川田に光明が…

「あることをきっかけにプロレスに迷いが出てきた部分があって。ただリングに上がると迷いのない自分に戻れるし、忘れられる。やっぱり普段から迷いはあってはいけないと思うんで、昔の気持ちに自分を戻らせるように頑張ってみます」
 昨日、ゼロワン後楽園で田中将斗を破って世界ヘビー級王者になった川田利明はちょっと前向きな姿勢を見せた。
 あることとは三沢さんの事故。以来、川田は葛藤を抱えながらリングに上がっている。昨日にしても、決して心身共にベストとは言い難かった。川田のモチベーションは体を見ればすぐにわかる。モチベーションが高まっている時はシェイプされているが、下がっている時は肉がついているのがこれまでの傾向。ここ最近の川田は明らかにウェイトオーバー気味だ。ただ、昨日の試合に限ってはウェイトがあったことが功を奏した。体や技のキレは今いちでも、技のひとつひとつが重くて、それが将斗に確実にダメージを与えたのだ。
 さらに将斗のひたむきなファイトが川田を燃えさせたことも大きい。川田が試合後に「タフなところにはビックリ。あんだけボコボコ入れているに返して起き上がってきた。凄いね、彼は!」と下を巻くほどの気迫のファイト。前後からのスライディングDは“遂に将斗が川田を攻略か!”と思ったほどの決まり具合だった。
 その将斗を攻略してベルトを手にした川田は「もうベルトには縁がないと思っていたんだけどね。たまたま今日は調子が良かったのかもしれないけど、“まだ、出来るじゃないか!”という気持ちが少しは沸きてきた」と白い歯をチラッと見せた。
 このベルトは、かつてニック・ボックウインクル、ジャンボ鶴田、リック・マーテル、スタン・ハンセンが保持していたAWA世界ベルトのデザイン。ジャンボがAWA世界王者になった84年春、川田は一介の若手に過ぎず「鶴田さんの雑用をやっていて、ベルトを運んだことはあるけど、自分の腰に巻くのは初めて」と嬉しそうな顔も。
 まだまだ吹っ切れるところまではいっていないようだが、川田はキャリア的にも武藤らと並んで日本プロレス界を引っ張っていく位置に来ている。これからの若い選手のためにも、三沢さんに代わって業界全体を牽引していく覚悟を1日も早く持ってくれることを望む。

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