2009年度プロレス大賞授賞式

 昨日は2009年度プロレス大賞授賞式。授賞者はもちろん、このパーティーでしか顔を合わせない人もいたりして、プロレス界の忘年会的な要素もある。
 MVPの棚橋は「光より速い進化で、うっとうしいほど活躍します」とさらなる飛躍を誓い、「プロレス業界全体を潤わせるのがエース。ベルトは僕がもっていた方がいい」とIWGPだけでなく、GHCも視野に入れた発言を。そのGHCを保持する杉浦は堂々の殊勲賞。IWAジャパンのゴム人形&ハル・ミヤコと絡んだり、アイスリボンの選手たちに囲まれてのキャバクラ状態で「愛してま~す!」ならぬ「愛してくださ~い!」と、報道陣にサービスしまくっていたが、肝心のリング上については「リスクを恐れずに打って出る」と、ノア内では世代闘争、そしてvs新日本を口にした。
 敢闘賞の真壁はネクタイ代わりにチェーンを巻いて表彰を受けていたし、大日本のグレート小鹿社長が「最高だにぃ~!」と、ベストバウトの表彰を受ける伊東と葛西を自らカメラを持ち出して熱写している姿は結構感動的だった。ちなみに伊東と葛西はクリスマス仕様にデコレートされた蛍光灯、有刺鉄線バットなどのデスマッチ・アイテムを持参。
 最優秀タッグ&新人賞の2冠に輝いた浜は、自ら「新人の演歌歌手みたいっス」と言う派手な紫のスーツに身を包んで汗をフキフキ。その他、技能賞の飯伏を祝福するためにヨシヒコも正装して列席。女子プロレス大賞のさくらは二の腕をバッチリ露出したドレスで婚活に励むなど、あちらこちらで楽しい場面が見られた。
 中には「プロレス大賞の選考とは価値観が違う」とする選手や団体もあるかもしれない。でも、どうあれ人に評価されるのは悪い気分ではないと思う。受賞選手たちの嬉しそうな顔を見ていて、改めて選考委員の重みを感じたし、選考委員をやれてよかったと思った。結果については人によっていろいろ意見があるだろうが、私自身は選考会に至るまで年間125大会取材した上での主張をぶつけたし、他の選考委員も1年間の取材に裏打ちされた意見をぶつけた末で各賞だから、そこに誇りはある。
 来年も責任と誇りを持って選考会に臨みたいと気持ちを新たにした昨日の授賞式だった。

いよいよ明日発売!

 Gスピリッツ第14号が明日16日に発売になる。今回の総力特集は第5号に続いて東京ドーム第2弾。東京ドームにおけるプロレス興行とは何なのか? その華やかな舞台裏では何が起こっていたのかを多角的に検証している。
 私が担当したのは、まず長州力インタビュー。長州は新日本の現場監督として強烈なリーダーシップと斬新な発想&手法で90年代の新日本黄金期を構築し、東京ドーム大会をクリエイトした。今回のインタビューでは、そもそも現場監督の仕事は何なのか、どうやって東京ドーム興行を作ってきたか、方向性を巡るアントニオ猪木との暗闘など『現場監督・長州力』に絞って話を聞いてみた。かなり深いところまで語ってくれたと自負している。
 新日本・東京ドーム興行の最大のヒット作と言われる新日本vsUインターの全面戦争は、第5号では当時の新日本・永島勝司企画部長、Uインター・鈴木健取締役に舞台裏を語ってもらったが、今回は敢えてレスラーの立場としてUインターの中でもUスタイルに頑なにこだわった金原光弘に話を聞いた。Uサイドの選手の当時のナマの感情を聞けば、なぜあの全面戦争があそこまでヒートアップしたのか、改めてわかると思う。
 長州現場監督以後の新日本としては、マッチメーク委員会委員長を務め、のちに全日本のマッチメーカーとして武藤・全日本のパッケージ・プロレスの基礎を作った渡辺秀幸氏にインタビュー。プロ格路線と純プロレスのはざまで猪木と戦った渡辺氏の苦悩、ノアとの交流戦、全日本に移ってからのW-1についてなど、純粋なフロントの立場の証言は新鮮だ。
 そして91年に2回、東京ドーム興行を行っているSWS。ここでは派閥争いの中でマッチメーク、現場監督として全体を仕切っていたザ・グレート・カブキに証言してもらった。歯に衣着せぬカブキだけに、今回も過激発言の連発になった。
 とりあえず、読んでみて下さい!

