昨日の主役は荒谷望誉!

 昨日の後楽園ホールにおける全日本プロレス『CROSS OVER09』開幕戦は話題満載。次期シリーズで開催されるジュニア・ヘビー級リーグ戦に向かっての動き、ジョー・ドーリングとゾディアックの遺恨決着戦、7・5金沢に向かってジュニア王者カズとMAZADAがタッグ前哨戦、6人タッグでみのる&ケアと武藤&河野が世界タッグ前哨戦、その6人タッグでは三冠挑戦を睨んで諏訪魔が王者・高山をジャーマンでフォール。また、三沢さんに捧げるように武藤がケアにエメラルド・フロウジョンを決めれば、お返しにケアがタイガー・ドライバーを見舞うシーンも生まれた。
 だが、昨日の主役は7・26後楽園で引退する荒谷望誉。トホホじゃない時代に何度も好ファイトを繰り広げた小島聡とメインで一騎打ちだ。
 今現在のコミカル路線でいくのか、それともシリアス路線でいくのか…。試合は序盤から小島のペース。実は試合開始早々に荒谷の古傷である左ふくらはぎがバチッと音を立てていたという。
 気付くと花道の奥から「アラヤー、最後ぐらいしっかりしろーっ!」の声。よく見ると荒谷の奥さんだった。言葉はちょっとキツイけれども、目に涙を溜めて、そしてこれ以上ない優しい笑みをたたえてリング上の荒谷を見つめていた。
 荒谷の奥さんは明るくて肚の座った女性。96年6月1日に荒谷がムーンサルトに失敗し、額からキャンバスに突っ込んで第七頸椎棘突骨折という重傷を負った時も毅然としていたし、天龍さんのグーパンチで顔が変形するほどボコボコにされても明るく振る舞っていた。奥さんも娘さんも上辺ではない本当の荒谷の強さを知っている。強い夫、強いお父さんを全面的に信頼しているのだと思う。だから、荒谷は胸を張ってお笑い路線を突き進めたのだろう。
 昨日の荒谷はカンチョーなどの普段のお笑いテイストを織り込みながらも、パワフルなラリアット、パワーボム、ムーンサルト・プレスと“本来の姿”もチラリ。いつの間にか武藤社長がリングサイドに陣取って荒谷を応援し、普段の“お笑いプロレス”では天敵の村山レフェリーも「カバーに行け!」と、荒谷寄りのレフェリングに。ファンはもちろんアラヤ・コールだ。
 最後はカチ上げ式のラリアットに大の字になったが、序盤での左ふくらはぎのアクシデントを感じさせない熱闘だった。
「あの人とやるといつもそうなんですけど、凄い気持ちいい痛みというか。負けたけど楽しくできました。あの人は同世代のトップを走っていて、この会社に入る前から目標っていうか、近づいて追い越さないとって思っていたんですけど、いつの間にかこうなってしまいました、私は。あの人を越えることはできなかったですけど、最後に試合組んでもらってよかったです」と荒谷。
 7・26後楽園の引退試合は菊タローとバカ兄弟を結成して渕正信&TAKAみちのくと対戦することが決定した。本当は天龍さん、あるいは川田相手に“本当は強い荒谷”としてゴツゴツしたファイトをやってほしいと思っていたが、本人はレスラー生活の最後に選択したお笑い路線を貫く覚悟。そういったところが、私からしたらWAR的というか、頑固な一面なのだ。
「自分なりに思い切りやって終わりたいです」と荒谷。最後にお笑いプロレスの集大成を観させてもらいます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です