馬場・全日本と武藤・全日本をつなぐ男

 あのマイク事件以来、リングに集中しながらもどこか吹っ切れない印象があった諏訪魔が昨日の天龍プロジェクト第4弾で弾けた。負傷欠場の天龍のオファーを受けて嵐&石井智宏と組んで関本大介&高山善廣&後藤達俊の世界6人タッグに挑戦。インディーの雄・関本、ベテランの後藤とは初対決だし、高山とは昨年中、全日本マットで激突した間柄。昨年8・30両国では三冠王者だった高山に挑戦して敗れているだけに、“今現在”を見せつける舞台でもあった。
 試合前には全日本・武藤社長の「若干、アウェイのリングだから、野次られてもマイクは投げるなよ!」というVTRメッセージが流れたが、諏訪魔は自然体で大暴れ。先発を買って出て、いきなり関本戦が実現。ロックアップ、手四つでの力比べ、タックル合戦…と、両雄とも変に構えることなく魅せてくれた。諏訪魔vs高山の局面では、諏訪魔は高山のビッグブーツをかわしてフライング・ショルダー・タックル、ラリアット、スロイダー…と、“現在の三冠王者”を見せつける攻め。後藤との初対決も面白く、バックドロップ、ラリアットを食ったものの、最後はお返しのラリアットで試合を決めた。その後、天龍に直訴して、試合中にやたらとチョッカイを出してきたNOSAWA論外をリングに引っ張り上げて関本&後藤&論外と急遽、初防衛戦。ここでは論外をラストライドでKO、2試合合計で30分31秒、いい汗を流した。
「小さい頃の憧れの人が自分の試合を見てくれているというのは不思議な感覚でしたね。込み上げてくるものがあったけど、今、泣いている場合じゃないからね」
「三冠の価値を上げることが全日本プロレスOBの人たちへの敬意の表し方、恩返しになると思う」
 そんなコメントをする諏訪魔の表情は晴れやかだった。実際には全日本において擦れ違いだった天龍と諏訪魔だが、ここにきて不思議な師弟の絆を感じる。やはり諏訪魔は馬場・全日本と武藤・全日本を一本の線でつなぐ男である。

女子プロ界の聖子ちゃん!

 さてさて、今日はGスピリッツ第17号の発売日! まだ買っていない方もいると思うので、最後の情報をひとつ。今日のオススメは全日本特集関連ではなく、立野記代のインタビュー。
 立野は10月10日、新宿FACEにおけるデビュー30周年興行で引退する。つまり、現役としてのロング・インタビューはこれが最後になるのではないか。立野というと、古くからのファンがパッと思い出すのは“女子プロ界の聖子ちゃん”というフレーズだと思う。そう、彼女は元祖アイドル・レスラーと言っていい存在だった。しかし、彼女の本当のハイライトは山崎五紀とのJBエンジェルスとしてWWFで活躍した時期。以前から雑談でアメリカの話は聞いていたが、改めて取材として聞いてみると…やっぱり凄い!
 その当時、日本の女子アスリートでアメリカで名前が知られていたのはプロゴルファーの岡本綾子とJBエンジェルス。女子プロながらメインも取っているし、『ロイヤル・ランブル』で女子世界タッグ王者にもなっている。そんなアメリカン・ドリームな話や、五紀との本当の仲、当時の全女の生存競争の激しさなど、2時間以上にわたって話を聞いた。写真も本人から借りたお宝が満載! 自信を持ってお届けする目玉記事のひとつです!

追憶の昭和・全日本

 明日29日に発売されるGスピリッツ第17号の種明かしを少ししたいと思う。以前、書いたように総力特集は『追憶の昭和・全日本』。全日本プロレス黎明期のジャイアント馬場の元黒幕を初取材したことは以前、書いたが、その他に私が取材したのは、まず渕正信。
 全日本の新弟子第1号は73年10月に入門した大仁田厚ということになっているが、実は渕はそれよりも早い73年3月。実家の事情で一度辞めているものの、この最初の入門の時にバトルロイヤルにも出場している。この渕の取材では馬場さんのプロレス哲学の師匠、シュート技術の師匠、鶴龍時代以降に馬場さんが考えていた本当の未来にまで言及しており、かなり濃い内容になったと自負している。
 そして昭和・全日本と言えば、強豪外国人選手。様々な外国人選手を天龍源一郎に本音で斬ってもらった。天龍はアメリカ生活が長くて外国人選手との交流も深いだけに、リング上だけでなく私生活での話も興味深いものだった。プロレス入り前に会っていたハーリー・レイスの話、デストロイヤーとの関係、ブロディに言われたこと、ハンセンとのアメリカ時代のエピソードなどなど、天龍節が冴えわたっている。
 その他、全日本とテレビの関わりについて、かつて『スカイハイ』など入場曲ブームを仕掛けた元全日本プロレス中継のディレクター、梅垣進氏にもインタビュー。さらには私にとっては大先輩の東京スポーツの川野辺修氏と元全日本プロレス番記者対談もやらせてもらった。
 ということで、明日発売のGスピリッツ第17号にご期待ください!

