TAJIRIとHGが最後に見せてくれたもの

 昨日のハッスル後楽園大会は26日の『ハッスル・エイド2009』のエピローグ。『ハッスル・エイド2009』ではボノくんがグレート・ボノになって魔界に去り、髙田総統はハッスル軍解散を宣言、さらにキングRIKIの凶弾に倒れて「ハッスルよ、永遠なれ!」と叫ぶやスモークの中に消えていった。
 そして昨日は第1部=髙田モンスター軍(残党)、第2部=ハッスル軍の2部構成の興行となった。第1部では川田総統代行が新たに川田モンスター軍結成を宣言したが、アン・ジョー司令長官は「髙田総統がいない今、ミーがモンスター軍にいる意味はナッシングですよ!」と、トレードマークのサングラスを取って決別宣言、特命係長・島田工作員も「最近、レフェリーの仕事が忙しいんで…」と、これまたサングラスを外して退場、さらにレイ大原までもが「僕はメキシコに行きます!」と離脱宣言。誰もいなくなってしまった…。
 さらに第2部のハッスル軍主催興行終了後にはマグナムTOKYOがハッスル軍の解散を宣言。これにより、ハッスルはすべてが白紙になった。斜めから見たら、今後、12・24後楽園まで決まっている大会を誰が欠場してもいいような状況を作ったとも言える。ひょっとしたら、本当に誰もいなくなってしまう可能性だってあるのだ。少なくとも昨日の後楽園で04年1・4さいたまスーパーアリーナからスタートしたハッスルの流れに終止符が打たれたのは間違いない。白紙の状態から今度はどんな世界観を築いていくのか、それともこのまま終焉を迎えてしてしまうのか!? 様々な批判を浴びながらも日本プロレス史に確実に1ページを記したハッスルの今後は注目に値する。
 ひとつのけじめの大会となった昨日のメインを飾ったのはTAJIRIとHGの一騎打ち。これは純然たるプロレスだった。TAJIRIは技の組み立て、切り返し、動きの緩急でキビキビと試合を組み立ててHGを容赦なく攻め立てた。「大技を使わなくてもファンを惹きつけられる」というTAJIRIのプロレス観がダイレクトに伝わってくる試合だった。最後はシビアなバズソーキックを叩き込んでの勝利。
 実は最近、TAJIRIは様々な団体を視察していた。ある会場でTAJIRIと話した時、「いろいろ試行錯誤してきましたけど、最終的に何を見せるのかといったら、プロレスしかないんですよ」と言っていたのが印象的だった。ハッスルの一区切りに際し、TAJIRIはきっちりと自分のプロレスを提示したのである。
 そしてHGもプロレスラーの魂を見せてくれたと思う。「お笑い芸人がプロレスをやるなんて…」と言われながらも真摯に取り組んできたHG。昨日の試合では試合中に左足を負傷するアクシデント。かなりヤバイ感じだったが、試合を最後までやり遂げ、さらにハッスル軍解散のエンディングまでリングに居続けて役目をまっとうした。何があっても最後までやり遂げるのがプロレスラーなのだ。
 昨日で約5年半続いたハッスルの第1部は終了。その最後の戦いでTAJIRIはプロレスを、HGはプロレスラーの魂を見せてくれたと思う。

気になる男は…杉浦貴!

