いよいよ10日後!

「王道、それは1本の道、天下の道、山あり谷ありの道。しかし己が信じた道…」(ジャイアント馬場5000試合達成記念試合より)
「プロレスとは裸の詩(うた)、心の詩、漢の詩、涙の詩、魂の詩!」「乾坤一擲!」「鬼か、魔物か、怪物か!ジャンボ鶴田!」「イカ天とは“イカす天龍”のことであります!」「恩知らずのキラーカーン!」「胸突き八丁!」などなど…。
 いよいよ10日後の8月22日(土)午後7時から東京・中野のStudio twlで若林健治アナウンサーのトークライブ『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!! ~その二~』が開催される。そして、そのゲストは何と…私なのだ。
 10日のサムライTV『S-ARENA』でもちょこっと宣伝させてもらったが、改めてここで告知を。
【会場】Studio twl(東京都中野区新井3-16-7 ガーデニア中野地下1階)
【アクセス】JR中央線・中野駅より徒歩約13分/西武新宿線・沼袋駅より徒歩約8分
【チケット料金】2600円
※前売・当日共に同じで、整理番号付の自由席となります。
※ご予約の場合は当日のお支払となりますので、キャンセル時は速やかにご連絡下さい。
【チケットのお求め方法】会場ホームページ(http://www.studio-twl.com/)にあるチケット予約フォームかメール、又はお電話(03-5318-3775)で前売券の予約をして下さい。
※メール、お電話の場合は、御希望の「日にち」「ライブ名」「お名前」「枚数」「電話連絡先」をお知らせ下さい。
※予約フォームまたはメールでご予約をして頂いた場合は、折り返し確認のメールをお送り致します。整理番号も併せてお知らせ致します。
※電話も24時間、留守電にて予約を受け付けています。
※2日以内に確認メールが届かない場合は、お手数ですがお電話(03-5318-3775)にてお知らせ下さい。
■主催者(拷問コブラ)
Email: goumoncobra@gmail.com
※mixiのメッセでもお気軽にどうぞ。
■会場(Studio twl)
Email: info@twl.co.jp
TEL:03-5318-3775
 なお、当日券は予約が定員に満たない場合のみの発売になるので、お早目の予約をおすすめします。
若林さんと私の全日本プロレス1984年同期コンビが本音で喋り倒します! 会場に集まったお客さんしか聞けない、ただ一度きりの若林さんの実況もあります! ご来場、お待ちしています!

GENOME9に見たもの

 リング上に麻生太郎総理、小泉純一郎元総理、さらに北朝鮮の金正日総書記がズラリ! これはもちろん本人ではなく、社会風刺コント集団ザ・ニュースペーパーの面々。衆院選出馬が噂されるアントニオ猪木のパフォーマンスだ。昨日の有明コロシアムにおけるIGF『GENOME9』は、例によって“アントニオ猪木なる世界”に支配された。
 さて、肝心の試合のメインは高山善廣&ボブ・サップvs小川直也&ジョシュ・バーネット。実に豪華なメンバーが揃った。全員190センチ、110キロ以上のヘビー級が揃ったリング上は壮観。だが、実際の試合内容は…。
 試合後、門馬忠雄さんに「やっぱり、この大きさがプロレスの醍醐味だねぇ!」と話しかけられた高山は「風景はWWEの大きな選手に負けないものがあると思いますよ。でも写真で見たら“オッ!”だけど、動いているのを見たら“アーッ…”って感じですかね。それじゃダメでしょ(苦笑)。こんだけの体格の人間が揃って何か出来たらプロレスもカムバックするチャンスがあると思うけど、みんなその意識を持っているのかな? もう一歩じゃなくて、オリンピッククラスのハイジャンプが必要ですよ。諦めちゃいけないね。今後、どういう仕掛けをされるのかわかんないけど、それに乗るのが俺の務めかなって」。
 高山が言うように、もったいない試合だった。正直、プロレスが出来るのは高山だけ。ひとりだけでは試合にならないのだ。
 スイングする試合を見せてくれとは言わない。お互いにタイミングを合わせてくれとも言わない。別に噛み合わないゴツゴツした試合でいいのだ。キレイな受け身を取ってほしいとも思わないし、相手の技を光らせてくれとも思わない。ただ、プロレスの“基本の基”だけは最低限、身に付けてリングに上がってほしいとつくづく感じた。ロープを使ったり、コーナーに振ったりするのなら、せめてリング上の走り方だけでもマスターしてほしいのである。IGFに従来のプロレスを求めないが、どんな競技でも基本はあるはず。それを踏まえないと、どうにも試合に広がりが出ないというのが、昨日のメインを見ての感想だ。
 昨日の試合で面白かったのは第2試合のジョン・アンダーセンとSTYLE-Eの柴田正人のヘビー級対決。アンダーセンの肉体は一見の価値あり。あそこまでの筋肉を見せられると、ステロイド云々なんていうことは吹っ飛んでしまう。もはやサイボーグだ。そして試合もヘビー級のドッカンドッカンとした単純明快なド迫力。いきなりハンマーでの殴り合いから始まり、アンダーセンは125キロの柴田を軽々とサイド・スープレックス。柴田がDDT、投げっ放しジャーマンで反撃してフォールに入ってもカウント2で軽々と吹っ飛ばしてしまう。最後も丸太のような腕からのラリアット、強烈なボディスラム、投げっ放しのラストライド! それこそ“これぞプロレスのヘビー級の醍醐味”という試合だった。
 そしてネクロ・ブッチャーvsタカ・クノウのデスマッチ・ファイターvs柔術家という無茶苦茶なカードも面白かった。あくまでも実直に試合をするクノウに対してネクロはパンチ、噛みつき、鉄柱攻撃、本部席へのスラム、入場用の階段を打ちつけて流血させ、その傷口をひっかく…などのいつも通りのファイト。最後、ネクロがパワーボムを狙ってきたところをキド・クラッチに丸めこんだクノウの切り返しは見事だった。ネクロの反則三昧に耐えて最後はきっちりと決めたクノウが何だか職人レスラーに見えた瞬間だった。