心からの叫び

 昨日の日本武道館での杉浦のファイトは鬼気迫るものがあった。潮﨑に馬乗りになって、止めに入る西永レフェリーを吹っ飛ばしてエルボーの乱打…。その姿を見て、去年の6月4日の後楽園ホールでの杉浦を思い出した。三沢さんが亡くなる9日前の大会だ。
 その日、後楽園の客入りはよくなかった。そんな中、第2試合で健介オフィスの起田と対戦した杉浦は不機嫌モード全開の叩き潰しファイト。凄まじい殺気を発散して急角度のオリンピック予選スラムで起田を事実上のKOに追い込んだ。杉浦は対戦相手の起田ではなく、すべての状況に怒っていた。
「起田? いいんじゃないスか? ひたむきでガムシャラで。それは今の俺にも必要なことなんで。ひたむきさがないとね。…寂しいよ、このお客さんの数は! 若いからじゃなくて、みんなが頑張らないと。辛いよ、これじゃあ!」
 思えば、この日から杉浦は目に見えて変わっていったと思う。そして、この日は杉浦のピリピリ感が他の選手にも伝染して、結果的には緊張感のあるいい大会になったという記憶がある。
 それから1年3ヵ月後の昨日の日本武道館。試合後、杉浦は「三沢さんのいない武道館は物足りないですか? 小橋さん、秋山さんが欠場して出場していない武道館は物足りないですか? 僕はそういうものとも戦っています」とファンに呼びかけた。それはノアの舵を取る者としての心からの叫びだった。
 控室でも「来てくれたら満足して帰ってもらう自信はあるんですけど、来ないことにはね」「上の世代を倒して、世代なんて関係ないのかなって気もしますね。その上の世代の時代ではお客さんがいっぱい来てたんで、四天王世代と戦っているのかもしれないけど、それは目には見えないものですよね」「この状況を見たら、尻に火がつかない奴がおかしい。半分も入ってないでしょ」と本音を炸裂させた。
 現時点で杉浦vs潮﨑はノア純血の頂点とも言えるカード。実際、試合は緊張感あるスリリングなものだったし、いわゆる四天王から続く匂いのない新しい風景だったと思う。杉浦は「潮﨑との試合の価値を上げて、お客さんを呼べるように…」と言っていたが、それは当事者の日々の試合が大事なのはもちろん、会社全体でいかに盛り上げていくかも必要なこと。10年を区切りにしてのノアの課題は多い。
 杉浦は今、本当の意味で世代闘争…時代と闘っている。

Gスピリッツ第17号に馬場さんの元黒幕が初登場!

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ジャーン! 9月29日(水)発売のGスピリッツ第17号の表紙です。ジャイアント馬場、ドリー・ファンク・ジュニア、ミル・マスカラス…そう、今回の総力特集は『追憶の昭和・全日本』。全日本プロレスの特集だが“昭和”としているところがミソ。
 まだ公式モバイル・サイトでは詳細を公開していないので、私が種明かしするわけにはいかないが、ひとつだけ私が担当した記事を紹介したい。
 それは全日本黎明期にジャイアント馬場のフィクサー(黒幕)だった人物を取材したこと。この人物にじっくりとお話を聞くことはかねてからの私の願いだったが、それが遂に実現した。今まで登場したことのない方です。乞うご期待!
 その他の詳細は公式モバイル・サイトと連動する形で追々、書いていきます。

くま★さん

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 昨日は本当ならゼロワン&大日本の後楽園昼夜興行に行くつもりだったが、原稿の締め切りで断念。
 ということでプロレスに関係ない話題をかかせてもらおう。ということで、9月17日のハワイアン・リボンレイ教室でお世話になったアジア料理『くま★さん』の紹介をひとつ。
 このお店はベトナム、タイ、インド、ネパール、韓国、中国…と、幅広くアジアの料理を提供してくれるお店。それでいてコンセプトはアジアの屋台風(お店はキレイです)ということでリーズナブルなのが嬉しい。生ビール190円だから、おつまみに料理を2~3品頼んで1000円ぐらいで済んじゃうのだ。ガッツリ食べたい人も、ちょっとつまみたい人にもOK。昼の日替わりカレーランチはスープ、サラダ、大根ピクルス、ソフトドリンクが付いてライスだと680円、ナンだと780円になっている。
 リボンレイ教室の後、マキコ先生とビールで乾杯し、ネパールのサモサ、モモ、海老レタス・チャーハン、韓国のイカのチヂミ、タイのアスパラ団子、ベトナムのつくね、中国の海老蒸しぎょうざ…などなどで打ち上げをしました。
 お店は巣鴨駅から徒歩5分。地蔵通り入口を左に入ったところにある。真性寺の向かいなのでわかりやすいはず。皆さんもぜひどうぞ!
 掲載している写真が『くま★さん』。私の妻がOffice Maikai巣鴨アトリエのベランダで育ったティーリーフとブーゲンビリアで作ったレイをかけてもらってパチリ! ティーリーフは魔除けの意味があり、ハワイではお守りになっています。
アジア料理『くま★さん』
東京都豊島区巣鴨3-22-11(TEL03-3949-9031)
営業時間:11:00~23:00(ラストオーダー22:30)
定休日:年末年始のみ