 ちょっと日にちが経ってしまったが、三沢亡き後のノア初シリーズ最終戦となった25日のJCBホールは活気に溢れたいい大会だった。
 みんなが悲しみを乗り越えて前に進もうとしている。何だか新団体の旗揚げ時のような空気がある。そんな中で三沢さんの付き人だった鼓太郎は“三沢光晴継承”にこだわってテーマ・カラーをグリーンに変え、ジュニア・タッグリーグ準決勝ではエルボー・スイシーダを発射し、終盤のKENTAとの攻防ではワンツー・エルボー、ローリング・エルボーで競り勝った。そして決勝では青木にタイガー・ドライバー! それぞれの技が上辺の形ではなく、魂がこもったもの。鼓太郎の一途なこだわりは、それはそれでいいことだと思う。
 さて新生ノアにあって、私が一番魅力を感じているのは杉浦貴である。杉浦は日テレ地上波打ち切りのあたりから常にピリピリ感を発している。それはリング上での戦いもそうだし、リングを降りてからもそう。IWGP挑戦については口を開いていたものの、ノアのことには無言を貫き、マスコミを寄せつけない。
 このJCBホールでは健介&森嶋と組んで小橋、秋山、彰俊と対戦したが、ムキになって小橋に突っかかっていったのが印象的だった。白GHC王者になり、会社的には副社長になってリング内外で全面に立とうという構えを見せている小橋に対して、まるで「そうはいくかよ!」と言わんばかりの強い当たりは観ていて純粋に面白かった。そこに杉浦のプロレスラーとしての闘争心が見て取れたからだ。そして試合が終わると他の選手を置き去りにしてさっさと控室へ。試合が終わってもなお、ピリピリ感を保ち続けるのである。
 今、ノアは選手が一丸となって団体を盛り上げようとしている。もちろんそれは杉浦も同じ。ただ、他の人間とはちょっと違う杉浦のピリピリ感は今のノアに大切な要素になっていると思う。杉浦がひとり入ることでリング上の緊張感が違ってくる。
 8・1ディファ有明における森嶋と杉浦の一騎打ちも見もの。今、不機嫌な杉浦が凄く魅力的だ!
PS.ハッスルのキングRIKIの正体について「本当に竹内力の双子の弟なのでは」という書き込みがありました。正直、私もくわしくはないのですが、竹内力は本業でも竹内力とRIKIは双子の兄弟という設定で別人格として活動を分けているようですね。まあ、プロレスで例えれば、天龍と天龍の双子の兄貴(大ハヤブサ)みたいなものと考えていいのでは…。

終わりなのか、始まりなのか…

 一昨日は全日本の後楽園ホールの後、両国の『ハッスル・エイド2009』へ。アルマゲドン、さよなら高田総統、ひょっとしたらハッスルが終わるのでは…と、不穏な空気の中でのビッグマッチだった。本来、エンターテインメントはハッピーな空間でなくてはいけないが、果たして両国は切ない空気に覆われてしまった。
 この両国でハッスルはガラッと変わるのだと予想していたが、そこから“新しい何かが始まる!”という気持ちになれる材料はなかった。グレート・ボノとなったボノくんの後ろ姿でのバイバイ・ポーズはハッスル離脱を暗示するものだったし、髙田モンスター軍は解散、そしてエスペランサー・ザ・ゴットとしてマグナムTOKYOと戦って敗れた髙田総統は、ハッスル軍と共闘かと思いきや、キングRIKIの凶弾に倒れた。
 髙田総統の最後の戦いもレーザービターンがキーポイントとなったのは私個人としては残念。あれを「最高のエンターテインメント!」と本当に思っている人がいたとしたら、私は疑ってしまう。ファイティング・オペラだから、そこにどんなトッピングがあってもいいが、そのオチがあれだとしたら、あまりにも安易すぎないか? 髙田総統の戦いが最後までレーザービターンを超える新しい何を提示できなかったことは残念でならない。
 今日は辛口になってしまっているが、それもエンターテインメント・プロレスという可能性をこのまま埋もれさせたくないからだ。04年1月4日、ファンやマスコミから非難されながら産声を上げたハッスルは、その後、髙田延彦が髙田総統というキャラに全身全霊で取り組み、インリン様やHG&RGが本気を見せたことで周囲の観る目を変えさせた。私の観る目だって変わった。それだけに中途半端で終わってほしくないのだ。
 今後を考えると髙田総統に代わってキングRIKI(竹内力の双子弟…ということになっている)が中心人物になるのだろう。実際、両国でのキングRIKIのパフォーマンスは素晴らしかった。恐らくハッスルの空気を知らなかったはずだが、その表情、アクション、迫力のある喋りでキッチリと観る者を自分の世界に引き込んでいた。さすがにプロの役者だ。だが、本人曰く「次に会うのは秋頃…」とのことだから、それまでハッスルはどう展開されていくのだろうか?
 エンターテインメントを謳うなら、先々が緻密に計算されていなければいけないのだが、両国の時点では行き当たりバッタリ感というか、先は白紙状態という感じが強かった。それも計算しての演出だったとしたら、これは脱帽というしかないが。
 まずは明後日30日の後楽園ホール。ここでハッスルがどんな世界観を新たに打ち出すのか大注目である。

