全日本のエネルギー②

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 昨日の続きは休憩明けの試合から。稔のヴードゥー・マーダーズ電撃加入、ヤッシーの東京ラストマッチで盛り上がった後の休憩明けに主役の座をかっさらったのは鈴木みのるだった。
 試合はみのる&MAZADAvs小島聡&KAI。世界タッグ&アジア・タッグの計6本のベルトをリング上にズラリと並べてGURENTAIの現在の力を誇示したみのるに対して小島&KAIが試合後にアジア・タッグへの挑戦要求。そこに諏訪魔&近藤のデストラクション、ジョー・ドーリング&ゾディアックの代理人TARUが現れて世界タッグへの挑戦をアピール。みのるは3・1後楽園ホールで小島&KAIの挑戦を受けると宣言すると同時に、デストラクションとTARUに対しては3・1後楽園で世界タッグ王座挑戦者決定戦をやるように命じた。様々な流れがある中で、みのるは強引に次期シリーズ開幕戦の主役に座ったのである。このあたりの計算はさすがだ。ちゃんと自分を中心に据えてしまうである。
 そして全日本はこのみのる案を無条件で受け入れた。不況と言われる今のマット界では後楽園ホールを常に超満員にすることは興行的にもイメージ的にも必須条件。もし後楽園が来たるビッグマッチの前哨戦に過ぎなくなってしまったらファンは足を運んでくれないわけで、出し惜しみしている状況ではないのだ。
 セミの武藤敬司と高山善廣の初遭遇は正直言って不完全燃焼に終わってしまった。まだ武藤も高山もどう絡んでいったらいいのか手探り状態という感じで、今シリーズ中にどこまでグレードを上げていけるかによって、この両者(というよりもムタと高山)の激突が売り物になるかどうか決まる。
 メインの丸藤正道にカズ・ハヤシが挑んだ世界ジュニア戦は…私は内心、両者にとってかなりキツイ試合なのではないかと思っていた。この2人なら、いい試合になって当たり前。だからこそ超満員になっているのだし、ちょっとやそっとの内容では観客が満足してくれないと思ったからである。戦う当人同士にとっては、かなりハードルの高い試合だったはずだ。
 カズの緊張ぶりは半端じゃなかった。試合前の練習でも、控室につながる通路で会った時にも顔が青ざめていて、とても気軽に話しかけられる感じではなかった。私は馳浩PWF会長の代理で認定宣言をしたが、この時もピリピリとしていた。
 だが、2人はやはり天才児だった。これまでタッグで2回しか当たっていないのに、お互いに相手の動きと技の仕掛けを読んで臨機応変に対応する。そして決める時にはピシッと的確に決める。
「今は団体もスタイルも細分化されているのに丸藤とは同じ方向を向いているんだなと感じるんですよ。だから丸藤の動きを読めるし、向こうも俺の動きを読めるんだと思う。その中でいかに相手を攻略するかがカギになってくる」というのはカズの言葉だったが、2人の丁々発止の攻防は「スイングする」などという軽い言葉では表現できないほど、噛み合うと同時にスリリングだった。かつて馬場さんは「ハーリー・レイスやジン・キニスキーと試合をすると、こうすればこう来る、こう来ればこう行くというのがお互いに読めて、正々堂々と戦えて気持ちがよかった」と言っていたが、そういう感覚なのだろう。
 最後はカズが奥の手のリストクラッチ式WA4…パワープラントを決めて全日本にベルトを取り戻したが、内容的には互角。どっちが勝っても負けても納得の試合だったと思う。カズはベルト奪回はもちろんのこと、ジュニアの試合が全日本で初めてメインを取り、超満員の観客を熱狂させられたことの方が嬉しかったのではないか。
 昨年11・3両国の丸藤vs近藤、今回の丸藤vsカズによって全日本ジュニアのレベル、注目度は上がった。外敵として全日本に登場した丸藤だったが、王道プロレスの遺伝子を持っていたことを証明し、古巣・全日本のジュニア戦線に大きな財産を残してくれた。
そして勝ったカズは、王者としてこれからジュニア戦線のレベルをさらに高めて引っ張っていかなければならない。これまた天才児の稔の参入によって全日本ジュニアは俄然、面白くなっていくことは間違いない。
<写真提供=神谷繁美>

「全日本のエネルギー②」への1件のフィードバック

  1. コジログにて。
    全日本プロレス関係者と電話で話し合いましたと。
    流石はF4の小島選手です。
    小佐野さん。
    GURENTAIをKAIENTAIて書いてます。
    みのる選手に怒られますよ。

伊藤將導。 へ返信する コメントをキャンセル

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