ノアに参戦した外部の選手に感じたことは

 2月に入ってからGスピリッツ(今月下旬発売予定)の取材&原稿、その他の仕事がドドッと重なってしまったため、試合会場にもほとんど行けなかったし、半月以上もダイアリーを更新出来なかったが、今日は久々に書いてみたいと思う。
 題材はノアの日本武道館大会。昨日の大会は様々なことがあったが、外部から参加した選手たちについて書いてみたい。
 まずはNOSAWA論外。論外は欠場中の谷口の代打として丸藤とタッグを結成して秋山&健介と激突した。結果的には秋山と健介にボロボロにされ、エグイ角度のエクスプロイダーで惨敗を喫してしまったが、注目すべきは客の視線をすべて自分に集中させて試合の主役の座をもっていったことだ。丸藤とのやりとりで笑わせ、やられっぷりのよさで客席をどよめかせ、要所では秋山に超高校級ラ・マヒストラルを決めて魅せるところはきっちり魅せるなど、観客を掌に乗せた。体の小さい論外が日本国内、海外で今まで生き残ってきたのは、こうしたしたたかさ、巧さによるものであることを改めて感じさせてくれる試合だった。とにかく客の印象に残って自分の商品価値を上げるという論外の生き方は立派なプロだと思う。
 青木篤志の閃光十番勝負の最後の相手として登場した鈴木みのるは、青木を完膚無きまでに叩きのめした。鈴木は関節勝負を挑んできた青木をすべての面で翻弄、最後は青木の得意技である腕十字をキッチリと極めた。ノアの中では心の強さと過激なファイトで知られる青木も、鈴木の前では赤子同然という感じだった。
 鈴木は青木の腕十字を「見様見真似」とバッサリ切り捨てて「自分の腕を何度も折られて体を張って覚えてきた十字の違い」と言い放ち、さらに「十字を仕掛けて、どうやったら勝てるか知ってるか? 心を折った時だよ。極まる=相手の心を折るってことだよ。相手の心を折るにはよ、殴る、蹴る、絞めるもある」と言葉を続けた。
 これは青木にとって大きなヒントだったと思う。鈴木は容赦なく、十番勝負最終戦の青木に身をもって御祝儀を贈ったのだと思う。この試合は何年かしたら、青木にとって大きなターニング・ポイントになっているのではないか。
「ノアに上がる理由を確認する」と武道館のリングに上がった川田もまた、何度も修羅場を潜ってきた男の底力をイケイケの森嶋に見せつけた。あの森嶋の巨体に真っ向から相対したということは川田のプロレスへのモチベーションが下がっていない証拠。そして正面からの打ち合いでナックルを顔面にぶち込んだところに川田の凄味を見た。実際には反則だが“ここ一番!”という時にこういうことを平気でやってしまうのが川田の強さだ。それは前述の鈴木にも言えること。ギリギリのラインのことを平然とやれるかやれないかの差が、昭和を生きたレスラーと今の平成のレスラーの違いのような気がする。
 そしてメインで杉浦のGHCヘビー級王座に挑戦した真壁だ。昨日の真壁は気温的には正攻法のファイトだった。これまでノアではやりたい放題でヒールとしてのキャラを全面に押し出していた真壁だが、実際にはいわゆるヒールではない。これまでのファイトは自分のインパクト作りのためで、昨日のファイトこそが本当にやりたかった試合だったのではないかと思う。
「杉浦の方がよ、ノアの威信、ノアの未来とか、背負う者が大きかったってことだな。俺なんてよ、背負うもの何もねぇからよ、その差だよ。あいつ、大したもんだよ」とコメントする真壁の顔は実に爽やかだった。真壁は「背負うものがない」と言ったが「ノアに出場してGHCに挑戦するからには、俺がノアを盛り上げて、その上でベルトを獲ってやるよ!」という気概があったはず。それが前哨戦での一連のやりたい放題であり、本番のタイトルマッチでの正攻法だったように思う。真壁は真壁なりにノアを背負っていたのだ。そして真壁が持つ大きな要素はどんなに憎まれ口を叩こうとも、たとえ結果が出せない時でもファンに支持され、商品価値が下がらないことだ。
 外部の選手は生き抜くために辛い思いをしてきている人間が多い。そして、その経験の中で身に付けた技術や知恵がある。外部の選手からノアの選手が学ぶべき点は数多くあると感じた昨日の武道館大会だった。

「ノアに参戦した外部の選手に感じたことは」への2件のフィードバック

  1. 今回の大会はノアのこれからを作るためのいいきっかけになったのではないかと思っています。
    それぞれの外敵が残したインパクトの大きさどうやってモノにするか。
    ノアにとっての『変革の本番』はこれからですよ!

  2. 僕は川田選手が参戦してくれた事が、とても嬉しかった..
    ここに三沢さんが居てくれたら…なんか泣けました…
    そして、またいつか…超満員の武道館にしてもらいたいです..

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