武藤敬司の挑戦

 今夜、博多スターレーンでの試合を終えると、武藤敬司はシリーズを抜け出し、明日の新日本・神戸ワールドに乗り込んでIWGP王者として真壁刀義の挑戦を受ける。そして、その1週間後の9・28横浜ではグレート・ムタとして諏訪魔の三冠王座に挑戦だ。そんな過酷なスケジュールに挑む武藤と雑談したのは9・13後楽園のシリーズ開幕戦の開場前。武藤はその場で思ったことを無防備に口にしてくれるから面白い。
「ハード・スケジュール? WCWにいた頃は年間300試合以上やってたもんな。TV録りの時なんて、いちいちペイントやり直して7~8試合やらなきゃいけないし、普通でも何百キロもドライブして、リック・フレアーと連日60分やってたんだぜ。まあ、20年も前の話だけど(苦笑)」
「作戦? ねぇよ。だいたいアメリカだったらさあ、リングに上がって初めて対戦相手を知るなんてことがしょっちゅうだったんだから。リングで肌を合わせたところで、自分の経験とか感性で、試合をしながら作戦を立てていくっていうのが俺のスタイルだよ。要はいかに自分で試合という舞台の主人公になりきれるかだよな」
「真壁戦は、あんまり理不尽だったら試合の途中で撤退して帰ってきちゃうぜ。レフェリーにちゃんとしてもらいたいよな。すぐ帰れるようにリングサイドにバッグ置いておこうか? ああ、帰りのチケットも買っておこうかな。新幹線の最終に間に合うかな? GBHだっけ? あいつら、束になってかかってくるんでしょ? でも、俺をナメちゃ駄目だよ。だって俺、ダラスでスーパー・ブラック・ニンジャやってた時に1対4…しかもタッグ形式じゃなくて、同時に4人と戦う試合をやってんだから。そういうノウハウはあるよ」
「俺には引き出しがいっぱいあるよ、悪いけど。でも、年齢も体も昔と違うっていうのも確かなんだよ。首、肩、腰、膝…この10年間、コンディションがいいことなんてねぇもん。できなくなった技も多いしね。正直、今、俺がやっていることは、俺自身への挑戦なんだよな」
 ポンポンと口から出てくる言葉は、実はどれも重い。自信たっぷりな言葉の裏には、自分を冷静に見つめる武藤敬司がいる。天才児、リビング・レジェンドと呼ばれる武藤だが、46歳になろうという今もなお、自分をより高いステージに上げようとチャレンジしているのだ。
 真壁戦、諏訪魔戦で新たな“名作”が生まれるか注目したい。

「武藤敬司の挑戦」への1件のフィードバック

  1. いやぁ、昨日サムライでやった討論会は面白かったです。
    こういう番組を多くの人に見てもらえないこの時代がなんだか歯痒いです。
    小佐野さんや金沢さんが諏訪魔に対して厳しい事を言うのは愛情の裏返しなんですね、やっぱり。
    その期待に押し潰されることなく、名実ともに立派なレスラーになって欲しいものです。
    あとこれは一意見ですが、あのような番組をなさる時はここで告知をした方が良いのではないでしょうか?
    プロレス好きのサムライ加入者は是非見るべきだと思うんですけどね…

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