本気のFMW復活

 火曜日の午前10時過ぎ、ターザン後藤から電話がかかってきた。
「実は明日、FMW復活の記者会見をやるんです。ぜひ、小佐野さんにも来て頂きたくて…」
リング上の“鬼神”とは違って、素顔の後藤は昔から律儀な男。特に報道する媒体がない私にわざわざ連絡してきてくれたのだ。思えば平成元年、私はかつてテネシーで世話になった縁で大仁田厚の新団体立ち上げに関わった。それがFMWだった。その旗揚げに参加するため、フロリダから帰国した後藤。その時が彼との約4年ぶりの再会だった。後藤は85年11月にアメリカ武者修行に出発したが、それは唐突に決まったもので、「飲みに行こうよ」と約束してから1週間も経たないうちの渡米だった。つまり飲みに行く約束が果たせたのは、4年後のFMW設立時だったというわけだ。
 さて、昨日の会見で後藤は12・24新木場で開催する自身の30周年記念興行をターザン後藤一派主催ではなく、FMW再旗揚げ戦にすると明言した。ただ単にFMWを名乗るではなく、来年には法人化する予定で、そのための復活準備委員会を組織。そのメンバーには大会をプロデュースするアーティスト、書籍類等の専属ライターとなる作家、ポスターなどを製作するデザイナー、営業専門のスタッフがいる。そう、後藤は大真面目にFMWを復活させようとしている。
 FMWとなれば、大仁田厚の存在は不可欠。後藤は大仁田にラブコールを送り、12・24新木場でタッグを組みたいとしている。対戦相手については「FMWの歴史の中で一番汚い奴、一番憎まれている奴とやりたいですね。最近、作家気取りで本を書いた奴ですよ。で、腰が痛くてちゃんこ屋を辞めた奴ですよ(笑)」とのこと。つまりは火を噴くアノ男だ。
 後藤が目指しているのは何でもあり…何が飛び出すかわからない昔のFMWの世界。だから12・24新木場では「男の強さと女の華やかさを併せ持つニューハーフの戦いを見せます」という鮎川れいなとキャロットのニューハーフ世界選手権もあれば、総合格闘家・高瀬大樹の異種格闘技戦もある。旧FMW勢としてリッキー・フジ、GOEMONが出場するし、女子プロではミス・モンゴルが木村響子と組んで紫雷姉妹と対戦する。また現在のインディーの好カードとして藤田峰雄vs円華も組まれた。
「昔のFMWのメンバーは徐々に田中とか黒田も含めて上から下まで全部出していきます。昔のFMWを再現しつつ、昔のFMWのように若手を厳しく育てて未来につなげていきたい」と後藤。
 果たして成功するかどうかは今のところ何とも言えないのが正直なところだが、20年前に大仁田がFMWを立ち上げた時も、その成功を疑問視する声の方が多かった。今は後藤の本気を見守るしかない。

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