昨日の両国の蝶野正洋25周年記念興行は蝶野のこれまでのプロレス人生の集大成であり、プロレスの一大フェスティバルだった。大会全体については後日、プロレスコラムで書くとして、今日書きたいのはダブル・メインの第1試合で行われた中邑真輔vs大谷晋二郎のIWGPヘビー級戦だ。他の試合がお祭り的要素が強かったのに対し、この試合は闘いだった。大勝負だった。
大谷のIWGP挑戦は、ゼロワンに参加する直前の01年2・28両国以来、実に8年8ヵ月ぶり。大谷はゼロワンと橋本真也を背負って出陣してきた。ゼロワン全選手がセコンドに着き、「大谷」と書かれた大旗を橋本の愛息・橋本大地が振る。熱いシチュエーションが出来上がっていた。
多くのものを背負った熱い男・大谷と、「今のストロングスタイルを見せる」とクールな王者・真輔。対照的に見える2人だからこそ独特の緊張感が生まれ、そして共に光を放ったのがこの一戦だ。
アウェイにもかかわらず大・大谷コールが発生したのは真輔がシビアに攻め立てたからこそ。真輔の非情さがあって、大谷のコテコテでベタベタなプロレスがひときわ光った。そして大谷が大谷を貫いたからこそ、ちょっと理解しづらい真輔流のストロングスタイルも光っていたと思う。水と油が化学反応を起こしたような試合だった。
真輔が中邑真輔であることを際立たせるには、総合的な匂いを持つ相手よりもコテコテのプロレスをやる相手の方がいいというのはひとつの発見。
さて、試合後に新展開が生まれた。欠場していた棚橋が正式に真輔に宣戦布告したのだ。棚橋は「ストロングスタイルは単なる言葉に過ぎない」と言う。価値観が違う者同士が対峙するから面白いのである。
そして真輔は「何がアントニオ猪木じゃ!」と改めて猪木に対して宣戦布告。
これから来年1・4東京ドームに向けて、ストロングスタイルとは何なのかが新日本プロレスの大きなテーマになっていきそうだ。
文句なしのベストバウトでしたね!
大谷選手はこの大舞台でもいつものように顔面ウォッシュ!
スパイラルボムではあわやと思いました。
中邑のスリーパーは猪木さんを意識してるのかな?と思いましたが、深読みしすぎでしょうか?
一瞬スリーパーで決まるのかとも思って、手に汗握りました。
いつ飛んでくるか分からないボマイェも緊張感があっていいですね。
生で観戦しましたが、来て良かったと思いました。