1年の成長を証明した真田聖也

 昨日は後楽園ホールで全日本プロレスの09年最終興行。ラストは恒例の『ファン感謝デー』だ。ここでの目玉は武藤敬司&神奈月のW武藤のF-1防衛戦。天山広吉&原口あきまさを破って初代王者になったのが06年の感謝デーだから、実に3年間も王座を保持していることになる。すでに8度目の防衛戦。防衛戦をやるたびに試合のグレードはもちろん、お笑い芸のグレードもアップしているだけに毎回ハードルが高くなるのだが、そこに現れた挑戦者・越中詩郎&ケンドーコバヤシのW越中は強敵だった。
 一本気のド演歌ファイター越中の振り幅の大きさをナメちゃいけない。09年はハッスルでバリバリやっていたからエンターテイナーとしても一流だ。神奈月の様々な挑発に「そんなことやれるか、バカヤロー」と言いながらも、ケツ星人、赤フンになってのケツでの箸割りに挑戦して大コールを浴びた。ケンコバも「越中さんのモノマネだけじゃないって!」とパンフレットに載っている田上のポーズ写真のマネ、SWS時代の石川敬士の相撲タックルと全日本時代の相撲タックルなどマニアックなネタを披露。過去のF-1の中でも、かなりレベルの高い試合(?)をしてくれた。
 オープニングは船木誠勝vs菊タローの異次元対決。試合前に「あまり変なことをしたら、覚悟して下さい。殺ります」というクールな船木のVTRにドッと沸く後楽園。そこにあろうことか、菊タローはヒクソン・グレイシーのテーマに乗り、1・2後楽園でデビューする練習生・中之上靖文を先頭に2人だけのグレイシー・トレインで入場。試合が始まればヒクソン流の構え、さらにコーナーで膠着…と「変なこと」を次々に繰り出した。ある意味、リスクをおかしてファンが望む絵を作る菊タローはプロだ!?
 船木は菊タローの“お笑い”への誘いにまったく表情を変えない。いや、キラー顔。これまたファンが望んでいた展開だ。でも浴びせ蹴りから腕十字で勝利した船木はリングを降りる際にちょこっと笑みを。そんな船木も魅力的だった。今回の菊タロー戦はきっと武藤から船木に対する謎かけであり課題。2010年もプロレスラー、船木誠勝に期待したい。
 メインは諏訪魔&征矢vs河野&真田という全日本次代を担う者たちのシリアスな真っ向勝負。結果は諏訪魔が真田をラストライドで押さえたが、私的に一番光って見えたのは真田である。
他のメンバーは馬力、気迫、若さ、パワーを剥き出してファイトする。だから一瞬のインパクトはあるが、はっきりいって単調であり、単発だ。ところが体力的に劣る真田は攻めている時はもちろん、守勢に回った時も自分のリズム、間合いで試合をしていた。目立たないようでいて、真田はちゃんと試合をコントロールするのである。つまり真田がいることによって試合が転がっていたという印象を受けた。
 性格的におとなしいし、体も細かった真田だが、大きな武器を持っていなかった分だけ、他の人間にはないものをきっちりと身に付けていた。体もナチュラルに大きくなった。最強タッグでは鈴木みのるから勝利も奪っている。それも単なる金星とは言えないのではないか。
 その最強タッグでは鈴木から金星を奪った直後にインフルエンザを発症して途中棄権になってしまったが、09年ラストマッチでこの1年間の成長をきっちりと見せつけてくれたと思う。

楽しませ、そして魅せた!