お疲れさまでした!

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  昨日の全日本プロレス後楽園大会では荒谷望誉の引退試合の解説ということでサムライTVの放送席にお邪魔させてもらった。
 荒谷のラストは菊タローと組んでの渕正信&TAKAみちのく戦。荒谷はお笑いプロレスで17年のプロレス人生をまっとうした。
 思えば、常に「エース候補」と言われていた荒谷がお笑いプロレスの道に足を踏み入れたのは2005年。ダメ親父、バカボンのパパと呼ばれながらファンに愛されたのは、それ以前の下地があったからこそ。頑丈な体と強さが根底にあるから、お笑いプロレスにも説得力があったのだと思う。何しろ、あの鈴木みのるに顔面をゲンコツで殴られて鼻血が噴き出しても平然とバカボンのパパでいたのだから、ある意味で凄い。
「今の世の中、辛い人が多いじゃないですか。でも、俺の試合を見たら“自分の方がマシだ!”って思うでしょ(苦笑)。それで次の日に元気に会社や学校に行ってくれたらいいんですよ(苦笑)」とは、いつか聞いた荒谷の言葉。一応、彼には彼なりの使命感があったのだ!?
 さて、引退試合だが…予想通りに用意していた材料を喋らせてくれる展開にはならなかった。例のコーナーに突っ込んでいって顔面に蹴りを食らった回数は試合前の時点で4993回(菊タロー調べによる)。これを前人未到の5000回にするのが試合のテーマになった。毎回のように繰り広げられるこの攻防、ハッキリ言って解説者としては本当に喋りにくいムーブだった。でも、昨日で最後。とにかく5000回を達成できてよかった。
 試合はいつものお笑いでも会場の一体感は素晴らしかった。ファン、武藤社長を始めとするセコンドの全選手、そしてリング上の菊ちゃん、渕さん、TAKAが必死で荒谷を盛り立てる。こんな引退試合をやらせてもらえるなんてレスラー冥利に尽きたことだろう。それも荒谷の人柄ゆえ。こんなにみんなに愛されたのは、彼に邪心がなかったからだ。もっとも、邪心がなかったから「エース候補」のまま、エースになれなかったとも言えるのだが…。
 でも、こんなに人に愛される荒谷を目の当たりにして奥さんも娘さんも嬉しかったはず。最高にカッコイイ夫、父親だったと思う。
「プロレスが大好きなんで、その気持ちのまま辞められてよかったと思いますよ。周りにいじられて、何とかここまでやってこれました。最初は苦しく、最後は楽しかった。楽しい仲間と楽しい仕事ができました」(荒谷)
 荒谷どん、本当にお疲れさまでした!
 なお掲載している写真は、会見が終わって控室に戻るところで神谷繁美カメラマンが撮影してくれたもの。荒谷どんが手にしている目録は私からではなく、全日本プロレスからのもの。私は妻が作ってくれたフラワー・レイを荒谷どん&ご家族に贈らせてもらいました。でも昨日は異常に暑かったから、すぐに枯れちゃったかな…。

荒谷望誉引退試合の解説をします!

