

 1976年12月12日、パキスタンでアントニオ猪木がアクラム・ペールワンの左腕を折った(正確には脱臼)事件は有名だが、それから2年半後の79年6月16日、アクラムの甥ジュベール・ペールワンが猪木に挑んだ。この一戦にはテレビ朝日は同行しなかったため、今まで日本では映像がなく“幻の一戦”になっていたが、10月下旬にYouTubeにアップされた。
 この映像をもとに、猪木vsジュベールを徹底分析。髙阪剛に技術分析してもらうと同時に、現地に同行した当時の新日本プロレス営業本部長・新間寿氏に猪木とパキスタン・マット界の関係、舞台裏での闘い、そしてナマで観た猪木vsジュベールを語ってもらった。
 そう、Gスピリッツ18号の特集はブルーザー・ブロディとアントニオ猪木の2本立て! いよいよ、明日発売です。

サンキュー、ジョー!

 感動だよ、人生は! 昨日のSMASH新宿FACE大会はまさしく感動に包まれた。あのジプシー・ジョーが丸8年ぶりに日本で試合をしたのだ。12月2日に77歳の誕生日を迎えての来日だった。
 かつてのライバル、ラッシャー木村さんのテーマ曲で登場したジョーの手には代名詞のイスが。実は大会前日、私はジョーに会っている。2年前に左足の小指を切断していて歩くのも辛そうで「24時間痛い。特に寒い時はキツイんだ。でも試合になると不思議と痛みが消えるから大丈夫」と言っていたが、その言葉通りに悠然とリングを1周した。リングに上がるのにも階段を使わず、自ら持ってきたイスをセットしてリングイン。こういうちょっとした仕草がカッコイイ。
 いよいよ試合開始のゴング。ロックアップから腕の取り合い、そしてTAJIRIの動きに合わせてサイドステップを踏むジョー。私生活ではキツイ動きも自然に出来る。体にプロレスが刷り込まれているのである。
 TAJIRIのチョップに微動だにせず、急所キック、全盛期を思わすような会場全体を使っての場外戦も繰り広げた。
 そしてクライマックスはイスで殴られるシーン。考えてみれば、相手にやられる場面が売り物というレスラーはジョーぐらいだろう。この日のレフェリーは国際プロレス時代にジョーの試合を何度も裁いた遠藤光男氏。遠藤氏はジョーが持ち出したイスを取り上げると…何とTAJIRIに渡した。少し躊躇しながらも思い切りイスをジョーの脳天に振り降ろすTAJIRI。そう、ここで手心を加えたらジョーに失礼になるのだ。
 何度も殴打すると、イスの底の部分が抜ける。すると遠藤氏は新しいイスをTAJIRIに手渡した。再び殴打するTAJIRI。またまた抜けるイスの底。見るとジョーの脳天が切れている。それでもジョーは微動だにせずタフネスぶりをアピール。
 最後はTAJIRIがグリーンミストからのスクールボーイで勝利したが、完全にジプシー・ジョーの世界だった。「ジプシー・ジョー! ジプシー・ジョー!」のコールはいつしか「サンキュー・ジョー! サンキュー・ジョー!」に変わっていた。
 もう筋肉はないからイス攻撃も背中ではなく頭で受け止めるしかなかったし、膝が悪くてフライング・ニードロップは出来ない。それでも“放浪の殺し屋”ジプシー・ジョーであり続けようとする77歳のヒルベルト・メレンデスの強烈な生きざまに誰もが心を揺さぶられ、称賛せずにはいられなかったのだと思う。試合後、インタビュー・スペースではジョーに対してマスコミの間から拍手が起こった。マスコミもまた感動し、彼に敬意を表したのだ。
 本当にサンキュー、ジプシー・ジョー! そしてジョーさんを呼んでくれたTAJIRIにもサンキュー!

