これがGスピリッツ第11号です!

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携帯サイトにも出ましたので、3月31日(火)発売のGスピリッツ第11号の表紙と主な内容を発表します。
【総力特集】
禁断の対抗戦 その時、何が起きた!?
[証言]三沢光晴 坂口征二 村上和成 風間ルミ 大谷晋二郎 ジョー樋口
【スペシャル対談】
輪島大士×ザ・グレート・カブキ
【特別企画】
ジャイアント馬場 アメリカ修業時代の真実
ダニー・ホッジ回想録 “20世紀のパンクラティスト”
実録――国際プロレス 知られざる逸話が続出
【クローズアップ】
エル・ソリタリオ 追憶――遺品を本邦初公開
潮崎豪 次代のエース論
表紙には遂に三沢光晴が登場! 特集は“禁断の対抗戦”。やはり“禁断の”というのがミソです。
総力特集の中で私が担当したのは4人。誰を担当したのかは、これから発売日までにダイアリーで書いていこうと思いますが…ぶっちゃけ、それぞれにかなり興味深い話を聞くことができました。
もちろん総力特集以外にもスペシャル対談やら、特別企画にも関わっているので、そちらもお楽しみに!

マジメ人間TAKEMURAとステキな仲間たち

 今年に入って3戦目の全日本1・6ひたちなか大会で右肩を脱臼し、長期欠場を余儀なくされてしまった東京愚連隊のTAKEMURA。試合に出られなければ収入が途絶えてしまうのはフリー・レスラーの厳しい現実だ。そこで立ち上がったのが盟友のNOSAWA論外&MAZADA。「いやあ、好感度アップの売名行為ですよ!」と言いながら、昨日18日、新木場で『TAKEMURA AID』なるチャリティー興行を開催したのだ。
 出場した選手、レフェリー、リングアナはみんなノーギャラ。興行収益はすべてTAKEMURAの治療費に充てられる。リングで命のやり取りをしているレスラーたちのこういう時の団結力には本当に感心させられる。
 ビックリしたのは会場に行くと入口にスーツ姿のTAKEMURAがいて、お客さんや報道関係者に「今日はありがとうございます」と深々と頭を下げていたこと。TAKEMURAは本当にマジメ人間、実直な人間である。その姿は東京愚連隊のTAKEMURAではなく竹村豪氏…いや、本名の竹村克司そのものだった。
 試合開始前には靴を脱いでリングに上がり「こんなちっぽけな人間のために、こうして(チャリティー大会を)やって頂けるということは、言葉に言い表せないくらい有難い気持ちでいっぱいです」と涙ながらに挨拶。
 ただし、湿っぽいムードや辛気臭い空気を拒絶するのが東京愚連隊の仲間たちだ。バックステージからは「もういいよ、長げぇよな」「まだ喋ってるよ」などという論外たちの声が聞こえていたりする。実際、TAKEMURAの挨拶は5分! 本人も涙の次には「長くてすみません」と苦笑するしかなかった。
 試合は楽しい雰囲気でいっぱい。木原リングアナはケロちゃんに扮して登場。試合はヤスウラノ&趙雲子龍&矢野啓太vsリッキー・フジ&TAKAみちのく&マッスル坂井、植松寿絵&輝優優vs松尾永遠&アップルみゆき、ジ・ウインガー&GENTAROvs佐々木貴&神威…とユニークなものばかり。休憩明けの高山義廣&リトル浜田(グラン浜田)vsドン・菊フライ&ランジェリー・ムタでは高山と菊フライがPRIDEを再現するような殴り合い、高山vsムタの局面では先日の三冠戦を再現するように高山のイス攻撃でムタのフェースマスクが破壊されるなど、客席を大いに沸かせてくれた。
 セミでは鈴木みのるが同じような髪型にして女みのるに変身したAKINOと組んでメカマミー&女メカマミーと丁々発止の攻防、メインでは論外&MAZADA&FUJITA(藤田ミノル)が黒田哲広&Gamma&佐藤光留を下してハッピーエンド。
 大会終了後には、またまたTAKEMURAの涙の挨拶になったが、そこで論外が「1曲だけ!」とリクエストするとTAKEMURA十八番の『また逢う日まで』のイントロが。マジメ人間のTAKEMURAはもちろん涙で熱唱だ。
「プロレスやりたいでしょ? みんなが応援してるんだから、諦めちゃダメだって」と論外。いちいちマジメなTAKEMURAをイジっていたが、そこが彼のいいところ。論外&MAZADAのいい加減さ(?)とTAKEMURAのマジメさが東京愚連隊のいいバランス、味になっているのだ。
 まだ右肩にはボルトが入っていて、これを取り除き、それからリハビリとなるが、本人は「いいトシして、みんなの前で泣いてすみません。でも今日、みんなが頑張っている姿に元気づけられました。早く治して復帰できるように頑張ります。今日は本当にありがとうございました」と決意を新たに。
 タケちゃん、頑張って!