 明日は後楽園ホールでいよいよ荒谷望誉の引退試合。明日のテレビ中継はサムライTV。私はGAORAの解説者なので「荒谷のラストを喋ることができないのか…」と、ちょっと落胆していたのだが、明日は特例で荒谷の引退試合だけ放送局の垣根を越えて解説を担当できることになった。思えば荒谷との付き合いは95年に冬木軍としてWARに登場してから。彼のキャリア17年のうち、14年もの腐れ縁なのだ。
 私の知る素顔の荒谷どんは穏やかで本当にイイ人。
 今でもやけに憶えているのがWAR末期の頃、荒谷を始めとして何人かの若手と朝まで飲んだ時のことだ。酒が入れば誰でも愚痴っぽくなったり、普段は口にしない不平や不満が爆裂することもある。その時も、ある若手が天龍さんやWARという会社についての不満を口にした。そうしたら荒谷は「お前ね、天龍さんも必死に一生懸命やってんのね。会社だって大変なの。だから俺たちが頑張らなきゃいけないの。わかるでしょ?」と、先輩風を吹かせるわけでもなく、声を張り上げるでもなく、淡々と穏やかに諭すように言って聞かせたのだ。ちょっと場の空気が悪かったのが、荒谷の穏やかな言葉で収まった。その時、荒谷に頼もしさを感じた私は「こいつはひょっとしたら大物!?」と内心で思ったものだ。
 また、先日、コジ君と一緒に『S-ARENA』に出演した時のことを面白おかしく書いたが、あとでスタッフに聞いたところでは「タバコ吸ってきまーす!」と出て行った荒谷は、実は我々の見ていないところでタバコを吸いながら何度も台本を読み返してチェックしていたそうだ。そういう真面目なところを見せないのも荒谷どんなのだ。
 引退試合は菊タローと最後のバカ兄弟を結成して、渕さん&TAKAとの対戦。きっと意地になってバカな試合をやり、感動的な喋りはさせてくれないんだろうなあ。それなら、それで“お笑いプロレス”にとことん付き合いましょうか。
 なお、中継はニアライブで明日の午後11時から放映されるとのことなので後楽園ホールに来られない方はテレビで荒谷どんのラストファイトに涙して(できるかな?)ください!

黄金時代の佇まい

 昨日は辰巳出版に出向いてGスピリッツの編集会議に参加した後、新宿FACEのドラディションへ。メインは長州力、藤波辰爾、初代タイガーマスクvs藤原喜明、グラン浜田、ヒロ斉藤という四半世紀以上前の新日本のスーパースターが勢揃いした6人タッグだった。
 長州&藤波&初代タイガーのトリオは今回で3回目だが、私がナマで観るのは初めて。正直なところ「懐メロを見せて、一体、何の意味があるのだろうか?」と思っていた。ところがいざ試合になると、自然と惹き込まれてしまった。
 当然、全盛期のような動きを期待するのは無理というもの。でも、私が惹き込まれたのは郷愁や、過去の記憶によるものではなかった。彼らの発する空気、佇まいが決して懐メロではなく、リアルタイムの凄みを持っていたからだ。
 よく、アントニオ猪木は「今のプロレスには闘いがない」と言う。ところが昨日の6人タッグに出場した選手のいずれもに闘いが感じられたのである。一体、これは何だろうか? 本当なら昔を懐かしんで、懐かしい攻防を楽しく、仲良くやってもよさそうなのだが、6選手全員が対戦相手との優劣にこだわり、ムキになってやり合う。そこには、かつての新日本黄金時代の匂いが確かにあった。たとえ肉体的には衰えようとも、その佇まいは黄金時代のままだったのだ。これは今のファンに提供する価値があると素直に思った。
 試合後の控室でも面白い場面が生まれた。今後のトリオについて聞かれた長州が以下のように答えたのである。
「組むのは今日が3回目だけど、見た目は小さくても観客動員が上がってきているのを感じますよ。今こそ頑張らなきゃって気持ちですね。それと自分の希望を言わせてもらえば藤波さん、タイガーと組んでお客さんに喜んでもらうというのもあるけど、一個人としては藤波さんとやりたいなと。本当に気合いを入れてやりたい。これはやりたい。もう俺にはそんなに時間がないんですよ。ない分、思い切ってやりたい。ヘタ打ったとしても。藤波辰爾との試合をやりたい…“やってみたい”じゃなくて“やりたい”ですね。(藤波に向かって)いきなり勝手なことを言ってすみません(苦笑)。あとは藤波さんにお任せします」
 口調はマイルドながらもプロレスラー、長州力としての気持ちをきっちりと発露した。みんな年齢とともに角が取れて丸くなった。でも、心の奥底にあるレスラー魂は消えていないのである。

