ノア10年の重さ

 昨日はディファ有明でノアの旗揚げ10周年興行。ノアは2000年8月5日&6日のディファ有明2連戦で旗揚げした。2日間とも、とにかく暑かったのを憶えている。前日午後7時には当日券の現定数に達したため、その時点でチケットを求めるファンに整理券が配られ、ノアのスタッフが徹夜で警備に当たった。そして初日の5日だけは外の駐車場スペースを開放してモニターを設置し、入れなかったファンに無料で提供した。営業サイドは「少しでも料金を…」と打診したそうだが、三沢社長は「無料じゃないとファンサービスの意味がないから」と譲らなかったという。
 あれから10年。10年という時間は私ぐらいの年齢になると、そんなに長い時間ではないのだが、メインのリングに上がった4選手を見た時に年月の重さを感じざるを得なかった。当時は練習生だった杉浦貴がGHCヘビー級王者としてリングに立っている。デビュー3ヵ月にも満たない新人で旗揚げ戦初日には試合が組まれなかった小林健太がKENTAとして大声援を浴びている。森嶋はゴールドと黒を基調にした膝丈のタイツで旗揚げ戦初日の第1試合で橋誠と戦っていた(この日の第1試合も橋戦)。潮﨑はまだノアに入門もしていなかった。そんな4人が“これからのノア”を背負ってメインで戦ったのだ。
 10年前、主役に躍り出たのは秋山準だった。小橋と組んで三沢&田上と対戦し、1本目はわずか2分で三沢をフロント・ネックロックで締め落とし、2本目も田上を垂直落下式のエクスプロイダーで仕留めた。そして翌日には小橋との一騎打ちも制して全日本プロレス時代の序列をいきなり覆してみせた。それは「ノアは時代の壁をぶち破って新しいことをやろうとしているんだ」というイメージを鮮明に打ち出すものだった。
 そんな10年前があるだけに、昨日のメインのリングに立った4人には心に期するものがあったはず。まず、やってのけたのは森嶋だ。ラリアット、ハンマーの乱れ打ちからバックドロップでGHC王者・杉浦をわずか55秒でフォール。だが、杉浦はここから地力を見せつけた。潮﨑、森嶋をオリンピック予選スラムで連破して勝利をモノにしたのである。
 勝敗には関係なかったが、杉浦のパートナーになったKENTAの存在感も際立っていた。ただひとりジュニア・ヘビー級にもかかわらず、スーパーヘビー級の森嶋、潮﨑をたじろがせる当たりの強さ、そして気の強さはファンに支持されて当然だ。
 今日のメインは杉浦vsKENTAの一騎打ち。10年前の練習生と新人が方舟の新たな航海の舵取りに向けて激突する!

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