春男カズ&覇者みのるのプライド

 昨日はJCBホールでチャンピオン・カーニバル優勝戦のテレビ解説。優勝決定トーナメントに勝ち残ったのはAブロック=武藤敬司、カズ・ハヤシ、Bブロック=小島聡、鈴木みのる。Aブロックでは三冠王者の高山善廣が脱落、Bブロックでもみのる、小島に勝ち、諏訪魔と引き分けとトップを走っていたケアが浜、ゾディアックに連敗してまさかの脱落、前年覇者の諏訪魔もスタートの小島戦でつまずき、最終公式戦のみのる戦で脱落という大混戦だった。
 こういうリーグ戦では、神が降りてくる。06年のケア、昨年の諏訪魔がそうだったし、優勝こそ逃したものの去年の棚橋も神がかっていた。今年はカズである。
 カズについては開幕戦の中継の際に鍵野アナに「注目選手は?」と聞かれて真っ先に名前を挙げたが、それは正直言って「大物食いをしてくれるだろう」程度のもの。まさか優勝戦線に残るとは思っていなかった。
 実際、今回のカズは素晴らしかった。4・5後楽園の開幕戦でも客席が爆発したのはカズがジョー・ドーリングを撃破した瞬間だったし、4・9大阪で武藤に勝ったのも見事。文字にしてしまえばシャイニング・ウィザードをかわして、すかさずエビ固めという単純な逆転勝利になってしまうが、そのシャイニングのかわし方…というよりも、いなし方は名人芸と言っていいものだった。
 昨日の準決勝で小島のラリアットをかわしての丸め込みにしても単なる逆転技ではない。ラリアットをかわすにしても当たる寸前…ギリギリでの見切りだし、その後の丸め込みのバリエーションも豊富。「これがダメなら、あれを…」と新しい入り方でくるから相手は対応しきれない。その反射神経と運動神経、発想力はカズならではだ。優勝戦ではみのるのゴッチ式パイルドライバーに沈められたが、あの策士みのるの裏をかき、本当にスリリングな試合を見せてくれた。
 カズは天才肌に見えて努力の人。その場、その場のアドリブでファイトしているのだと思ったら、対戦相手を徹底的に研究しているのだという。今回の春の祭典は、そんなカズの努力の積み重ねが結果になって表れたと思う。研究したものをちゃんと試合で出せる能力があるのだから天才+努力。こうなれば結果が出て当然である。今年の春男はカズ・ハヤシで決定だ。
 そして優勝した鈴木みのる。彼の勝負への執念も見事というしかない。開幕戦で盟友のケアに敗れ、中盤戦の4・9大阪では小島に敗れた。それでも公式リーグ戦を突破して遂には優勝。昨日、みのるは首にテーピングをしていたが、それも優勝への執着の表れ。サポーターさえ嫌がる男が万全を期するためにテーピングしてきたのだ。武藤の動きを読み、優勝決定戦ではカズとの読み合いから強引に自分の戦いに引き寄せた。フリーの身、しかも強さを全面に出しているみのるは結果を出さなければ生き抜けないのである。
「チャンピオン・カーニバルは予選会じゃねぇんだ・この優勝自体に意味がある。馬鹿にしてんのか!? 全国を何時間もかけて走り回って、あちこち怪我しながら、身と心を削ってリーグ戦やってきてんだ」
 三冠挑戦について聞かれたみのるはこう答えた。そこには春の祭典を制した男のプライドがあった。
PS.このところパソコンの調子が悪くてダイアリーを更新できなかったので、ノア4・11後楽園で感じたことは今週更新のプロレスコラムで書きます。

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