今こそ天龍を見よ!

 昨日の『ハッスルツアー2008 in KORAKUEN』の注目カードは天龍源一郎VS越中詩郎。かつてWAR、新日本で繰り広げられた抗争が“ハッスルの世界”で実現したのだ。「ハッスルには2人もジジイはいらない!」という『ジG1 CLIMAX』と位置付けられた中で2人はどう戦ったか?
 結果は9分14秒、越中がブレーンバスター4連発で勝利。この上っ面の記録だけで、またまた罵詈雑言が聞こえてきそうだ。
 例によって「やっぱり小佐野は天龍贔屓だ」と言われるのだろうが、この9分14秒の中で天龍も、そして越中も精一杯の戦いをやったと私は思う。いきなり場外に出てイスで殴り合ったのは、対戦相手はもちろん、観客に対しての「これでも食らえ!」だったと思うし、越中がリープ・フロッグからヒップアタック、天龍が逆さ押さえ込み、そしてドロップキックの相打ちという展開にも何だか2人のプロレスラーとしての意地が見えたような気がした。
 天龍は逆さ押さえ込みの他にも回転エビ固めなど、新人時代にも使わなかったような技を繰り出した。それは30年以上も前にアマリロのファンク道場で習った技だ。
 そして久々にトップロープからのエルボードロップも披露。この技は仕掛けた方にもダメージがある。まだWARでバリバリやっていた頃でも、腰の状態が悪い時には1試合で3発出すと試合後にはしばらく動けなくなっていたのを思い出す。それを肋骨を痛めている今やったのだから、結果的にはこれが致命傷になってしまった。
 越中はそんな天龍を容赦なく潰した。投げっ放しパワーボム、そしてブレーンバスター3連発の後に駄目押しの1発! これでいいのだ。
 今の天龍は、当然のことながら全盛期の天龍とは違う。去年の8月、Gスピリッツ創刊号でハッスルについてインタビューした時に天龍はこう言っていた。
「実際、今の俺に30代の頃と同じことをやれって言ったって無理。でも俺はリングの中ではね、自分の出来る限りのこと…その時代、その時代のパフォーマンスをやっているつもりだよ。そりゃあ、やれる技は少なくなるし、やれることも限られてくるけど、その中でやれることは精一杯やってるつもりだよ。確固たる自分がいれば流されることもないし、ブレることもないから。ブレなけりゃ、どっちの目が出ても後悔はないよ」
 先日、引退を表明したオリックスの清原は「心技体の最後に残った心、魂でバットを振ります」と言っていたが、実績と貫録に胡坐をかかずに等身大でリングに上がる天龍がこれから我々に何を見せてくれるのか。これからの天龍がリング上から発するメッセージをしっかりと読み取っていきたいと思う。

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