コジ君と荒谷どんは迷コンビ!

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 昨日のサムライTV『S-ARENA』はMCを小島聡が担当、ゲストは26日の引退試合を目前にした荒谷望誉と私だった。
 番組収録は22時からだが、MCのコジ君は21時にはスタジオ入り。ナマ番組のMCは大変な仕事だ。ニュース、インフォメーション、ゲストに話を振り、それもキッチリ時間に収めなければならない。打ち合わせから緊張気味のコジ君に対して荒谷どんのスタジオ入りは21時半過ぎ。Tシャツに短パン、アイスキャンディーをくわえてやってきた荒谷どんに緊張感は皆無。どう見ても夏休みのバカな子供といった風。
「なーんだ、俺は質問に答えればいいわけね。じゃあ、台本もいらないし…タバコ吸ってきまーす」と、荒谷どん。この時、コジ君の緊張はピークに達していたのだった。
 そして番組本番。カンペの指示通りにスムーズに番組を進行しようとするコジ君をわざと困らせる荒谷どん。何とか喋らせようとするコジ君に対して荒谷どんは無口戦法というトーク番組にあるまじき作戦に出た。
「何で最初、お相撲さんになったんですか?」(コジ君)「相撲が好きだったから」(荒谷どん)「じゃあ、何で好きな相撲を辞めてプロレスラーになったの!(怒)」(コジ君)「………」(荒谷どん)
 こうなると私の出番だ。「でも何で最初がオリエンタル・プロレスだったの?」「鶴見(五郎)さんのジムに通っていまして、そこに剛(竜馬)さんがよく来ていたんですよ。そうしたら剛さんが新団体を創ることになって、道場でスポンサーの人と会うことになったんだけど、レスラーが少なかったんで、新人レスラーのふりをしてくれっていうことで、まあ、バイトで新人レスラーになりすまして…」(荒谷どん)「もっと感動的な話はないのかよー!(怒)」(コジ君)
 こんな調子で番組は進行。荒谷どんがどれくらい喋るか見当がつかないので、番組の尺が計算出来ないという異例の展開に。何とかコジ君が喋らせようとすると荒谷どんは「………」状態。逆にやっと荒谷どんが喋り出すと“次の話題にいってください”のカンペが出て、MCのコジ君は話を遮って「では、次の話題は…」という具合。そのギクシャクぶりが結構、イイ味になっていたのではないかと思ったりする。全然、噛み合っていないようでいて、それが面白い空気を生むのだから、やっぱりコジ君と荒谷どんは相性がいいのだろう。番組はきちんと時間内に収まった。
 さて収録後。「もっと困らせてやろうと思ったのになあ」(荒谷どん)「いい加減にしろよー!(怒)」(コジ君)。結果としては荒谷どんの天然ファイトにコジ君が振り回された形か…。スタジオには荒谷どんの奥さん、娘さんも来ていて、コジ君は「番組に呼んじゃおう!」と目論んでいたが、それは実現できず。荒谷ファミリーに完敗のコジ君であった…。

