DDTのネバーランド

 昨日のDDT後楽園は実験の場。KO-D無差別級王者・飯伏幸太がヨシヒコ(人形)の挑戦を受けて「一流レスラーはホウキとでも試合が出来る」という例え話を実際にメインのリングでやってのけたのである。
 セコンドのディーノ&高梨&佐藤光留がどうヨシヒコを操るのかと思ったら…ほとんどがヨシヒコの自力(?)のファイト。まずはロックアップ→ヘッドロック投げ→ヘッドシザースで切り返すという基本的な攻防。その後、ヨシヒコはバックドロップ、ヘッドシザース・ホイップ、パイルドライバー、スーパースイングDDT、さらにはカナディアン・デストロイ8連発! 飯伏の運動神経の良さとプロレス頭が試合を成立させた。
人形相手のプロレスごっこと言ってしまったら、ミもフタもない。それを24分5秒もやって、1346人のお客さんを満足させたのだから、やはり飯伏はタダ者ではないのだ。
 私の感想は…単純に面白かった。ただ、手放しで「素晴らしい!」とは言えない自分もいる。プロレスのひとつとして表現したものではあるが「これもプロレス!」と言ってしまったら、やっぱり違うと思う。それをやったのが、ジュニア・ヘビー級の一流選手として認められている飯伏幸太であり、その舞台がDDTという団体だから成り立ったというのが忘れてはならないポイントだ。
 この日の興行のコンセプトは「ウェルカム・トゥ・ネバーランド」。そう、DDTが構築したネバーランドという独自の世界の中での出来事だからOKだったのである。今年8月、両国進出を成功させたDDTだが、そこに行き着くまでに12年以上もの過程があった。その中でDDTはアイデアを凝らし、徹底的に作り込んだ“文化系プロレス”を作り上げてきた。時間をかけて育まれたプロレスファンとDDTの信頼関係があって初めてこんな実験が出来たのだと思うし、飯伏幸太というレスラーがやったからこそファンは楽しめたのだと思う。これが他の団体、他のレスラーだったとしたら「プロレスを舐めるな!」と批判されて終わっている可能性大だ。
 昨日は他にも、ウルトラマンロビンと組んだ高木三四郎が三四郎ビンセブンに変身し、試合にはダダやゼットンなどの怪獣が乱入。さらに三四郎ビンセブンの救出にゾフィー兄さん(長井満也)が登場と、まさしく大人になれないピーターパンたちのネバーランドそのもののような大会だった。それが茶番にならず、すべてがプロレス愛に包まれていて、会場にいる人全員が心地好い気分になれるのがDDTの良さである。

「DDTのネバーランド」への2件のフィードバック

  1. 昨日は、小3の甥っ子とDDTを観戦していました。
    試合終了後の甥っ子の感想が、あの人形本当は動くんじゃないかって言ってました。飯伏おそるべしですね。

  2. ロビンと宇宙怪獣の戦場と化した記者席から、笑顔で逃げる小佐野さんが印象的でした(笑)
    王道プロレス一筋で来た僕ですが、メインの試合はある意味、年間ベストバウト候補です。
    お客さんを満足させたら、それで勝ちです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です