チャンピオン・カーニバル記者会見

 昨日はGAORA東京支社で『チャンピオン・カーニバル』(4月5日=後楽園ホール~4月12日=JCBホール)の記者会見があった。
 参加メンバーはAブロック=武藤敬司、西村修、カズ・ハヤシ、真田聖也、高山善廣、ジョー・ドーリング。Bブロック=小島聡、諏訪魔、浜亮太、太陽ケア、鈴木みのる、ゾディアック。
 さて、この会見で主役の座を奪ったのは鈴木みのると諏訪魔だ。「決勝で高山さんとやりたい。決勝で待ってます」と抱負を語った諏訪魔に対して、みのるが「楽な方(ブロック)に入れてくれたかな。バカとデブしかいないんで、楽しみながら予選を突破しちゃおうかななんて思ってます。相棒のケアが一番厄介だけど、気になる…じゃなく、気に食わない奴がいるんで、捻り潰してやろうと思います」と例によって憎まれ口。そして諏訪魔に向かって「(気に食わないのは)おめぇだよ!」と一言。
 その後の質疑応答の中でも「決勝でやりたいのは高山さんと言ったんですけど、横にいる鈴木みのるをぶっ潰してやろうかなと思います」(諏訪魔)「予選でお前の腕を折ってやるからな。そのあとは棄権だから決勝には行けねぇんだよ!」(みのる)という具合で一触即発。会見後の記念撮影では掴み合いになり、みのるが会見場から出ていってしまった。
 この2人は去年のカーニバル公式戦でもぶつかって、尋常ではない歪(いびつ)な試合をしている。プロレス的に見ればグチャグチャな試合だったが、私個人にとってはかなり面白い試合でもあった。Gスピリッツ第9号のインタビューで語っていたように諏訪魔はそんなみのるとの試合に今後の可能性を感じているし、みのるも諏訪魔に手応えを感じているからこそ、敢えて喧嘩に乗っているのだろう。2人の公式戦は4・11四日市で実現する。
 その他、注目は三冠王者になった高山と、高山に敗れたムタの代理人・武藤だ。この2人は開幕の4・5後楽園で激突する。
「IWGPでも持っているんなら、頭の輝きも増すんだろうけど、俺の中ではタコ社長はトーンダウンしているね。ハゲしく叩き潰すだけ(笑)。チャンピオン・カーニバルの名前の割りにはチャンピオンが少ないし、マグレでチャンピオンになった人もいるし、チャンピオン・ベルトに触ったことすらない人もいる。そういう人たちには頑張ってほしいよね。まあ、三冠王者としてのお披露目シリーズ。横綱は勝って当たり前だと言われるけど、それと同じだよ」(高山)
 対する武藤は「この前の戦い(ムタvs高山)は意識せず、フレッシュな気持ちで現チャンピオンに挑みますよ。まあ、体だけ痛いんだけど、グレート・ムタはどっかに行っちまったよ。連絡が取れなくなった。どこに行ったかわからない。もう来ないかもしれないし…」と意味深な発言。
 無冠になった武藤の巻き返し、そしてムタの去就も今後の全日本を見ていく上での注目点だ。

