全日本プロレス正月興行

 1月2日、3日は全日本プロレスの後楽園ホール。2日はGAORA中継の解説だった。この正月2連戦は1976年から続いているもので、正月恒例行事として定着している。古くからのプロレス・マスコミは最強タッグのテーマ曲『オリンピア』を聞くと暮れを感じ、この正月2連戦で新年を実感するのだ。
 さて、今年の2連戦…2日興行のカズvs渕の世界ジュニア戦は昔のNWA系のアメリカン・プロレスを思い起こさせるオールド・ファッションなものだったし、昨日3日の武藤&船木がみのる&ケアから世界タッグを奪取した一戦は両チームとも奇をてらうことのないタッグマッチとしてオーソドックスなものだった。この2試合は週刊プロレスでも大きく取り上げられると思うので、ここでは違うことを書きたい。
 この2連戦で個人的に印象に残ったのは、まず昨日の第1試合の渕vs中之上。大ベテランの渕がデビュー2戦目の中之上に胸を貸したわけだが、まさに渕教室という試合だった。
 この試合、渕が使った技はヘッドロック、逆エビ固め、ボディスラム、最後の丸込みの基本技だけ。ヘッドロックで動けない中之上に「動け!」の声も飛んだが、どうにも動けない。ヘッドロックは今だとロープに振らせるために使うことが多いが、渕は中之上に使い方によってはギブアップも奪える技だということを戦いを通じて教えていたのだと思う。腰をドッシリ落とした逆エビ固めもしかり。
 昔、冬木弘道さんに「佐藤(昭雄)さんに教わったのはね、技自体はプロレスは誰でも出来るんだって。最初に基本を教わる時にヘッドロックでもアームロックでも何でも、ひとつの技を完璧にこなせるようになったら、どんな技でも出来るって。基本さえ出来れば、あとは応用だから何でも出来るんだって。だから、ともかく何でもいいからひとつできるようになりなさいというのが最初のプロレスだったの」と聞いたことがあるが、昨日の渕はそんな戦い方だった。中之上には一歩一歩、プロレスラーになっていってほしいと思う。
 もうひとつ印象に残ったのは、昨日の諏訪魔&河野vs西村&真田。真田が諏訪魔のラストライドを飛びつき回転足折り固めに切り返して勝利した試合だ。真田は特に体が大きいわけでもなく、自己主張するわけでもなく、どちらかというと個性がない感じだったが、コツコツと自分のプロレスを磨いてきたタイプ。それが昨年の最強タッグから開花してきている。アームドラッグで自分のリズムを作り、相手の先を読んで切り返していくのが基本。体がない分だけ相手に攻め込まれる場面が多いが、それをしのぐ耐久力を付けていて、巧みに自分の間合いで戦っている。そして最後に切り返す。“一発芸プロレス”が多い中、実は真田のプロレスは個性的と言っていいのではないか。今年、真田がどう化けるか楽しみだ。

「全日本プロレス正月興行」への2件のフィードバック

  1. 明日、名古屋の全日に行きますよ!
    渕さん…やっぱり、凄いです…頭が下がります..
    真田選手は僕も期待しています..

  2. 真田は、西村の無我じゃなく武藤のスタイルを継承してほしい 全日は若手が充実してきてるので今後が楽しみです 若手が育って、早く武藤を楽にさせてほしい

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