白帯の勇者

 昨日は後楽園ホールでZERO1の『火祭り』決勝。最後の舞台に立っていたのは4連覇を目指していた田中将斗でもなく、大谷晋二郎でもなく、曙でもなく崔領二と佐藤耕平だった。
 Aブロック代表決定戦の4WAYマッチで勝ち残れずに涙した大谷は2人に「心して決勝の舞台に上がってくれ。お前ら2人が、この『火祭り』に参加した勇者たちすべての思いを背負って、思い切り魂と魂のぶつかり合いを見せろ。『火祭り』は絶対に大成功で終わらなきゃいけないんだ」と熱い檄。マスコミには「勝ち残った2人の戦いを見てあげてください」と語った。
 さて試合だが、耕平が左足首を負傷したことで流れが変わった。耕平は負傷もそうだが、明らかに心が折れていた。セコンドに付いた『火祭り』参加選手がそんな耕平に、そして崔に必死に声をかける。その「頑張れ!」という祈りは客席にも伝わり、当事者の崔と耕平にも伝わった。一度は心が折れた耕平もそこから立ち直り、試合は20分を超える消耗戦に。崔が耕平を押さえた瞬間、後楽園ホールにいる全員が一体となった。
 正直、あとでVTRなどで観たら、決していい試合ではなかったと思う。だが、リアルタイムのライブでは最高の空間が生まれた。きっと、そこには大谷が言うところの“プロレスの神様”が降りてきたのだろう。
 優勝した崔は3・29靖国プロレスで世界ヘビー級王者になり、7・1新宿で将斗に陥落するという過程の中で成長し、いろいろ悩み考えるようになった。その中で、今回の『火祭り』に際して、彼の心の中にあったのは志半ばでこの世を去った師・橋本真也、04年10月に急性硬膜下血腫で倒れて現在もリハビリ中の星川直浩だったという。
「そういった方々がいるのに、自分は体が動く。五体満足でプロレスができるのに、これで悩んでいたらおかしいと思ったんです。だったら体がボロボロになってもお客さんの声援に応えるファイトをして、皆さんの元気になれるように頑張りたいです。初心に戻って基本を忘れず頑張っていきたい。心の底から“まだまだ”と思うし、スタートラインに立ったばかりだと思いますよ。責任も重大なんで、これからブーイングを浴びることもあるでしょうけど、それも覚悟してやっていきます。まだまだ僕は白帯レスラーです」
 崔は今年に入ってトップに立ったことで、その重さを知り、謙虚になった。その心意気はいい。だが、ZERO1の現状を考えると、いつまでもスタートラインに立ったままではいられないし、白帯のままでもいられない。白帯の真っ白な心はそのままに、力強く踏み出してほしい。あと1ヵ月もしないうちにキャリア丸8年。時代を引き寄せる正念場の時期に来た!

いざ両国へ!