マハロ!

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 以前から告知していたように、昨日は巣鴨のアジア料理『くま★さん』で開催されたマキコ・マレ・木元先生によるハワイアン・リボンレイ教室にOffice Maikaiとして協力させていただきました。
 本来ならアジアンチックな『くま★さん』がハワイに! ハワイアン・ミュージックが流れる中で、参加していただいた方たちがそれぞれ好きなキットを使って、気さくなマキコ先生とおしゃべりながらのリボンレイ作り。参加して下さった方が楽しい時間を過ごしてくれたなら、こんなに嬉しいことはありません。
 そして朝からグッズをディスプレイするスペースを作って下さるなど、全面バックアップして下さった『くま★さん』、ありがとうございました。最後にマキコ先生、お疲れさまでした。また美味しいビールを飲みましょう!
 皆さんにマハロ!

打ち切りです!

 なぜだかわからないが、14日から突如として諏訪魔問題に対する書き込みが急増した。すべてを載せると、今度はファン同士の言い合い(書き合い?)に発展して、炎上してしまう危険性があるので、すべて掲載は見合わせます。
 今回の一件で引っ掛かるのは、その行動の是非だけでなく、諏訪魔のすべてを否定する意見が飛び交っていることだ。それは筋違いではないのか。何かあると寄ってたかってボコボコにする風潮には正直、うんざりだ。
 そして感じるのは、レスラーはもちろんだが、お客さんにも守るべきマナーがあるのではないかということ。お客さんはお金を払ってチケットを買い、会場に足を運んでいるのだから、基本的にはどう楽しもうが自由。でも、会場の雰囲気を悪くしたり、人の気持ちを害する野次などは慎むべきだと思う。それは今回の後楽園の野次がどうのこうのではなくて(私はヘッドセットをしていたので聞き取れていない)、一般論としてのごく当たり前の話だ。例えるなら…飲みに行って「俺は客だぞ!」とオネエチャンにしつこくしたら嫌われだろうし、周りにいる人間も不快でしょ?
 全日本プロレスは処分を発表した。諏訪魔もツイッターで「真摯に受け取ります」と記している。これ以上、何を求めるのか? 諏訪魔はプロレスラーである。全日本プロレスのトップである。ならば、リング上のファイトで応えていくしかないのだ。それで判断すればいいのではないか。支持されなければファンが離れていく。離れていけばトップの座から落ちるというだけのことだ。
 ただ、改めて書いておきたいのは、諏訪魔がプロレスを単なる自身の生活のための仕事と考え、ファンのことを何とも思っていないような人間だったら、今回のようなことは起こらなかったということ。何があってもヘラヘラしているよりも、発露の仕方は別にしてもこういう熱いハートを持っている男が今のプロレス界には必要だと私は思っている。
 諏訪魔はいろいろ考えるところがあったはず。そしてファンの人たちだって、何かしら考えさせられたと思う。今回の一件が、レスラーとファンの関係をみんなが改めて考える材料になれば、少しでも救いがあるというものだ。ということで、この件については打ち切りです。

いかが?

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 9月17日(金)に巣鴨のアジア料理『くま★さん』で開催されるマキコ・マレ・木元先生のハワイアン・リボンレイ教室について、このホームページ、先週月曜日のサムライTV『S-ARENA』で告知したところ、お問い合わせが数々ありました。10日の全日本・後楽園でも「行きたいんですけど!」と、何人もの方から声を掛けていただきました。ということで、もう一度、インフォメーションさせていただきます。
 今回の教室で作るのは写真のようなリボンレイの携帯ストラップ。なかなかイイでしょ? 誰でも2時間ほどで出来るそうです。『くま★さん』では生ビールのジョッキが何と190円! 終わった後にはググッとビールをイクのもいいかも。『くま★さん』は巣鴨のとげぬき地蔵入口の前の道を左折した真性寺の向かい。駅から徒歩5分ほどのわかりやすい場所にあります。教室への参加は、当日の開始時間前に直接来店されてもOKですが、できるだけ、事前にFAXかメール(下記参照)で氏名・電話番号・人数を教えていただけると助かります。
 当日はハワイアン・グッズの販売もあるので、気軽に覗いてみてください!
 
