自由と信念のもとに

 三沢さんの追悼興行を終えて、ノアは昨日の後楽園が真の意味での新たなスタート。そこで選手たちが繰り広げたのは“自由と信念”に基づくファイトであり、自己主張だった。
 9年前、ノアは「各自が自由に考えて行動すること。ただし、自分のやったこと、言ったことには責任を持つように」という三沢さんの考えのもとで旗揚げした。だが、時間が経過する中で、いつしか固定観念が生まれたと思う。全日本の四天王時代からの伝統である不透明決着なしの試合、相手の技を引き出した長時間の試合というのがノアのセオリーのようになっていた。
 だが、昨日の試合は今までの流れに囚われず、各選手が“自由と信念”のもとに自己主張した大会だったと思う。健介&森嶋の新GHCタッグ王者は彰俊&伊藤相手に圧倒的な強さを発揮して4分17秒で完勝。続くジュニア・リーグ戦公式戦では平柳が金丸を場外無理心中に引っ張り込んだ。KENTAとマルビンのジュニア公式戦は、マルビンの奇襲でスタートし、その結果、わずか1分59秒でKENTAが勝利した。明らかに今までのノアの風景とは違ってきているのだ。
 ジュニア・ヘビー級がリーグ戦による個人闘争なら、ヘビー級は世代闘争。小橋&秋山&田上&多聞にDO軍の力皇&ヨネに杉浦と谷口が合体して挑んだ。新世代の奇襲から始まった試合は、谷口が小橋に、杉浦が秋山に食ってかかる展開に。10・24札幌で驀進十番勝負第6戦として小橋に挑む谷口はチョップにエルボーで対抗し、バックドロップで叩きつけ、完璧なジャーマンを決める気迫のファイト。杉浦は秋山に喧嘩腰で殴りかかった。こうなればベテラン勢も黙っていない。小橋も秋山も、大人気ないくらいムキになって対抗していったから試合はヒートアップ! 秋山と杉浦の絡みでは秋山コールが起こったが、それは杉浦がそこまで秋山を追い込んだ証拠。やはり無血政権交代はあり得ない。こうしたせめぎ合いがあってこそ、プロレスは面白い。
 この日、GHCヘビー級王者の潮﨑はおたふく風邪で欠場となったが、杉浦は試合後に「ジュニアはリーグ戦やってるけど、ヘビー級も負けねぇ!
潮﨑! チャンピオンが休んでんじゃねぇ、こら!」とアピール。
 今のノアは98年夏、三沢革命がスタートした頃のような活気がある。

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