GスピリッツVol.18情報②

 Gスピリッツ第18号のブルーザー・ブロディ特集ではアメリカ本土での取材も行った。担当してくれたのはチャーリー赤木氏。赤木氏はテキサス州サンアントニオ在住で、かつてはWCWの日本国内向けの映像プロデューサー兼エージェント、アメリカのスポーツ・エージェントの日本向け窓口業を担い、様々なスポーツ・イベント企画、プロレスのインディー団体やクラシック番組の映像プロデュースを手掛けた人物。2000年以降は当時の馬場元子社長の下で全日本プロレス映像制作責任者として衛星放送を開始し、オフィシャルビデオ、テレビ制作を行っていた。現在はサンアントニオでフィットネス・ビジネスのマーケティングの仕事をしている。私をGAORA全日本プロレス中継の解説者に起用してくれた恩人でもある。
 赤木氏が現地で取材してくれたのは77年~78年あたりにサンアントニオで何度となくブロディと戦っていたメキシカン・レスラーの大御所ホセ・ロザリオ、若手時代にブロディと戦ったり、アドバイスを受け、今もなおサンアントニオのインディー団体でブロディ・スタイルでファイトしている“マッドドッグ”ケン・ジョンソン、さらにはプロモーターら背広組を嫌悪していたブロディが唯一信頼したラリー・マティシックの3人。
マティシックは長くNWA会長を務めたサム・マソニックが主宰する『セントルイス・レスリング・クラブ』のGMだった人物で、私も81年8月にセントルイスのパークチェイス・ホテル内にあったNWA本部で会ったことがあるが、頭脳明晰、とても親切で明るい人だった。83年2月に『セントルイス・レスリング・クラブ』を退社後、同年6月に『ザ・グレーター・セントルイス・レスリング・エンタープライズ』を旗揚げしたが、ここにブロディがエースとして参加したのだから、いかに親密だったかがわかる。
 ロザリオ、ジョンソン、マティシックというマニアックな人選は赤木氏ならでは。ぜひ、注目していただきたい。

GスピリッツVol.18情報①

 12月15日(水)発売のGスピリッツ第18号の総力特集は初めて外国人レスラーを扱う。それは22年前、プエルトリコで非業の死を遂げたブルーザー・ブロディだ。知性と狂気を併せ持つブロディは、Gスピ的に魅力的なプロレスラーであり、素顔のフランク・グーディッシュという人物もまた非常に興味がそそられるもの。彼のプロレス観、人生観、プロレスラーとしてどこが優れていたのか等々、あらゆる角度から迫ってみた。
 証言者として私が取材したのはザ・グレート・カブキ、ミスター・ポーゴ、藤波辰爾、渕正信の4人。カブキは1980年代初頭にテキサス州ダラスでブロディと抗争を繰り広げているし、ポーゴはアマリロ、カンサス、プエルトリコでブロディと一緒に過ごした。共に人間グーディッシュ、日本以外でのブロディがどんなレスラーだったかを知っている。
 藤波には新日本時代のブロディについて語ってもらったが、同時に藤波自身のプロレス論を聞くことができ、今までの藤波インタビューとは一味違うものになったと自負している。そして渕には全日本時代のブロディについて語ってもらったが、ここではウェスト・テキサス大学の先輩ファンクスとのリアルな確執なども浮き彫りになった。
 難解なプロレスラー&人物だったブロディの実像に迫った特集に乞う、ご期待!