 昨日は後楽園で全日本プロレスのジュニア・ヘビー級リーグ戦最終日。優勝したのは近藤修司だった。「もう一度、絶対王者に!」と近藤。振り返れば近藤は、05年10・22後楽園でTAKAみちのくのV13を阻止して第23第世界ジュニア・ヘビー級王者に君臨。以後、07年2月17日の両国で中嶋勝彦に敗れるまでドラゴンドア所属だった石森、AKIRA、MAZADA、カズ、論外相手に5回の防衛に成功して“ジュニアの絶対王者”と呼ばれた。特に06年8・27両国でのカズとの防衛戦はベストバウトだった。昨年11・3両国で当時の世界ジュニア王者・丸藤に挑戦した試合は昨年度のプロレス大賞ベストバウトにもなっている。そうした経緯を経てのカズvs近藤の最高レベルの世界ジュニア戦が両国で実現するのは必至だ。
 昨日は両国で行われる武藤&船木vs蝶野&鈴木、高山vs諏訪魔の三冠戦のダブル前哨戦として武藤&諏訪魔vs高山&鈴木のタッグマッチも行われて30分時間切れに。印象としては武藤と鈴木はコンディションも良く、すべての面で研ぎ澄まされている感じ。この2人にブランクのある船木、そして蝶野がどう絡んで行けるかが、試合の良し悪しのカギになるような気がする。
 三冠戦については、諏訪魔の体と心がまだアンバランスな印象を受けた。肉体改造中で現在は120キロから108キロに。絞った上で筋肉をつけていくというが、まだ改造途中だし、その新たな体をコントロール出来ていない感じ。精神的には充実しているが、体がついていっていないのだ。その向こう気の強さと荒削りなナチュラル・ファイトで高山を押し切れるのか!? 現時点では王者優位は揺るがない。
 その他、両国では小橋建太の9年ぶりの全日本マット登場が決定。小島&KAI&大和のF4と6人タッグでの激突が濃厚。また長州との遺恨決着戦をアピールしていた西村に、3・14両国で長州のラリアットで苦汁を舐めた征矢がパートナーを志願。これが受け入れられて西村&征矢vs長州&越中が正式決定した。
 8・16霞ヶ浦で開幕する8月シリーズでも当然、両国に向かってのアクション&トッピングがあるだろう。夏休み最後のビッグマッチとなる8・30両国はオールスター戦的なムードが出てきた!

屋外プロレス

 8月2日の日曜日は後楽園の健介オフィス興行の後はノアの汐留街頭プロレスへ。雨が降ったりやんだりのあいにくの天気だが、1700人ものお客さんが集まった。第1試合は鼓太郎vs石森、第2試合は金丸vsマルビンという動きが速いジュニア・ヘビー級の試合、第3試合はヨネvs谷口でヘビー級の迫力を見せるという考えたマッチメークだ。メインは潮﨑&伊藤vs小橋&KENTAのタッグマッチ。GHCヘビー級王者=潮﨑、白GHC王者=小橋、GHCジュニア・ヘビー級王者=KENTAという3大シングル王者揃い踏みという豪華カードを提供した。通りすがりに初めてプロレスを観たという人も少なくないはずで、こうした地道な普及活動は本当に大事だと思う。
 振り返れば、私が週刊ゴングの全日本プロレス担当記者をしていた時代には夏になると屋外での試合が多かった。青果市場、駐車場、広場、スーパーの屋上など、様々な場所で試合が行われた。
 外ともなれば取材する者にとっても非日常空間だけになぜかテンションが上がったものだ。照明に虫がたかり、選手の口の中に蛾が入っちゃったりする。場外乱闘でもしようものなら泥だらけだ。そして雨が降ると観客も選手も記者&カメラマンも異常に興奮してしまう。選手やカメラマンが雨に濡れながら仕事をしている以上は記者だって傘をさすわけにいかない。リングの上をバッタが飛び跳ね、選手たちはリングが滑るから、自然とパンチやチョップの打撃戦になる。しかも雨に濡れた体はバッシーンといい音が出るし、水しぶきが飛ぶから凄い迫力。それを観てお客さんも燃えるのだ。
 私が感心していたのは、たとえ外の試合で土の上を歩いて入場という状況でも馬場さんは普段の試合と同じように必ず豪華なガウンを着ていたことだった。
 森喜朗元首相が新日本、全日本、ノアの3団体首脳を呼んだ時に「プロレスはスポーツなのか、興行なのか?」と質問したというが、私はスポーツであると同時に興行だと思っている。今は経費の問題等で地方巡業というのはなくなりつつあるが、昔は取材に行ってホテルを探すのに苦労するほどの田舎町でもプロレスは行われていた。でも、そんな場所でお客さんが大喜びでプロレスを観る姿に「やっぱりプロレスは大衆娯楽。難しい理屈は抜きにして、これがプロレスの本来の姿なんだよな」と思ったりしたものだ。
 それは夏の屋外プロレスも同じ。テントが張られ、イカ焼き、焼きそば、お好み焼きなどの屋台が並び、お祭りのような中でプロレスの試合が行われる。そんな空気が好きだった。きっと、そこに観に来た子供たちは、大人になっても憶えていると思う。
 プロレスはいつまでも大衆に根付いたスポーツ・エンターテインメントであってほしいと思う。