日時:9月17日(金)PM2時~4時
場所:アジア料理『くま★さん』
東京都豊島区巣鴨3-22-11(TEL03-3949-9031)
講師:マキコ・マレ・木元(ワイキキで『メア・アロハ』主宰)
主催:『メア・アロハ』『くま★さん』
協力:Office Maikai(オフィス・マイカイ)
費用:キット代2000円+ドリンク代100円
申し込み:氏名・電話番号・参加人数を明記の上、Office Maikai巣鴨アトリエまでFAX(送信先03-5980-9396)あるいは、iz-maikai@yahoo.co.jp(ダイアリーのページの左下のmailをクリックしてください)にメールでお知らせください。
お支払い:当日、現金でお願いします。

諏訪魔のマイク事件について

 昨日の後楽園ホールのメイン終了後、諏訪魔が野次に激怒して客席にマイクを投げつけた一件が波紋を呼んでいる。その時の状況はスポナビ等の報道サイトをご覧頂きたい。ここでは私が感じたことを率直に書きたい。
 まず、昨日の大会は諏訪魔が三冠王者になって初の試合、武藤の復帰戦などなど、全日本プロレスの新しい一歩となる大会だった。そして、そのメインに据えられたのが諏訪魔&河野と新アジア・タッグ王者の真田&征矢が激突する新世代同士のタッグマッチ。諏訪魔は「これが未来の全日本、俺たちだからこそできる試合というのを見せたい」と張り切っていた。
 では、実際の試合はどうだったか? 4選手の気持ちは伝わってきたが、それに内容が伴っていたとは言い難かった。決して悪い試合ではない。だが、これでは足りないのだ。諏訪魔が征矢をバックドロップ・ホールドでフォールした時、征矢が返せなかったにもかかわらず和田京平レフェリーが3カウントを取らなかったことで騒然となったが、これは意図的だったように私には思えた。京平さんはこれまで天龍同盟や超世代軍といった全日本を危機から救って新しい時代を作った人間たちの物凄い頑張りを見ている。敢えて3つ叩かなかったのは「お前ら、これで終わりなのか? 天龍さんや三沢たちはもっと頑張っていたぞ!」という檄に思えた。その後、京平さんは凄い剣幕で征矢に「行け!」と促し、諏訪魔も凄い形相で「来い!」と征矢に訴えかけるように呼びかけた。そして、自分の不甲斐なさが悔しいのだろう、征矢は半分泣きながら諏訪魔に食らいついていった。
 そして問題の試合後。4人とも満足していなかったはずだ。悔しいけれども、観客に批判されても仕方がないという思いもあったはず。私はGAORA中継の解説席で「この悔しさを忘れてはいけない」といったニュアンスの言葉を口にしていたと思う。
 新世代軍の解散は唐突だった。私も戸惑ったし、観客も当然、戸惑ったことだろう。私はヘッドセットを付けていたので、ずっと野次が飛んでいたのはわかっていたが、その内容までは聞き取ることができなかった。そして「いい加減にしろ!」という怒声と同時に事件は起きた…。
 諏訪魔の行動は決して許されることではない。もし、怪我人が出ていたら大事件だった。だが、その一方では諏訪魔の気持ちも痛いほどわかった。。リング上の新世代軍のメンバーたちとのやり取りもマジだった。だから批判は甘んじて受けても、野次は許せなかったのだと思う。素の感情を爆発させてしまったのは、諏訪魔が全日本の未来を真剣に考え、背負っていかなければいけないという強い責任感があったからこそだと思う。普段の諏訪魔は決して感情的な人間ではないのだ。
「これが今の現状だよ。わかってたよ。すべては俺の責任です」「まだまだ自分の小ささを感じました」という諏訪魔の言葉には厳しい現実を受け止める姿勢、反省がうかがえた。やったことは消えることはないが、今回の過ちを今後の糧にしてほしい。
 非難されるのを覚悟で書けば…個人的には、こんなことをしでかしてしまうほど全日本再建に情熱を持つ諏訪魔は頼もしく感じた。こんな熱いレスラーがいることが嬉しい。
 最後に、昨日の大会を締めたのは京平さん。諏訪魔はマイクを客席に投げつけた後、そのまま帰ってしまいかねない感じだったが、リングに呼び戻し、新世代軍のメンバー5人に「勝ったんだから、ちゃんと手を挙げてから帰れ!」と促した。やはり数々の修羅場を潜ってきた人は違う。和田京平は揺れ動く全日本プロレスの良心である。