 昨日は稔の15周年記念パーティー後はみちのくプロレスの後楽園ホール大会へ。もはや年末恒例となった決着なき宇宙大戦争だ。会場は試合前から出来上がった雰囲気。やはり「面白い!」ということが伝われば、ファンは会場に足を運んでくれるし、最初から楽しもうとしてくれる。いきなりハッピーオーラが充満する大会になった。
 冷凍されたウルトラマンロビンを救うためにウルトラ・サスケ・タロウに変身したサスケ。そのサスケのパートナーを買って出たのは、これまたウルトラ仕様のコスチュームに身を包んだ獣神サンダー・ライガーだ。著作権的に大丈夫かというギリギリのところだが、ここで佐藤秀&恵が投入したのが鉄腕アトムの巨大な模型。ウルトラマンとアトムのコラボはかなりヤバイぞ。でも佐藤兄弟は「これはアトムじゃねぇ、鉄腕だ」とキッパリ。
 そして、この鉄腕がライガーにチョークスラムやラムジャムを決めるなど、DDTのヨシヒコ並みの大活躍。期せずして鉄腕コールが起こった。逆にサスケが鉄腕にミサイルキック、ライガーが掌打を見舞うと大ブーイングに。この鉄腕、最後は和桶を被ったサスケのスワントーンボムでバラバラに破壊されてしまった…。
 試合内容を書いていたらキリがないので割愛させていただくが、この試合は『新春かくし芸』ならぬ、サスケと佐藤兄弟による『年末かくし芸』。これにライガーも中途半端ではなく徹底して乗ったから、お客さんは心底楽しめたのではないかと思う。
 今年も期待を裏切らなかった宇宙大戦争。だが、その後のメインの拳王vsフジタ“Jr”ハヤトの東北ジュニア戦が素晴らしかった。
 昨年3月のデビューながら9・5矢巾大会でハヤトから東北ジュニアを奪取した拳王。24歳の王者と23歳の前王者の激突は、今現在のみちのくプロレスの姿でもある。宇宙大戦争とは一変、打撃とサブミッションによるピリピリした攻防戦になった。
 図式的に見れば正規軍の拳王がベビーフェースで、九龍に所属するハヤトがヒールということになるが、東京のファンはハヤトを後押し。東京の会場の空気に慣れていない拳王はファンの反応が気になる様子で緊張気味。一方のハヤトはファンを掌に乗せる。このあたりのキャリアの違いは明白だった。
 だが、試合に勝ったのは拳王。体が大きいだけに打撃の1発1発の威力が違う。決め手となったのは25分過ぎの顔面パンチ! キャンバスに崩れ落ちたハヤトは左目付近から出血。その後のジャーマン、ハイキックは駄目押しに過ぎなかった。
 この顔面パンチで後楽園ホールは大ブーイング! 粘るハヤトに焦りを感じたのか、ファンの反応に苛立ったのか…明らかに反則ではあるが、これも拳王の若さと闘志の暴発だったに違いない。
 この若い2人には「お前だけには負けたくない」「お前には勝つ」というライバル意識がある。それが時には暴発することもあるが、それくらいのものがあった方が観ている方も面白い。そこには闘いがあるからだ。
 キャリア1年9ヵ月にして先輩ハヤトへの「俺のライバルに認めてやるよ」という高飛車なマイクアピールで、これまたファンの反感を買った拳王。それでも控室では「9月(の矢巾)とは違う。ハヤトがすげー強くなっていた。面食らいました。頑張っていかないと追い越されるかもしれない」と危機感を語っていたのが印象的だった。
 昨日のみちのくプロレスは宇宙大戦争で楽しませ、拳王vsハヤトのシビアな闘いで魅せてくれた。改めてプロレスは幅が広いジャンルであることを実証した大会だった。
PS.本日、後楽園ホールで行われた全日本プロレスの『ファン感謝デー』については明日アップします。また、1月11日の若林アナvs天龍のトークイベントですが、主催者側から「確認したところ、ぴあの受付公演ジャンルはレジャーではなく、イベントでした」との連絡があったので、ここで訂正させていただきます。