栄養の素

 健介オフィスの主催興行『Take The Dream』が昨日で10回目を迎えた。2年半前の07年2・11ディファ有明における第1回大会=旗揚げ興行の時には所属選手が健介と勝彦の2人だけしかいなかった。翌08年2・11後楽園ホールでの1周年記念では所属選手が2倍に! とは言っても、起田と健斗がデビュー戦を行っての4人だけ。本当に小さな団体なのだ。
 昨日の第10回大会では17歳の白石健太郎がデビュー戦を行う予定だったが、体調不良のためドクターチェックを行ったところ、ドクターストップがかかって延期に。現在、検査入院しているものの、実際には食欲もあり、元気だそうだが、北斗は「人様の子供をお預かりしている以上、ちょっとでもリスクがあったらリングに上げることはできないです。この際、徹底的に検査をして、いい形で改めてデビューさせてあげたい」と言っていた。厳しい練習&細やかな体調管理が健介オフィスのモットーである。
 さて、試合では勝彦、起田、健斗がそれぞれ成長ぶりを披露してくれた。
 起田と健斗は昨年11・14後楽園ホールにおけるノアのモーリシャス杯争奪リーグ戦公式戦以来の激突。前回の試合は20分時間切れになっているが、両者共に意識しすぎて、あまりいい試合とは言えなかった。今回はパワーで押す起田と、長身とスピードを活かした健斗のぶつかり合いはお互いの意地が交錯した好試合に。
 最後は起田が勝ったが、これが起田のシングル初勝利とはちょっと意外。考えてみれば、健斗はジュニア・ヘビー級なのに対してヘビー級の起田はどうしても格上相手に真っ向からぶつかって玉砕というパターンになってしまう。健斗よりもシングル初白星が遅かったのも仕方がない。
「ジュニア・ヘビー級タッグリーグとかで歓声を浴びている健斗が自分のモチベーションになっていました。一番身近にいる健斗からシングル初勝利を挙げられたのは嬉しいです。これからも競い合っていきたいと思います」と起田。敗れた健斗にしても心機一転、勝彦とのコンビでGHCジュニア・タッグ王座を目指すだろう。
 中嶋はセミでドラゴンゲートの望月成晃に勝った後、こう言った。
「やっと勝てました。通過できました。ここ何ヵ月間、望月さんのおかげで成長できたと思います。勝って満足ですけど、まだまだ望月さんと一緒にいたら、変われるんじゃないかって感じました。改めて相手は大事だと感じましたね。自分だけじゃ、絶対に伸びないところって多いと思うんです。相手がいて、自分がいる。それが成長する栄養の素だと思います。対アラフォーは通過点。自分ら20代の若い力が今のプロレス界…だけじゃなくて世の中にも必要だと思うんで、その先頭になれるように頑張ります」
“栄養の素”とはいい言葉だ。起田も健斗もお互いが栄養の素だからこそ、デビュー1年半でここまで来られたのだろう。
 さて、勝彦に負けた望月は「お前、俺のことを通過点、スタート地点って言ってたよな。お前みたいなレスラーの通過点、スタート地点になれるなら最高だよ。今日負けた俺の立場がないから、真のトップを取ってくれ」と勝彦にエールを送った後、勝彦にドラゴンゲートのタッグリーグ戦のパートナーを要請。
 これに勝彦は「数年前とは違う自分が、数年前とは違う環境でドラゴンゲートに上がれるのは楽しみです。望月さんの男気を感じたので、出るからには優勝を狙います」。
 健介はかつて若い人間たちを苗木に例えていたが、苗木は自ら栄養の素を見つけ、スクスクと逞しく育っている。