IWAジャパンなる世界

 昨日はスティーブ・ウイリアムスについて書いたので、今日は19日のIWAジャパン新宿大会全般について書かせてもらう。
 とにかくケッサクな大会だった。独特のウサン臭さというか、アクの強さがあるから15年もやってこられたのだと改めて思わせてくれた。
 Iジャのカラーが炸裂したのは、まず第2試合。銀河連邦指定試合として行われたウルトラセブンvsブラックセブンだ。悪のブラックはウルトラセブンのマスクに執拗に手をかける。特別レフェリーのチョコボール向井はすかさず反則カウント。「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ…」って、5カウントなら反則負けでしょ。思わず客席から「エーッ!?」という声が上がり、チョコさんは“しまった!”とパニック状態。
「普通、ファイブまで数えないぞ」(客)「そうだよね(苦笑)」(チョコ)
 こんな会話が成立するのがIジャのユルイ世界。そのまま試合続行となり、最後はチョコさんの高速カウントでウルトラセブンの勝利。ハッキリ言ってグダグダな試合になってしまった。だが、本当のサプライズはここから。ブラックが自らマスクを取ると、その下から現れたのはパイオニア戦志、オリエンタル・プロレスでセブンこと高杉正彦と苦楽を共にした板倉宏の顔が。客席から「オリプロ!」とマニアックな声が。するとセブンが「剛(竜馬)、出て来い、この野郎! いつでもやってやるぞ!」と高杉に戻ってアピール。もう何が何だかわからない。
 続く第3試合は市来貴代子とさくらえみ(元川恵美)の初タッグが実現したが、それを食ってしまったのが真琴と組んで市来&さくらと対戦したデスワーム(♀)。これはもはや戦隊モノの着ぐるみ。女子レスラーと言っていいのかどうか。案の定、あまりにも人間離れした体ではロープをくぐってのリングインが出来ず、トップロープ越しに頭から落ちる形でリング内へ。でも、このゲテモノは結構プロレスマニアらしく、かつてWWEで活躍したスコッティ・トゥ・ホッティーの必殺技ワームも公開。いじめっ子の市来がデスワームの頭らしき部分をグシャッと踏みつぶした時に思わず客席からブーイングが飛んだのには笑えた。
 ここまでくるとIジャのウサン臭さは最高潮に。続いてはIWA浅野ジャパンvsターザン後藤&UMA連合軍。維新力、河童小僧を従えた浅野社長はなぜかインドのグレート・ガマ風。そのセコンドにはハル・ミヤコの姉(兄?)のハル・ミナミ(三波春夫ではない)が付いた。もちろん後藤&ビッグフット&雪男のセコンドはハル・ミヤコだ。
 この試合は後藤がノリノリ。反則三昧だが、よくよくファイトを見ていると、「こんなにベテランなのにプロレスが好きでしょうがないんだなあ」というのがわかる。笑えたのはチョップで浅野社長の胸をミミズ腫れにした時。「イタイッ!」と素の悲鳴を上げる浅野社長。なおも攻撃しようとする後藤に対して「いい加減にしろ! 年寄りをいじめるんじゃないよ、この野郎!」と浅野社長はガチでキレていた。そして後藤は名物Iジャおばちゃんいじり。この分だと10・25新宿は後藤vs浅野社長のチェーン・デスマッチ、そして特別レフェリーはIジャおばちゃんになるかも…。
 メインはちょっと感傷的にさせられる真面目な試合だった。カードは松田慶三vsブラックバファローの第6代IWA世界ヘビー級王座決定戦。ファンはバファローがかつてのIジャ若社長兼エースの山田圭介だとわかっているから、思い入れをもって試合を見守った。離脱者続出の中でIジャに残って頑張り続けてきた松田も「カマン、山田さん!」と本名で呼びかけて挑んでいった。
 そして最後に勝ったのはバファロー。松田に攻めるだけ攻めさせてのスクールボーイは鮮やかだった。
「IWAジャパンの15周年、砂をかけて出て行った俺に勝ってベルトを巻いて丸く収まると誰もが思っていただろう。ふざけるな! 10年前に出て行った俺が勝ったんだ。松田、俺の勝ちだ。IWAジャパンのチャンピオンは元IWAジャパンの山田圭介、いやさ大阪プロレスのブラックバファローだ! これが現実だ!」とブラックバファロー。
 IWAジャパンは試合数が少ない。10年間の経験の差が出た一戦だった。面白おかしい大会の最後はシビア。Iジャ新宿大会にはプロレスという答えのないジャンルの様々な要素が凝縮されていた。

スティーブよ、永遠なれ!