稔の真心

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 昨日の午後、稔のデビュー15周年記念パーティーが横浜市内で催された。
 『プロフェッショナル・レスリング藤原組』に入門して94年1月24日、後楽園ホールにおけるマーク・アシュフォード戦でデビュー後、『格闘探偵団バトラーツ』、新日本プロレス、フリーとしてプロレス人生を送ってきた稔だけに、その人脈は広い。ザ・グレート・サスケ、モハメドヨネ、日高郁人、藤田ミノル、垣原賢人、井上亘、田村潔司、澤宗紀、竜司ウォルター、田村和宏、AKINO、全日本のブードゥー・マーダーズの仲間のTARU、ヘイト、鈴木健Uインター元取締役、パンチ田原氏…などなど、幅広いメンバーが稔を祝福。また金本浩二、獣神サンダー・ライガー、真壁刀義、船木誠勝、全日本プロレスの内田取締役、ドラゴンゲートの岡村隆志社長らからお祝いの花が届いていた。
 家に帰って引出物を見てビックリ。それが写真のグラスだ。グラスの底に『絆』の文字、そして出席者の名前が入っている。これはグラスリッツェンと呼ばれるヨーロッパの伝統工芸で、当然、ひとつひとつ手彫り。グラスリッツェンをやっていたことがあるという私の妻も「これは貴重な物ね!」と感激していた。稔は来てくれた人のそれぞれに、その人だけのお土産を用意していたわけだ。
 普段はツンデレのキャラで、すっとこどっこいな稔だが、こういうところに素顔が出る。まさに素の稔の15年間の感謝、真心が込められているグラスである。
 稔、改めて15周年おめでとう! 来年もまた全日本のGAORA中継の解説等でお世話になると思うのでよろしく!

来年1月11日に若林アナvs天龍実現

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 8月22日に若林健治アナウンサーのトークライブ『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!!~その二~』にゲストとして呼んでいただいたが、来たる2010年1月11日(月=祝)に中目黒GTプラザホールで開催される第3弾のゲストが天龍源一郎に決定したのでお知らせ!
【開催日時】
2010年1月11日(月・祝)
開場17:30/ 開演18:00(20:45終了予定)
【会場】中目黒GTプラザホール
東京都目黒区上目黒2-1-3 中目黒GT内地下1階
http://www.persimmon.or.jp/know/hall_nakame.php
【会場アクセス】
東京メトロ日比谷線 東急東横線中目黒駅より徒歩1分
※会場には専用の駐車場はありません。中目黒GT内地下にある有料駐車場をご利用ください。
【主演】若林健治(フリーアナウンサー)
【ゲスト】天龍源一郎
【MC】less(MARS16)
【チケット料金】2900円
※前売・当日共に同じ(前売り特典あり)/全席自由(整理番号付)
※当日券の販売は、開場と同時刻になります。
【前売り特典】
特別席で実況が聞ける権利を賭けた、抽選会に参加できます。
席種は以下の2つです(いずれも1席のみ)。
・SWS(スペシャル・ワカバヤシ・サイド)…若林アナの真横
・STS(スペシャル・テンリュー・サイド)…天龍選手の真横
【前売りチケット・購入方法】
チケットぴあ(Pコード 616-435)
・ホームページ http://pia.jp/t
・電話予約 0570-02-9999(公演ジャンルは「レジャー」です)
※12月1日発売開始/2010年1月10日販売終了
 この日、私はサムライTV『S-ARENA』の収録ですが、その前に「Xで~す!」と“乱入参戦”するかも…!?