春に向けてノアが動き出した

 昨日は東京でも試合が多かったが、私はディファ有明の丸藤プロデュース興行へ。ひとつ残念なのはプロデューサーを務めた丸藤が右膝前十字靱帯断裂で長期欠場を余儀なくされてしまったことだ。
 丸藤は11日のSEMで伊藤旭彦と組んで中嶋勝彦&谷嵜なおきと対戦。合体パイルドライバーをスワンダイブ式で決めようとした時に負傷してしまった。実は02年には左膝の前十字靱帯を断裂して9ヵ月欠場したことがあり、それを考えると年内に復帰できるかどうかという状態だ。
 それでも本人は「気持ち的には落ちていないんで。大変な時期にこんなことになって会社には申し訳ないと思いますけど、中途半端に復帰しても意味がないんで、早くて年末(の復帰)を目指そうと思ってます。まあ、試合をやらないからこそ見えることもあると思うし、とにかくちゃんと治します」と前向きなのが救い。心の強い男だけに、きっと年末の日本武道館、あるいはクリスマス興行あたりには完治させて、精神的にもさらに大きくなって帰って来てくれると思う。
 さて、リング上では次期ツアーに向かって各選手が動き出した。4月ツアーの目玉は『第2回グローバル・タッグ・リーグ戦』。エントリーされていなかった選手が次々に名乗りを上げたのである。まずは新日本との対抗戦で存在感を示した杉浦貴。谷口周平との元自衛隊コンビで田上明&泉田純至の元相撲コンビを下した後に「この会社、つまんねぇぞ! 何で俺がタッグ・リーグに出てねぇんだよ。金髪の大男と出るぞ。ノーフィアー!」とアピール。前日、全日本で三冠ヘビー級王者になった高山義廣との出陣を宣言した。
 さらにヨネ軍団vs健介オフィス全面戦争8人タッグの終了後、ヨネ&力皇に襲撃された健介を森嶋が救出、健介に共闘によるタッグ・リーグ出陣をラブコール。これに健介が応えて越境元GHC王者コンビの参加も決定した。
 メインカードは秋山&KENTAの犬猿GHCヘビー&ジュニア王者コンビと潮﨑&白GHC王者・橋。秋山とKENTAの緊張感のあるコンビも面白かったが、やはり見所は秋山と次期GHC挑戦をアピールしている潮﨑の絡み。この両雄の好守が噛み合わず、そのギクシャク感がかえって新鮮だった。
「気持ちは伝わるんだけど、走り過ぎかな。いい空気の時と悪い空気の時があって…空気を読まない、自分だけ走る時があるのも、若さと言えば若さかな」とは秋山の潮﨑評。どうあれ気持ちは伝わった。
「タッグ・リーグ戦の最中でも関係ない。時期ツアーでタイトルマッチを組め!」という潮﨑に対して秋山は「タッグ・リーグ戦の最中っていったって、8チーム参加だとして公式戦は7試合。だったら、タイトルマッチは出来るしね。潮﨑とだったら何回でもやってやるし、何回でも叩き潰してやるから」と快諾。
 潮﨑は打倒・秋山こそが使命でありノアの未来であると信じ、秋山は潮﨑との戦いの中にノアの可能性を見出そうとしている。

現に戻されたムタ

 昨日の両国におけるグレート・ムタと高山善廣の三冠ヘビー級戦は会場、あるいはテレビでご覧になった方々にはどう映っただろうか?
 ハッキリ言ってムタの試合は解釈が難しい。そこには独特の世界があり、極端に言ってしまえば相手が誰であっても同じ。楽しめるか楽しめないかは紙一重なのだ。実際、純粋に“いい試合”はなかなか無いというのが本当のところである。
 昨日の試合のテーマは「帝王・高山が魔界をぶっ壊せるか?」に尽きた。ゴングと同時にムタ独特の間合いを無視するかのようなドロップキック。これはよかった。だが、場外戦になるや、たちまちムタ・ペースに。「高山もこのままズルズルと魔界に引きずり込まれるのか…」という空気が両国を支配したが、思わぬ展開が待っていた。高山のイス攻撃を受けたムタのフェースマスクが壊れてしまったのである。いや、壊れたというよりも流血したムタが自ら外してしまったというのが正解かもしれない。
 これが、この試合のハイライトだった。昨日のムタはチャイニーズ・バージョン。左右の側頭部には現世を離れる始皇帝を守るために遺体とともに埋葬された兵馬俑(へいばいよう)がデザインされている。これが高山のイスによって破壊されてしまったのだ。ムタを守ってくれる者はいなくなった…。
 フェースマスクを失ったことで武藤敬司、グレート・ムタに続く“第三の人格”が出現するのかとも思ったが、残念ながらそこにいたのは“素の武藤敬司”。ペイントと血で赤く染められたムタの戸惑いの表情、落ち着かない目を見ると、それはムタではなく武藤敬司だった。魔界から現(うつつ)に戻されたムタにもはや勝ち目はない。高山の完全勝利だった。
 果たしてムタは再び魔界の住人に戻れるのか? ムタの新たなストーリーの始まりを予感させる昨日の三冠戦だった。

潮﨑のアメリカ修行の成果を実感!