 この4日間ほど、9月発売のGスピリッツ第13号の原稿書き&仕込み、その他の仕事に忙殺されて缶詰状態に。昨日はやっと一段落つき、新宿FACEへ。昼のDDTは無理だったが、夜のIWAジャパン15周年記念興行には行くことができた。
 今回のIジャは突っ込みどころ満載の実にウサン臭くて楽しい興行だったが、今日はスティーブ・ウイリアムスについて書きたい。スティーブは03年からIジャのレギュラーになったものの、翌04年7月に咽頭癌であることをカミングアウトして闘病生活を送っていた。そして約5年の歳月を経て、昨日カムバックしたのだ。
 浅野IWAジャパンvsターザン後藤&UMA連合軍の“劇場”が終わって控室に行くと高山善廣の姿が。「スティーブが10月に引退するっていうんで来たんですよ」と高山。高山は97年7月から全日本に本格参戦したが、その時にサポートしたのが今は亡きゲーリー・オブライトとスティープ・ウイリアムスだった。スティーブは高山が激励に来てくれたことを「今日のビッゲスト・サプライズ!」と凄く喜んでいた。
 試合はアルヘントマシン2号とのシングルマッチ。ケロちゃんこと田中秀和リングアナが新日本以来、実に19年ぶりにスティーブの紹介コール。正直、そこにはかつてのドクター・デスはいなかった。それでもエルボーバット、ボディスラム、右フック、ラリアットと懸命のファイト。最後はオクラホマ・スタンピードが崩れて中途半端なパワースラムのような形になって、きっと本人としては不本意なカムバック戦だったろうが、私は123キロの体を作ってきただけでスティーブに拍手を送りたい気持ちになっていた。
「日本の多くのファンのサポートに感謝している。いろいろなことを考えて、10月25日の新宿で引退することを決意した。26年間やってきてリングを去るのは辛いが、日本で引退試合を出来ることを嬉しく思っている」とスティーブ。思い出の試合については「93年にコバシと47分間もやった試合(本人の記憶違いで、恐らく94年9月3日、日本武道館における小橋相手の三冠初防衛戦。41分23秒、バックドロップ固めで勝っている)」と答えた。
 会見後、記者たちの間から自然に拍手が発生。これは本当に珍しいことである。今の私は坊主頭&髭で昔と風貌が変わっているが、スティーブは私の顔を認識してくれて満面の笑顔で握手してくれた。思えば、05年2月5日の日本武道館における『ジャイアント馬場七回忌追善興行』以来の再会だった。
 昨日のカムバックはスティーブの人生にとってとても大切なことだった。そして10・25新宿でプロレスラーとしてけじめをつける。ぜひ、多くの人に最後の雄姿を見ていただきたいと思う。

8月22日、若林アナのイベントに出演!