ライダーの涙、みのるからの餞別

「金曜夜8時の金八トリオ、昭和の時代は終わったんだよ! 俺と高山が相手してやる。これぞ、お前らが言うストロング・スタイルだろ!」(鈴木みのる)
「昭和の時代が終わったことをわからせてやる。今のプロレス界、てめぇらがこうしたんだろ!?」(高山善廣)
 昨日のリアルジャパン後楽園大会のメインは初代タイガーマスク&藤波辰爾&長州力のレジェンド・トリオと高山善廣&長井満也&関本大介の激突。藤波が関本を足4の字固めで下した直後に鈴木みのるがリングイン。冒頭のアピールとなった。2010年はリアルジャパン・マットも世代闘争に突入することになる。
 さて、昨日の大会で私の印象に残ったのは仮面シューター・スーパーライダーと、セミの鈴木みのる&スーパー・タイガーvsザ・グレート・サスケ&和田城功におけるみのると和田の攻防だ。
 ライダーは9ヵ月ぶりに怪我からの復帰戦。ここまで時間がかかったのは怪我はもちろんだが、6月13日の三沢さんの事故があったから。試合後のマイクで自ら喋ってしまったから書いてしまうが、ライダーは足利工業大学附属高校のレスリング部で三沢さんと同期。ライダーが主将で三沢さんは副主将だった。高校卒業後、三沢さんは全日本プロレスに入門。ライダーは佐山聡のスーパータイガージムに入って修斗の道に進んだが、プロレスも好きでマスクマンとしてプロレスラーにもなった。
 ライダーの復帰に時間がかかったのは「あいつがここまで愛して大切にしたプロレスを中途半端な気持ちでやれない」という想いがあったからだ。
 ようやくカムバックを決意し、第2試合でチーム太田章の山本裕次郎と対峙したライダーは全身から闘志を発散させ、腕ひしぎ十字固めで勝利。そしてマイクを握った。
「再び9ヵ月ぶりにリングに上がる勇気を与えてくれた素晴らしき友に感謝し、祈りを捧げたいと思います。彼は、プロレスは単なるエンターテインメントじゃない、男の真剣勝負であるということを命懸けで教えてくれました。僕はタイガーマスクのように望まれてマスクマンをやっているわけではありません。仮面ライダーになりたいという気持ちを投影した自己満足でした。でも、友が与えてくれた命懸けのメッセージに自己満足じゃなくて、魂をもってこたえていきたいと思います」
 さらに言葉を続けた。「三沢光晴という偉大なプロレスラーの名前を決して忘れないで下さい!」
 ここまで喋ってしまえば、正体を明かしたも同然。だがライダーはそれを承知で三沢光晴への想い、プロレスへの想い、これからの決意を涙ながらに語ったのだ。ライダーは本当に三沢光晴を、プロレスを好きなんだと思う。三沢さんと同い年だから今年で47歳。それでも仮面のヒーローとしてリングに上がり続ける覚悟を決めたライダーの今後を見つめていきたい。
 セミでは1・17後楽園の大谷晋二郎戦で引退するリキプロの和田がみのるに向かっていった。和田は03年7月デビューだからキャリア6年半になるが、そのほとんどは怪我との戦いだった。私は彼の練習熱心な真面目な性格、そして真っ向から相手に向かっていく武骨なファイトが好きだ。
 そんな和田にとって、みのると一戦交えることはレスラー人生で大きなメモリアルになるはず。試合前からみのるに突っかかる和田。これに対してみのるは先発を買って出たかと思いきや、和田に触れずにスーパー・タイガーにタッチ。以後もまるで「お前みたいなハナクソは相手にしてねぇんだよ」とばかりに和田が出てくるとスーパー・タイガーに任せる展開が続いた。
 だが、やはりみのるはみのるだった。終盤には和田が仕掛けたチョップ合戦に応じ、さらに和田のサソリ固め、ラリアットを真正面から受け止めた上でスリーパー、そしてゴッチ式パイルドライバーでグサリとキャンバスに突き刺して試合を決めたのである。
 これはみのるなりの志半ばで去らざるを得なくなった者への餞別だと私は受け止めた。やっぱりみのるは“世界一性格の悪いイイ奴”だと思う。
 惜しむらくは、和田が試合の中盤で左足を負傷して全力を出せなかったこと。1月17日、最後のリングには万全の状態で上がって、悔いのないラストマッチをやってくれることを願う。

