今後の新日本の注目点は…

 今日は一昨日の新日本について。改めて書くことではないかもしれないが、今の新日本はバラエティに富んでいて面白い。タイプの違うカード編成、スムーズな進行、シリーズを通して前哨戦をやっているから試合内容も濃い。ひとつのイベントとして完成されているから、初めてプロレスを観る人にも安心して薦められる。かつての新日本と言えば、猪木の「一寸先はハプニング」ではないが、面白い時は異常に面白く、ひどい時には暴動が起こるほどひどかった。それがドキドキする魅力でもあったが、今の時代は“わけのわからない商品”を提供するわけにはいかないだろう。
 長州流に言うなら「昔は暖簾の下から腕だけで料理を出して、暖簾の向こう側が誰なのか、どんな料理なのかわかんない。“ちょっとこれ、食べられるの?”っていう半信半疑の緊張感みたいなものが四方のお客さんにあったと思うよ。今は自分の好きなシェフがリングの中にある素材を使って、好みの料理を提供してくれる。だから四方にいるお客さんは安心してリングを観られるよね」となる。どちらがいいのかは、お金を出してチケットを買うお客さんが決めること。その意味では今の新日本は正解だと思う。
 ただ、昔は良くも悪くも「新日本はこうなんだ!」というものがあった。他団体をリングに上げるのも「新日本こそナンバー1!」というのを見せつけるためのものであって、排他的な姿勢は変わることがなかった。だが、今の新日本は自由港。どんなスタイルでも受け入れ、それが結果的にバラエティさにつながっている。
 問題はここからで、自由港になれば他団体の文化、価値観が入り込んでくる。例えば、IWGPジュニア・タッグ王者になったDDTの飯伏幸太は「川で防衛戦をやりたい」と言った。これはキャンプ場プロレスの発想である。IWGPヘビー級王座を奪取した小島聡は後藤洋央紀に負けた中邑真輔との初防衛戦を強硬に主張しているのだ。
 気がつけば、今の新日本のベルトはすべて外部の人間が持っている。IWGPジュニア・タッグがインディーの雄と言われるDDTに流出したのは昔だったら大事件だっただろう。IWGPヘビー級王者になった小島は新日本の出身だが、真壁からベルトを奪った試合では場外でのラフ攻撃にしろ、左右使い分けたラリアットにしろ、全日本の8年間で培ったものを出したと見るのが正解だと思う。IWGPジュニア王者のプリンス・デヴィットにしても厳密に言えば新日本の生え抜きではなく、イギリスでキャリアを積んでから新日本に来た選手だ。
 山本小鉄という精神的支柱を失った今、これから新日本が他団体の文化、価値観を受け入れて「すべてをひっくるめてプロレスを楽しめるのが新日本なんだ」という形で進んでいくのか、それとも「ここは新日本なんだ!」というものを強く打ち出していくのか。まずはこれから来年1・4東京ドームまでの流れが非常に興味深い。

「今後の新日本の注目点は…」への1件のフィードバック

  1. 全て受け入れてくれると嬉しいです..
    正直、お笑いも受け入れても良いかなと..
    そうなると新日らしさは、少し消えてしまうのかな..?
    子供が言います…「新日は疲れる..」
    色んな団体を一緒に観戦してるから子供なりの意見も出てくるかな…

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