2010年度プロレス大賞選考会

 昨日8日の午前11時30分から行われた『2010年度プロレス大賞』選考会の経緯及び各賞受賞者を発表させていただきます。東京スポーツ運動部専門委員の柴田惣一氏を選考委員長、脚本家の内館牧子さんを特別選考委員(所用のため選考会は欠席。事前の各賞ノミネートのみ)として、東京スポーツの原口典彰運動部部長、平塚雅人運動部次長、細島啓輔運動部次長、楠崎弘樹運動部主任、柏原和幸運動部主任、水沼一夫、小阪健一郎、大島啓、岡本佑介の各記者、秋山直毅写真部主任、写真部の長島昌徳、内田忠宏の各氏、サンケイスポーツの江坂勇始記者、スポーツニッポンの仁木弘一記者、デイリースポーツの藤澤浩之記者、東京中日スポーツの大西洋和記者、日刊スポーツの森本隆記者、報知新聞の秋元正己記者、週刊プロレスの佐藤正行編集長、プロレス評論家の菊池孝氏、門馬忠雄氏、サムライTVキャスターの三田佐代子さん、そして私の25名によって選考会が行われた。
【最優秀選手賞=MVP】杉浦貴
 例年通りにMVPから選考会がスタート。トップ切って杉浦の名前を挙げさせてもらった。04年の小橋、07年の三沢と並ぶGHCヘビー級王座年間7度防衛の記録を作ったというのもあるが、何よりも彼の団体のトップとしてのモチベーションが高く、常に危機感を募らせて、これまでの四天王プロレスとはカラーが違う“命懸けのプロレス”を打ち出し、ノアを牽引したことだ。その戦う姿勢はノア・ファンだけでなく、プロレスファン全体に届いたはず。タイトルマッチのみならず、普段の試合内容もよく、緊張感溢れるもので、強いチャンピオン像を確立したと思うのだ。
 その他、2010年を三冠ヘビー級王者として迎え、その後にフリーになって新日本のG1制覇&IWGP奪取をやってのけた小島聡、今年初めてIWGP王座を奪取して新日本で新たなキャラクターを確立した真壁刀義、新日本でジュニア三冠を達成し、G1ではヘビー級相手に好試合をやったプリンス・デヴィット、上半期にIWGP王者として、今年のIWGP戦の中でも常にレベルの高い防衛戦をやり、G1公式戦でも常に好試合をしていた中邑真輔の名前がエントリーされた。
 投票の結果、杉浦が17票で過半数の支持を得て、1発でMVPに決定。
【年間最高試合賞=ベストバウト】プリンス・デヴィット&田口隆祐vs飯伏幸太&ケニー・オメガ(IWGPジュニア・タッグ選手権=10月11日、東京・両国国技館)
 MVPは1回目の投票で決まったが、ベストバウトは様々な意見が出た。受賞した試合の他にノミネートされたのは鈴木みのるvs諏訪魔(三冠ヘビー級選手権=8月29日、東京・両国国技館)、鈴木みのるvs船木誠勝(金網マッチ=3月21日、東京・両国国技館)、杉浦貴vs高山善廣(GHCヘビー級選手権=7月10日、東京・有明コロシアム)、初代タイガーマスクvs天龍源一郎(3月18日、東京・後楽園ホール)、小島聡vs棚橋弘至(G1優勝決定戦=8月15日、東京・両国国技館)の6試合。
 ベストバウトは各選考委員の好みというか、プロレス観が如実に出る。私が事前に候補として考えていたのは鈴木vs諏訪魔、杉浦vs高山の2試合。どちらにするか迷っていたが、最終的には鈴木vs諏訪魔にしようと思っていた。あの試合は武藤不在だった上半期の全日本の総決算であり、もしコケたら全日本の未来はないと言っていいぐらいの大一番だった。そんな中で両者は技術と心をぶつけ合い、44分24秒の熱い戦いをやってのけた。その正面からのぶつかり合いはかつて人生観をかけて戦った鶴龍対決を思わせるものだったし、勝負を決めた諏訪魔のバックドロップ・ホールドは最後の鶴龍対決のようでもあり、試合後に新世代軍に肩車される諏訪魔は、鶴田超えを果たした時の三沢とオーバーラップした。全日本の歴史をも内包しつつ、未来に向かう試合だったと思ったからだ。それに両者の“強さ”も感じられた。やはり私は“強さ”のあるプロレスが好きだ。杉浦vs高山にしても、両者ともにPRIDEに出場していただけに格闘技的な要素も感じられたし、高山が「プロレスは戦いなんだよ!」ということを杉浦に叩き込むような試合にも見えた。そんな高山の猛攻をはねのけて勝利した杉浦も素晴らしかった。
 さて、投票はデヴィット&田口vs飯伏&オメガ=11、鈴木vs諏訪魔=3、鈴木vs船木=3、杉浦vs高山=4 初代タイガーvs天龍=3、小島vs棚橋=1という結果に。トップが過半数に満たなかったので受賞したジュニア・タッグと次点の杉浦vs高山の決選投票に。私は当然、杉浦vs高山に1票を投じた。ジュニア・タッグは理屈抜きに面白い試合だったし、タッグのベストバウトならば文句ないが、これが2010年の代表試合となると私には抵抗があった。決選投票の結果はジュニア・タッグ=16、杉浦vs高山=11。メジャーvsインディーの枠を超えて新日本ファンをも魅了したデヴィット&田口vs飯伏&オメガがベストバウトに輝いた。
【最優秀タッグチーム賞】中西学&ストロングマン
 ノミネートされたのは①飯伏幸太&ケニー・オメガ②中西学&ストロングマン③高山善廣&佐野巧真④永田裕志&井上亘⑤鈴木みのる&船木誠勝の5チーム。