 昨日はディファ有明で第23回プロレスリング・セム。私が注目していたのは潮﨑豪vs起田高志だった。
 昨年12月の凱旋帰国以来、小川良成、佐野巧真、本田多聞、力皇猛、バイソン・スミスらのトップクラスをシングルで撃破して、GHCヘビー級王座への挑戦をアピールしている潮﨑。ハッキリ言って、上の選手に向かっていく分には結果を出すだけで評価されるし、相手の懐に飛び込んで行って必死さが見えれば評価される。では、自分よりキャリアの浅い選手と対戦した時にどんな試合をするかというポイントに興味があったのだ。
 今の潮﨑は勢いはあるものの、ハッキリ言ってファンから「強い!」という信頼感を得るまでにはいっていない状況。ここで起田を引き出すファイトをやったら「新人に追い込まれる程度なのか」と誤解されかねないわけだ。かといって一方的に勝ったところで「自分勝手な試合しかできないのか」とも言われかねない。結構、難しいシチュエーションでの試合である。
 だが、潮﨑は見事な試合をやってのけた。起田得意のタックルの連発に微動だにせず、チョップ1発でぶっ倒すや場外戦に持っていて荒々しく攻めたて、コーナー最上段からのダイビング・ショルダーを手刀で叩き落とすなど、まるで格の違いを見せつけるシビアなファイトで5分過ぎまで一方的な展開。その後、必死になった起田のジャックハマー、ダイビング・ボディプレスを食う場面もあったが、まったく危ないという感じがしなかったのだ。
 どんなに起田が食い下がっても、いつでもフィニッシュに持ち込めるという感じで、10分経過のアナウンスがあったと同時にキレのあるトラースキックからロープに走ってのラリアット!
 まず一方的に攻めることによって起田を必死にさせてその力を引き出し、その上で完璧なフィニッシュという見事な横綱相撲、いや、横綱レスリングだった。
 考えてみれば潮﨑はアメリカ修行時代にFIPとWLWの世界王者になった時には「英語もあまり話せない自分がどうやって団体のベルトを面白くできるだろうか?」と冷静に考えていた男。常に、その試合その試合における自分のテーマを考えているのだろう。約10ヵ月のアメリカ修行は、想像以上に潮﨑のプロレスラーとしての幅を大きくしている。それを実感させられた昨日の起田戦だった。

Gスピリッツ第11号発売日決定!

 昨日は特集テーマについて書いたが、携帯サイトで発売日も告知されたので、このダイアリーでも発表しよう。Gスピリッツ第11号の発売日は3月31日(火)に正式決定しました!
 第10号の発売日が去年の12月17日だったから、3ヵ月半近くもお待たせすることになってしまったが、その分、中身も充実しているとスタッフ一同、自負しているので期待していてください。
 現段階ではこれぐらいしか書く材料がないので…最後に宣伝を。このサイトの左にある『ブックストア』をクリックしてもらえると、バックナンバーが購入できます。各号、いずれも時流に関係なく楽しめる内容になっているので、ぜひ、全冊揃えてみてください。きっと、新たな発見があると思いますよ!

Gスピリッツ第11号の特集テーマ

 Gスピリッツの携帯サイトで3月下旬発売のGスピリッツ第11号の特集テーマが発表されたので、私のダイアリーでもお伝えしよう。テーマはズバリ『対抗戦』。
 対抗戦といえば、昨年1月発売の第5号で『新日本プロレス闘強導夢の光と影』なるタイトルで新日本の東京ドームで繰り広げられた他団体との対抗戦を検証した。それも新日本サイドから見た対抗戦ではなく、関わった団体側からの目線で掘り下げている。この時はUFOの佐山聡、全日本として、WARとして新日本に闘いを挑んだ天龍源一郎、Uインターの鈴木健元取締役、大日本のグレート小鹿にインタビューすることによって「新日本とは何か?」を探ったものだ。
 今回は、また全然違った角度、切り口で対抗戦を検証。もちろん新日本絡みだけではなく、広い視野で対抗戦というものを捉えている。きっと「えっ、この人が出てくるの?」と思われるであろう人物にもガッチリ取材している。ということで…お楽しみに!

