ノア1月ツアー最終戦で感じたこと

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 昨日は旅から帰国後の初取材。後楽園ホールにおけるノア1月ツアー最終戦に出向いた。1・9ディファ有明の開幕戦は全体的にまったりした印象で、正直なところ「?」という感じだったが、昨日の最終戦は“新しいノア”の姿を見た気がした。
 まず第1試合の石森&マルビンvs宮原&梶原からして従来のノアとはまったく異なる風景。石森もマルビンもノア所属だが、根っこが違うし、宮原は健介オフィスの選手、梶原は闘龍門の選手(この試合後に健介オフィスに入団)。新鮮に映って当然である。その新鮮さを観客も受け入れているというのもまた新鮮だった。梶原の生真面目なファイトがちゃんと客席に届いていたのは嬉しいことだ。
 2試合目では早くも健介が登場して小川とコンビを結成。団体の枠を越えてこれまで何度も組んでいる2人だが、純粋なコンビとして見るのは私にとっては初めて。今から四半世紀も前に全日本マットで全日本vsジャパン・プロが行われていた時、全日本の新弟子・小川とジャパンの新弟子・健介は雑用係として先輩たちの対抗戦とは関係なく苦楽を共にしていた。そんな2人の若き日の姿を見ていた私としては、やはり感慨深いコンビ。今でも2人はリングを降りると「佐々木!」「小川!」と呼び合って仲がいい。健介&森嶋のパワー溢れるコンビはもちろんいいが、気心が知れている剛の健介と柔の小川のコンビも魅力的である。
 第3試合の力皇&ヨネ&彰俊&平柳vsバイソン&キース&ヒーロー&カスタニョーリの8人タッグはヘビー級のド迫力を見せつける楽しい試合だった。そんな中でジュニアの平柳もいいやられっぷりを披露。こずるく立ち回った末にヒドイ仕打ちに遭うのが、観てる側にしてみれば無責任に面白いのだ。本人は試合後に「ボロボロですよ」と嘆いていたが、どんな試合でも存在感をきっちり示す平柳は大したものだ。
 そして個人的に注目していた秋山vs丸藤の一騎打ちはまるで対抗戦の様相。特に入場してくる秋山の表情は普通ではなかった。攻防のほとんどが打撃、締め技、さらに場外戦もありというノア色とは違う展開に。いわゆる綺麗な試合ではなかったが、世代闘争のシビアさがヒシヒシと伝わってきた。最後は秋山がフロントネックロックで締め落として快勝。勝った瞬間、秋山は天を仰ぎ、キャンバスを叩き、雄叫びを上げた。大アキヤマコールの中、花道を下がる際にリングに向かって一礼したのも印象的だった。
 今年1年に進退をかけているような発言をしている秋山だけに大きな勝利だったが、決して浮かれないのが秋山準という男。
「(一礼したのは)こうしてコールをしてくれて…首の皮一枚残っているような男だから“もう少し頑張れよ”という意味だと思うので。丸藤がいつもと違うスタイルでガンガン来てくれてたし“まだまだですよ”っていうメッセージを貰った気がしますね。(一礼は)丸藤に感謝する気持ちもあります。少しずつ後輩に借りができますね。借りを返せるように頑張ります。勝ちは勝ちですけど、丸藤のいいところをすべてカットして持ち味を殺して勝ってるから、お客さんは嫌な想いをしているかもしれないし、本物の勝ちとは言えないかもしれないけど、負けたらしょうがないし、この1勝を先につなげていけたら…」と、冷静に試合を振り変えつつ、前向きな気持ちを語った。
 今年でノアも旗揚げしてから10年を迎える。世代交代は自然な流れだ。しかし、プロレスという闘いの世界では道を譲るということはあり得ない。若い人間が力で上の人間を踏み越えてこそ本当に新しい時代になる。上の人間も踏み越えられてたまるかと必死になるから、観ている側にとっては面白いのだ。秋山にも欠場中の小橋にもギリギリまで踏ん張ってほしいと思う。それが結果的にノアの未来につながるのだと私は信じている。
 さて、緊張感溢れる秋山vs丸藤の後のセミは森嶋&青木vs真壁&本間。前の試合があるだけにやりにくいだろうと思ったが、4選手はお構いなしに伸び伸びと暴れた。特に真壁&本間はノアに参戦して水を得た魚。新日本ではヒール、ベビーの括りを越えた存在になっている真壁だが、やはりヒールが一番似合う。本間にしても「帰れ!」と罵られるのがピッタリ。2010年、この2人はまたまた新境地を開きそうだ。
 メインは杉浦&谷口vs高山&佐野の『グローバル・タッグリーグ戦』の優勝戦。秋山&丸藤、セミのタッグの盛り上がりでハードルが高くなっていたが、こちらもまた緊迫感ある試合を見せてくれた。高山&佐野は谷口に「胸を出す」という感じだったが、少しでも谷口の攻め手が甘くなったり、的確さを欠くと容赦なく一方的に追い詰めた。それは谷口への期待であり、成長を認めていることの裏返し。谷口はまだまだ磨かれていない原石だと私は思っているが、昨日の優勝戦はそんな谷口に高山と佐野が磨きをかけているように見えた。
 つらつらと書いてきたが、15日ぶりのナマ取材だった昨日のノアは、私にとっては屁理屈抜きに楽しめた大会。2週間以上離れていると、やっぱりプロレスは面白いなあと思う。これが本音だ。
PS.掲載した写真は第3試合終了後の抽選会で、なぜか仲田龍GMに呼び込まれて抽選係になってしまった私。龍ちゃん、なぜ?(写真提供=神谷繁美カメラマン)

「ノア1月ツアー最終戦で感じたこと」への4件のフィードバック

  1. 世代闘争…この言葉を聞くと思い出されるのが橋本真也の
    『人間の春夏秋冬を見せていくものがプロレス』という言
    葉です。
    時代を築いてきた男たちが若い世代の壁となって立ちはだ
    かるというプロレスならではの図式は魅力的であると同時
    に、一抹の寂しさを感じますね。
    若い世代にはその壁をはやくぶち破って欲しい。
    でも、長年見続けてきた選手にはやはり負けて欲しくない。
    なんか、複雑な気持ちです…。

  2. 段々、そういう波が来てますねぇ..
    ノアも怪我人が続いて厳しいでしょうけど..
    頑張って欲しいです..

  3. とてつもなく 秋山準選手にかかる負担は重いわけですが
    それでもなお 壁として 頑張る姿を 身勝手とは思いつつ期待してしまいます。。。
    がんばれ!・・・としか言えないけど
    一プロレスファンとして 応援していきたいです。

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