 正直、ジュニア・タッグのベストバウトには抗った私だが、ベストタッグチームとなれば飯伏&オメガのゴールデン☆ラヴァーズ。やはりタッグチームはプロレス頭を駆使したユニークな連係があってこそ魅力的だからだ。だが、意外な伏兵となったのが中西&ストロングマンだった。確かにG1タッグに出場してベスト4まで残ったこのチームは面白かった。ゴツゴツしたチームとしてのビジュアルもよかったし、開幕時はストロングマンに日本語で「足!」と指示を出し、慌てて「フット!」と言い直していた中西が、最終戦の頃には「ブーツ!」と正しく指示できるまでに成長(?)。2人の馬鹿力と笑わずにはいられない試合ぶりはある意味凄く魅力的だった。
 そして投票ではゴールデン☆ラヴァーズ=8、中西&ストロングマン=7と拮抗! この2チームの決選投票となり、ゴールデン☆ラヴァーズ=10、中西&ストロングマン=15という結果に!! この受賞は、新日本に対して「来年、中西&ストロングマンを本格的にタッグチームとして売り出してほしい!」という願いもプラスされたものだ。
【殊勲賞】諏訪魔
 私的にはベストバウトの選考から歯車が狂ってきた…。気を取り直して殊勲賞の選考に入ったが、ここでノミネートされたのは①諏訪魔②潮﨑豪③真壁刀義④小島聡の4人。
 私は当初、小島を考えていたが、ベストバウトが目論みと違ってしまったことで、ここでは諏訪魔を推した。この1年、何とか全日本を変えようと頑張ってきた全日本愛は本物だったし、自ら三冠王者になっただけでなく、新世代軍の時には他のメンバーにアドバイスを送ったり、励ましたり、舞台裏でも若きリーダーとして尽力していた姿を見てきただけに、諏訪魔には賞をあげたかったのだ。投票では圧倒的な20票を獲得して諏訪魔の受賞が成った。
【敢闘賞】小島聡
 G1優勝&IWGP奪取をやってのけた小島が受賞。「MVP受賞経験者が3賞に入るのは…」という声もあったが、小島の頑張りはやはり賞に値するものだと思う。フリーになり、手術も克服してのこの実績で賞がないのでは報われない。
 その他、金丸義信、永田裕志、男色ディーノ、関本大介、カズ・ハヤシがノミネート。私は小島を心の中で支持しつつも票を投じたのは関本。大日本でストロングBJを打ち出しつつ、KO-D無差別級王者としてDDT両国のメインを張り、天龍プロジェクトでも存在感を見せつけ、現在はゼロワンの世界ヘビー級王者という頑張りに票を入れさせてもらった。
 なお、投票は決選投票までもつれ込み、小島=13、永田=12という1票差に。青義軍を牽引し、1年がかりで井上亘を成長させてG1タッグ優勝に導いた永田の敢闘を選考委員会は高く評価していたのだ。
【技能賞】カズ・ハヤシ
 ここでは①永田裕志②吉野正人③カズ・ハヤシ④プリンス・デヴィット⑤中邑真輔の5選手の名前が挙がった。
 私は去年と同じくカズを支持。去年は丸藤から世界ジュニアを奪回し、ジュニアとして『チャンピオン・カーニバル』に出場して公式戦で武藤に勝ち、準優勝したにもかかわらず賞を取れなかった。今年は世界ジュニアの防衛戦を10回行って、防衛最多記録の17を達成。しかもどの試合も、どんな相手でも好試合に仕立て上げた技術を推した。また、若い選手の適性を見極めて育てるコーチとしての手腕も評価した要素。
 1回目の投票でカズ=11、吉野=5の2人が残り、決選投票ではカズ=14、吉野=11と接戦だった。超満員の7・11神戸ワールド記念ホールでYAMATOを破ってドラゴンゲートの頂点のオープン・ザ・ドリームゲート王座を奪取し、これまた超満員の11・23大阪でCIMAを下して王座を堅守した吉野の、大観衆を満足させるエースとしての技術も高く評価された。
【新人賞】岡林裕二
 新人賞の対象になるのはデビュー3年までの選手。みちのくプロレスの拳王、大日本の岡林、IGFの鈴川真一、新日本のキング・ファレがエントリーされた。私がエントリーしたのはデビュー2年半ながら、いかにもプロレスラーという頑強な体を持ち、関本とともにストロングBJを牽引する岡林だ。今風でないところも逆にイイ。
 第1回の投票では岡林=10、鈴川=9の接戦に。元若麒麟こと鈴川は9・25JCBホールのデビュー戦でマーク・コールマンの心を折って勝利し、12・3両国ではデビュー2戦目にしてメインに起用されてモンターニャ・シウバに勝つなど非凡な才能を発揮しているが、わずか2戦しかしていないだけに「もう1年、見たらどうか?」という意見も出た。
 決選投票では岡林=15、鈴川=10で、岡林に凱歌が上がった。
【女子プロレス大賞】高橋奈苗
 04年~08年の間、該当者なしが続いた女子プロ大賞だが、昨年はさくらえみが受賞。今年はマニフェストで話題を呼んだ華名、JWP無差別級王者の米山香織、昨年に続いてさくらえみ、高橋奈苗、里村明衣子の5人もの名前が挙がった。
 私は敢えて他団体で防衛戦を行って米山革命を実践する米山をエントリーしたが、高橋が圧倒的な支持を受けて受賞! 風香の引退試合の相手、愛川ゆず季のデビュー戦の相手を務めた技量、プロレスの枠を超えてシュートボクシングの『Girls S-cup』で風香とSBルールによるエキジビションマッチを行ったことなどが評価された。
 昨年のさくらの受賞で女子プロ界のモチベーションが上がったことは確かだし、今年も女子プロ大賞で5人もの名前が挙がったことは喜ばしいことだ。
 その他、東京スポーツ50周年特別功労賞=アントニオ猪木、特別功労賞=ラッシャー木村、山本小鉄、ジョー樋口、星野勘太郎も決定した。