竹田誠志にデスマッチの新たな匂いが

 昨日は5・4横浜文体以来の大日本プロレス。伊東竜二にSTYLE-Eの竹田誠志が挑戦したBJW認定デスマッチ・ヘビー級選手権…ガラス&蛍光灯+αデスマッチだ。私はデスマッチ・アイテムの中でガラスと画鋲が苦手。普通、蛍光灯で殴られることはないが、子供の頃にガラスで手を切ったり、画鋲を素足で踏んづけたりした経験があるからだろう。
 それはさておき竹田である。私は竹田が大日本に参戦し、デスマッチ・ファイターになった当初から注目していた。総合格闘技からプロレスへの進出はあっても、総合からデスマッチへの進出は考えられない。ところが竹田は、あの田村潔司が主宰するU-FILE CAMPに入門して総合格闘技イベントで実績も残しながら「実は昔からデスマッチに憧れていた」という変わり種なのだ。試合もスープレックス系やサブミッション、鋭いスピアーなど、格闘技的な匂いがあるからデスマッチをやっても新鮮。佇まいもいわゆるプロレスラーとちょっと違うところが私の琴線に触れた。
 近年の伊東、佐々木貴、宮本裕向などのデスマッチは、どんなに血を流しても試合後に爽やかな気分にさせてくれるスポーツライクなもの。その一方で葛西純は「爽やかなデスマッチなんてねぇ。デスマッチはもっとドロドロした殺し合いなんだ」と主張する。竹田のデスマッチはどちらかというと葛西寄り。だが、ドロドロしているというよりは、やはり格闘家ならではの匂いがあるのか、勝負にこだわったデスマッチという印象だ。
 昨日のデスマッチにしても、竹田はSTYLE-E無差別級のベルトを締めて登場し、STYLE-E代表として勝負にこだわりを見せ、そんな竹田に対して伊東が非情に徹して潰しにかかったから「凄い!」の一言だった。伊東は竹田が+αアイテムとして持ち込んだ小型のカミソリ・ボードを奪って背中に力いっぱい降り降ろし、さらにガラスで突っ込んで血だらけになった竹田の背中にイスを叩きつけ、蛍光灯とガラスの破片でザクザクになっているキャンバスにスラムで叩きつけるなど、序盤からラッシュした。
 竹田にとって不運だったのは蛍光灯をヘッドバットで割った際に左瞼に破片が刺さって大流血してしまったこと。恐らく、ほとんど視界を遮られた状態で試合をしていたのではないかと思う。それでも竹田の心が折れることはなかった。伊東が持ち込んだ画鋲の上にジャーマン、あるいはイスにガラスをセットしてその上にジャーマンと持ち味を発揮して反撃を試み、蛍光灯すだれを体に巻きつけられてムーンサルト・プロレスを投下されても、画鋲とガラスの破片をかき集めた状態のキャンバスにジャーマン、ドラゴン・スープレックスを連発されても屈さなかったのである。
 最後はドラゴン・スプラッシュwith蛍光灯束に力尽きたものの、後楽園ホールは竹田コールに包まれた。
 王者・伊東は竹田について「強いですね。それに試合の組み立てとかバランスがいい。自分も見習わなきゃいけない部分がありますね」と称賛。「こういう奴がいる限りデスマッチは潰れませんよ」とも言った。
 最後、印象的だったのは竹田が伊東の握手を拒絶したこと。スポーツライクではない竹田流のデスマッチが極めて近い将来に確立されるはずだ。

「竹田誠志にデスマッチの新たな匂いが」への1件のフィードバック

  1. あそこに、あのリングに上がる事、自体、凄いですよ…
    負けても、関係なく、拍手を贈りたいです…
    竹田選手、素晴らしいです…

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