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 今日は宣伝をひとつ。8月22日(土)に東京・中野のStudio twlで開催される『若林フリー健治の胸突き八丁!十番勝負!!~その二~』にゲスト出演させていただくことになった。
 若林アナと私は全日本プロレス同期生。ゴングが週刊化されて、私が全日本担当記者になったのが1984年4月。若林アナが中部日本放送(CBC)を退社して日本テレビに入り、プロレス担当になったのも同時期。私も若林さんもジャイアント馬場さんに怒られながらオトナになったのだ。
 プロレスが喋りたくて07年12月31日をもってフリーになった若林さんとは昨年3回、一緒に仕事をさせてもらっている。まずは3・1両国におけるドリー・ファンク・ジュニア引退試合、8・26後楽園ホールにおけるレッドシューズ海野20周年特別興行、そして8・31両国の諏訪魔vs太陽ケアの三冠戦。
 ドリー引退試合では反対側のコーナーに天龍さんがいるということもあって若林さんも私もテンションが上がりまくり。海野レフェリー興行では、かつて苦楽を共にした海野ちゃんのリクエストで全日本系の若林さんと私が実況解説するという異例の事態に。8・31両国では武藤vs後藤のIWGP戦を辻よしなりアナ&東スポの柴田惣一氏の“ワールド・プロレスリング実況コンビ”が担当したことで対決ムードになり(?)、若林さんと私は諏訪魔とケアの60分の激闘を息も絶え絶えに実況解説した。今回、また違った形で若林さんと一緒に仕事ができるのは大きな喜びだ。
 トーク・イベント以外に若林さんの生実況もあるそうで、“オトナの事情”で実況カードは当日まで発表できないそうだが、ヒントとしては万感の思いを込めて“世界一のレスラー”の実況をするそうだ。会場に集まったお客さんしか聞くことができない一度限りの実況をぜひ楽しんでほしいと思う。詳細は以下の通り。
【主演】
若林健治(フリーアナウンサー)
【MC】
less(MARS16)
【ゲスト】
小佐野景浩
【開催日時】
8月22日(土)
開場:18:30 開演:19:00~(約2時間)
【会場】
Studio twl(東京都中野区新井3-16-7 ガーデニア中野地下1階)
【アクセス】
JR中央線・中野駅より徒歩約13分/西武新宿線・沼袋駅より徒歩8分
※中野駅からお越しの場合、早稲田通り沿いにあるセブンイレブン脇の路地に入り、住宅街をひたすら直進して下さい。
※建物1階にある秀和整骨院が目印です。Googleストリートビューでも、上記の住所から確認できます。
(http://maps.google.co.jp/maps)
【チケット料金】
2600円
※前売・当日共に同じで、整理番号付の自由席となります。(定員85名)
※ご予約の場合は当日のお支払となりますので、キャンセル時は速やかにご連絡下さい。
【チケットのお求め方法】
1.Studio twlで前売券の予約をする。
会場ホームページ(http://www.studio-twl.com/)にあるチケット予約フォームかメール、又はお電話(03―5318―3775)で前売券の予約をして下さい。
※メール、お電話の場合は、御希望の「日にち」「ライブ名」「お名前」「枚数」「電話連絡先」をお知らせ下さい。
※予約フォームまたはメールでご予約をして頂いた場合は、折り返し確認のメールをお送り致します。整理番号も併せてお知らせ致します。
※電話も24時間、留守電にて予約を受け付けています。
※2日以内に確認メールが届かない場合は、お手数ですがお電話(03―5318―3775)にてお知らせ下さい。
※前売券予約後のキャンセルでも、キャンセル料は一切発生致しません。ただし席数が限られている為、キャンセルされる場合は速やかにご連絡下さい。
2.当日券を購入する
当日までの事前購入・ご予約が定員に満たなかった場合に限り、受付にて当日券を販売いたします。
※開場時間前の当日券の販売は基本的に行っておりません。
※当日券の発売がない場合は、会場ホームページのライブハイライトに掲載いたします。
※ただし、当日のキャンセルも予想される為、ページの更新が間に合わない場合もあります。正確な情報につきましては、お電話(03―5318―3775)でご確認下さい。
【会場に関する注意事項】
会場の構造上、原則としてトイレはお貸し出来ませんので、ご了承下さい。飲食物の持ち込みは自由とさせて頂きますが、ゴミは必ずお持ち帰り下さい。
【お問い合わせ】
■主催者(拷問コブラ)
Email: goumoncobra@gmail.com
※mixiのメッセでもお気軽にどうぞ。
■会場(Studio twl)
Email:info@twl.co.jp
TEL:03―5318―3775
皆様のご来場、心よりお待ちしております!!