発表!Gスピリッツ第14号の表紙&主な内容

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 12月16日(水)に発売されるGスピリッツ第14号(定価1200円)の表紙と主な内容をお知らせします。
 今回の総力特集は第5号に続く東京ドーム特集第2弾。前回は東京ドームにおける新日本プロレスと他団体の対抗戦にメスを入れたが、今回はガラリと違う形で東京ドームにおけるプロレス興行とは何かを検証している。
 リングに上がって試合をするレスラーだけでなく、現場監督、ブッカー&マッチメーカー、テレビ関係者など、多角的に取材した。それぞれの視点を知ることで東京ドーム興行、プロレスそのものの深さを知っていただけると思う。
【東京ドーム特集】
長州力が明かすヒット商品の仕掛け方
Uインターが新日本に突きつけた「本気」
猪木vsマッチメーク委員会 その思惑と駆け引き
武藤・全日本はW-1で何を目指したのか?
日本テレビから見た社長・三沢光晴の素顔
ブッカーが振り返るSWSの栄華と没落
藤原組で試運転された「秒殺の格闘技」
幻のUFC進出 横綱・北尾vsグレイシー
【ロングインタビュー】
石川孝志
【特別企画】
追悼――剛竜馬
【実録・国際プロレス】
初代リングアナウンサー=長谷川保夫
【クローズアップ】
AWA概史――前編 バーン・ガニアの時代
ウルトラマン悲話