bound for the future

 昨日は三沢光晴さんの四十九日が明けてのノアのディファ有明大会。『DEPARTURE2009~bound for the future~』の大会名通りに先々に向かっての新たな動きが次々に起こった。
 第1試合の金丸vs伊藤の試合後に邪道&外道が乱入して金丸に8・30後楽園ホールにおける邪道&外道20周年記念興行への招待状を突き付け、第2試合では挑戦者決定バトルロイヤルの末に川畑輝鎮が8・29ディファで小橋の白(紫?)GHC王座に挑戦することが決定した。
 第3試合の6人タッグでは会場の隅で見ていた金丸を挑発するように勝彦がタッチアウトで平柳玄藩をKOした。これによって金丸&鼓太郎vs勝彦&宮原のGHCジュニア・タッグ戦はほぼ決定だ。ジュニア・リーグに優勝した金丸&鼓太郎がリーグ戦で勝っていない(時間切れ引分け)のは、この勝彦&宮原だけなのだ。
 セミ前のタッグマッチではGHC王者・潮﨑と彰俊が6・13広島のGHCタッグ戦(バイソン&彰俊vs三沢&潮﨑)以来、初めてぶつかった。潮﨑は先シリーズから次期挑戦者として彰俊の名前を挙げており、彰俊はそれに応えるような気迫のファイト。最後はここ一番でしか出さないデスブランドで潮﨑を沈めた。
「自分は今現在、ベルトに興味があるわけじゃありません。ただ、あの広島でシオも背負ったものがあると思います。それを取り払えるのは三沢さんの最後の相手になった自分しかいないと思います。ベルト挑戦は時や運の流れが決めていくものだと思います」と彰俊。タイトルマッチ云々は別として潮﨑と彰俊の“区切りの一騎打ち”は近いうちに実現するはずだ。
 メインではジュニア・タッグリーグ3連覇を逃したKENTAと石森がお互いを見つめ直す意味でシングルで戦ってKENTAが快勝。そして試合後にはタッグチームの発展的解消を発表した。1度リセットして、個人のレベルを上げて次のステップに行こうということだ。これにより、またまたノア・ジュニアの勢力図は大きく変わっていく。
 こうした様々な動きがあった中で、純粋に試合として私が目を見張った試合は第1試合の金丸vs伊藤。8分13秒、金丸がタッチアウトで勝利した。この結果だけ見れば「ノアにしては短い試合だな」ぐらいにしか思われないだろうが、内容が素晴らしかった。伊藤がタックルとヘッドロックという基本的な技で試合を構成し、そのメリハリでお客を惹きつけたのである。こうした技術を身につければ、その後の大きな技もより活きてくるというもの。この路線でしばらく頑張ってほしいと思う。

ターザン後藤の一本気な狂気

 昨日は新木場でベイダー主催興行の『ベイダータイム』。ランス・ケイド&トレバー・マードックの元WWE世界タッグ王者チームの登場などもあったが、私が個人的に注目していたのはターザン後藤&田中将斗vsTARU&ヘイトのタッグマッチだ。
 後藤と将斗はFMW時代の師弟。FMW時代の後藤は「小さい団体だからって舐められたくない!」と、全日本プロレス流の練習で若手たちをシゴキまくって鬼コーチと呼ばれていた。93年にFMWに入門した将斗も指導を受けたひとりだ。後藤は95年5月に大仁田厚と喧嘩別れしてFMWを退団、将斗が頭角を現したのは大仁田引退後の新生FMWだから、後藤は将斗の成長した姿を直には見ていない。それだけに後藤は今回の将斗とのタッグ結成に思うところがあったようだ。そして、それは試合で狂気として爆発した。
 今の後藤はインディー団体を荒らし回る“鬼神”。ビールビン、ワインのボトルを鉄柱で割って、その破片をTARUの額に突き刺し、さらにフォークも持ち出して…と、反則三昧。将斗も荒っぽいファイトをするが、将斗のハードコアと後藤の反則ファイトは明らかに方向性が違う。コーナーに控える将斗の表情は嫌悪感丸出しだった。
 もちろんTARU&ヘイトのVMが黙っているはずもなく、最後は両軍反則の裁定に。将斗は足早にリングを降りた。
 ただひとりリングに残った後藤は「まだみんなピンピンしているじゃないか。徹底的にやるのがFMWの魂だろ!」と血ダルマのまま絶叫。控室に戻ってからも「田中と俺は水と油。でもプロなら俺に合わせるべきだろ。あいつは大仁田と組んでりゃいいんだよ!」とサムライTVのカメラに噛みついていた。
 本当は将斗と組むのが嬉しかったはずの後藤。将斗にしても後藤のことを普段は「FMWのもうひとりの師匠」とリスペクトを持った表現をしている。それなのに後藤が将斗をドン引きさせるようなファイトに徹したのは「今の俺のスタイルはこれなんだ!」というものを頑なに守り、その現実を将斗に見せたかったからではないか。
 後藤は全日本の若手時代も“鬼神”の今も一本気でクソ真面目な男。そんな男の狂気は本当に恐ろしい。