前田日明にとっての新日本プロレス

 昨日の後楽園ホールは新日本プロレス旗揚げ37周年記念大会。注目は前田日明が来場して功労賞として表彰されたことだ。思えば、前田が新日本の後楽園のリングに上がるのは87年11月19日の長州顔面蹴撃事件以来。あの事件で前田は新日本を解雇された。だから、その一戦が最後の新日本での試合でもあった。
 表彰式後、控室前で報道陣との応答になったが、ここで面白い光景が生まれた。第1試合に出場する長州、S・S・マシン、ヒロ斉藤と顔を合わせたのだ。「久し振り!」と、前座時代のライバルだったマシンが声をかけて握手。合宿所で喧嘩ばかりしていたというヒロちゃんとは言葉を交わさなかったように見えたが、長州が「アキラ!」と声をかけて、これまた握手。
「長州さん、まだやってるんですか(笑)?」と言う前田に長州は「その一言が(苦笑)…。まあ、見てろ!」と花道へ。すでに何年も前に和解している長州と前田だが、何だか嬉しい場面だった。
 前田にとっての新日本プロレスは道場での厳しい練習であり、合宿所での仲間との生活であり、限りなく喧嘩に近かかった前座での試合がすべてなのだ。
 私が前田と会ったのは07年10月19日にGスピリッツ第3号の取材のために新横浜プリンスホテルで2時間以上も話して以来。その時に感じたのは、いかに新日本のプロレスにプライドを持って若手時代を過ごしていたか、それがあったが故にUWFが生まれたんだということだった。昨日も報道陣に囲まれて、その時のインタビューで喋っていた若き日の思い出、エピソードを語っていた。
 ちょっと宣伝になってしまうようで嫌なのだが(苦笑)、前田日明のプロレスへの想いを知るためには、ぜひともGスピリッツ第3号の『2万字インタビュー』を改めて読んでいただきたい。

武藤ワールドは完成形へ

 最近はあまり全日本について書く機会がなかったが、今年に入って以前にも増して前向きな攻めの姿勢を打ち出していると感じる。
 選手それぞれにテーマがあって、シリーズを通してドラマがあり、それが最終戦で結実したと思ったら次の展開が生まれるというのは武藤・全日本ならでは。武藤がデビュー11ヵ月で初めてフロリダに修行に出された時に「プロレスは紙芝居だ!」と感じたというが、武藤・全日本はまさに紙芝居のように展開されていく。
 そして今年に入って特に力を入れていると思われるのが後楽園ホール。「後楽園はビッグマッチの前哨戦大会ではない」ということをアピールするように1月2&3日はアジア・タッグ王座決定トーナメント、2月6日には3・14両国まで温存すると思われた丸藤vsカズの世界ジュニア戦を持ってきたし、先日の3・1開幕戦もアジア・タッグ、世界タッグ王座挑戦者決定戦、ムタの後楽園初シングルマッチ、西村vs高岩のNKPWA世界戦というラインナップ。さらには土方がマスクマンの歳三に戻ってVM入りするというサプライズもあった。
 常にドラマがあって、しかも出し惜しみしないのだから、面白くないわけがない。来たる3・14両国ではムタvs高山の三冠戦、みのる&ケアvs諏訪魔&近藤の世界タッグ、カズvs稔の世界ジュニアの3大タイトルマッチに加えて、長州が実に22年ぶりに全日本に登場して高岩とタッグを組んで因縁の西村(パートナーは征矢)と激突、また曙&浜の相撲コンビ実現、TARU&ヘイト&歳三の新生VMとF4の激突と楽しみなカードがズラリ。それも、シリーズを通してのドラマを経ての試合になるはずだから興味も増してくるはず。
 今の全日本には「何かが起こるはず」「きっと面白い展開が生まれるはず」というファンの信頼感があるのが強み。武藤ワールドはもはや完成形の域に達していると言ってもいいのではないか。
 3月14日は、ファンの皆さんが全日本プロレスを、武藤ワールドを堪能できるように、私も心してテレビ解説をやろうと思っている。