2009年度プロレス大賞選考会報告

 昨日8日正午より行われた2009年度プロレス大賞選考会の経緯と、各受賞者をここで発表させていただこう。選考は東京スポーツ新聞社運動部専門委員の柴田惣一氏を選考委員長、脚本家の内館牧子さんを特別選考委員として東スポのプロレス担当記者、同社写真部、同社電子メディア室、サンケイスポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツ、東京中日スポーツ、日刊スポーツ、報知新聞の各プロレス担当記者、週刊プロレスの佐久間一彦編集長、プロレス評論家の菊地孝氏と門馬忠雄氏、サムライTVキャスターの三田佐代子さん、そして私の27人で行われた。
【最優秀選手賞=MVP】棚橋弘至
 去年の受賞者・武藤敬司のような圧倒的な存在感を示したレスラーがいなかった今年は難航が予想された。実際に「該当者なし!」という厳しい意見も出たが、そんな中で多くの支持を集めたのが棚橋。G1で怪我をして下半期は空白ができてしまったものの、現在の新日本を支えているのは棚橋であり、彼の明るい存在がなければ新日本の存在感がないという意見も。もちろん、常に高いクォリティーの試合をしているというのも支持率の高さにつながった。
 対抗馬として挙がったのは12・6日本武道館で潮﨑からGHCヘビー級王座を奪取した杉浦貴。その快挙だけでなく、新日本1・4東京ドームからの活躍、ノア内においても活況を呈したジュニア戦線に負けない存在感を示していたことが評価された。三沢さんの悲しい事故があった中で負のスパイラルを断ち切るように新日本に出陣し、他の選手が三沢さんの影を振りきれない中で力強い一歩を踏み出したこともノミネートされた大きな要因だった。
 最終的には棚橋=22票、杉浦=5票で棚橋がMVPに。私は選考会前から決めていた通りに棚橋に1票を投じた。
【年間最高試合賞=ベストバウト】伊東竜二vs葛西純(11・20後楽園ホール=カミソリ十字架ボード+αデスマッチ)
 ベストバウトは①棚橋vs中邑(2・15両国)②棚橋vs後藤(5・3福岡)③棚橋vs中西(5・6後楽園)④プリンス・デヴィットvs飯伏(6・14後楽園)⑤中西vs棚橋(6・20大阪)⑥真壁vs中邑(8・16両国)⑦武藤&船木vs蝶野&鈴木(8・30両国)⑧中邑vs棚橋(11・8両国)⑨伊東vs葛西(11・20後楽園)⑩武藤&船木vs諏訪魔&河野(12・1後楽園)と、実に10試合が挙がった。
 裏を返せば、各選考委員に共通してインパクトがあった試合が少なかったということでもある。ちなみに私がノミネートしたのは武藤&船木vs諏訪魔&河野。その理由はこれまでダイアリーで書いてきている通りだ。
 第1回の投票で残ったのは6・20大阪の中西vs棚橋と11・20後楽園の伊東vs葛西の2試合。中西vs棚橋については、中西がIWGPを奪取した5・6後楽園&棚橋が王座奪回を果たした6・20大阪の2試合がノミネートされたが、雰囲気的によかった後楽園よりも、中西が野人パワーを大爆発させ、なおかつそれを棚橋が制した大阪の方が純粋に試合として上だったということで大阪の試合が支持された。
 そして決選投票の結果は中西vs棚橋=13票、伊東vs葛西=14票の1票差で伊東vs葛西に凱歌。残念ながら伊東vs葛西を観ることが出来なかった私は、テレビで観ていた中西vs棚橋に1票を投じたが、伊東vs葛西については「今年のプロレスでこれだけ観客が熱狂した試合は他にない」と断言する選考委員もいたし、カメラマンの支持も多かった。デスマッチがベストバウトに選ばれたのは90年度の大仁田厚とターザン後藤のノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ以来のこと。団体や選手の格、試合形式に関係なく選ぶのがプロレス大賞選考会の姿勢だ。
【最優秀タッグチーム】曙&浜亮太
 ここでノミネートされたのは健介&森嶋、田口&デヴィットのApollo55、曙&浜、金丸&鼓太郎の4チーム。私は昨年の夏にGHCジュニア・タッグ王者になって現在も保持、さらにはジュニア・タッグリーグ戦にも優勝した金丸&鼓太郎をノミネートしたが、曙&浜が22票と圧倒的な支持を集めて1回目の投票で栄誉を勝ち取った。
 あのサイズとインパクト、会場人気、そしてアジア・タッグ王座を奪取した実績とプロレスに取り組む姿勢…あらゆる面で高い評価を受けた結果である。大相撲の横綱審議委員も務める内館さんが元横綱・曙の頑張りがこういう賞という形になって笑顔を見せていたのが印象的だった。
【殊勲賞】杉浦貴
 MVPには及ばなかったものの杉浦、潮﨑、真壁、中邑と、今年活躍したメジャー選手がノミネートされたが、他にドラゴンゲートの土井成樹をノミネートする委員も。これは私も嬉しかった。今年のドラゴンゲートは不祥事もあったが、土井は1月に鷹木からドリームゲート王座を奪取して金本、曙、CIMAら相手に7度の防衛に成功している。私も駄ダメもとで、どこかでノミネートしようと思っていたのだ。
 さて、投票ではMVPを逃した杉浦が21票で圧倒的勝利。私自身は選考会前から杉浦にするか潮﨑にするか迷っていたが、ここはあえて潮﨑に票を入れた。地上波放映打ち切りの噂が流れ始めた時期に凱旋帰国してノア・マットにフレッシュな空気を持ち込み、タッグリーグ優勝、三沢さんが急逝した翌日にGHC王座を奪取して年末まで走ってきた頑張りを形にしてあげたかったからだ。もちろん杉浦の殊勲賞は納得。潮﨑のレスラーとしての正念場は来年以降である。
【敢闘賞】真壁刀義
 このあたりから混沌としてくる。私は新日本のスーパージュニアでベスト4進出、ノアのジュニア・タッグで準優勝、DDTの両国初進出のメインを務め、その一方ではヨシヒコとの試合、キャンプ場プロレスと幅広くプロレスの可能性にチャレンジした飯伏を支持した。その他には、DDTという団体を両国にまで進出させた高木三四郎も「今のDDTがあるのは、髙木が観客との勝負に勝っているからだ」と名前が挙がり、さらに受賞した真壁、WWEで活躍するヨシ・タツ(山本尚史)、丸藤から世界ジュニアを奪取し、チャンピオン・カーニバルで階級の壁を越えて準優勝、さらに全日本の若手を育成するカズ・ハヤシ、総合格闘技でしか試合はしていないが「俺はプロレスをやっている」と主張してミノワマンをジャーマンで破り、師匠の石沢常光も撃破した柴田勝頼の名前も挙がった。
 最後は飯伏と真壁の決選投票になって、飯伏=13票、真壁=14票の1票差で真壁が受賞。
 私は飯伏に票を入れたが、もちろん今年の真壁の活躍も十分に評価している。彼の下積み時代も見ているし、ベビーとヒールの区分けを超越したファンの支持、G1初制覇は素晴らしいと思う。心から真壁を祝福したい。
【技能賞】飯伏幸太
 正直、飯伏が敢闘賞から漏れたことで私の目算は狂った。私の中では殊勲賞=飯伏、技能賞=カズ・ハヤシだったのだ。
 ここに名前が挙がったのは殊勲賞から漏れたカズ、飯伏、高木、さらに日高、土井、船木。私は飯伏に何か賞をあげたかったと思いながらもカズに投票した。結果は飯伏が17票を集めて初受賞。おめでとう!
【新人賞】浜亮太
 最優秀タッグチームを受賞した浜、大日本のデスマッチでブレイクしたSTYLE-Eの竹田誠志の名前が挙がった。結果は私も票を投じた浜が25票を獲得してダブル受賞。相撲出身でアンコ型で成功した人間がいない中でその巨体をフルに活かしたファイト、存在感、プロレスへの姿勢が評価された。私的には、その体型から出来ることが否応なしに制約される中で、浜のタイミングや間の良さも評価しての1票だった。
【特別功労賞】三沢光晴
【功労賞】松永高司(全日本女子プロレス元会長)、テッド・タナベ(レフェリー)
【女子プロレス大賞】さくらえみ
 03年の浜田文子以来、該当者なしが続いていた女子プロレス大賞。あまり女子プロに明るいとは言えない私だが、自分なりに1年間を見てきてノミネートしようと思っていたのが、さくらえみ。そして選考会で真っ先にさくらの名前を挙げたのが週プロの佐久間編集長だった。これを三田さん、私がバックアップする形になった。
 アイスリボンを立ち上げ、当初は「子供をリングに上げている」などという批判的な声もあったが、きちんと選手を育て上げて後楽園ホールにも進出した。まだ道場がなかった時代、長州力の取材のためにリキプロ道場に行ったところ、出稽古に来ていたアイスリボンの選手たちと出くわしたこともある。「こういう努力しているコたちを応援してあげてよ」と長州は言っていたものだ。
さくらはレスラーとしても今年はNEO二冠統一王座、JWPタッグ&デイリースポーツ女子タッグ王座を獲得したし、対戦相手やパートナーも光らせるセンスも素晴らしい。
IWAジャパン、LLPW、FMWでファイトしていた元川恵美時代を知っている者としては、今回の受賞は感慨深いものがある。

情報解禁は9日午前6時以降です!

 今、プロレス大賞選考会から帰宅したところ。難航が予想されたが、2時間弱で各賞が決定した。
 さて、午前0時過ぎには選考会の経緯を報告すると書いたが、情報解禁はスポーツ各紙の朝刊、ネット系は9日午前6時とのことだったので、それ以降に早速、ダイアリーでアップしたいと思います。明朝までお待ちを!