SEMに感じる明るい未来

 今、私が新人記者のような気持ちで観られるのがSEM。様々な団体の若手がまっすぐに技術と心をぶつけ合う姿が観ていて気持ちがいいのだ。凄くピュアな試合で、こちらの心も洗われるような気がするのである。
 昨日の第12回大会にはDDTから柿本大地、BMLから原学、和志組の宮本和志、エルドラドからベアー福田が初参戦した。
 第1試合で健介オフィスの健斗と対戦し、ドラゴン・スープレックスで快勝した柿本は前回大会では他のDDTの若手メンバーと一緒にセコンドに付いていた。
「前回はセコンドに付いたんですけど、レスラーなんだから“やる側”に回らないと。今回、DDTで呼ばれたのは僕だけだったんで、気持ちとしてはDDT代表…ひとり団体対抗戦でした。気持ちよかったです。多分、お客さんのほとんどは僕のことを知らないだろうし“ちゃんとレスリングできるのか?”って、厳しい目で査定されていたような気がします。新鮮な緊迫感がありました。こうやって同世代の人たちとガンガンやっていきたいですね。これからも上げてもらいたいです」
 と、柿本は充実感いっぱいのコメント。そう、普段とは違う相手、普段とは違う緊迫感が大事なのだ。
 平柳としばき合いの末に蹴り勝った原学は「やっぱタフだよなあ。試合数をこなしているだけある。けどさ、俺はノアの若い奴らより試合数が少なくても、こうやって結果を出せる。俺はメジャーとインディーの区別なんてないと思っているから、インディーと呼ばれている人間がメジャーを食うのを見ると励みになるし、俺もやってやろうと思っている。ノアに限らず、メジャー団体と言われている皆さん、怖くなかったら声をかけてください。いつでもやってやりますよ。村上一成イズムで乗り込んでやりますよ」と“らしい”コメントではあったが、試合ができる喜びは手に取るようにわかった。
 宮本和志は太田相手にパワーをフル回転させて勝利して「堪能しました。本当のプロレスの試合を久々にやった気がします。太田君は俺が忘れかけていたもの…初心を思い出させてくれた。デビューしたてでWAR軍に当てられてガムシャラだった俺を思い出させてくれた。太田君にありがとうと言いたいし、SEMを提供してくれたノアさんにもありがとうございますという気持ちです。今後もSEM、その上にあるノアに上がりたいと思います」。
 ベアー福田は闘龍門同期の南野たけしと組んでGHCジュニア・タッグ王者のKENTA&石森太二と対戦。かつてロス・サルセロス・ハポネセスなるユニットを組んでいた福田と南野だけにノンストップでKENTA&石森と互角のファイト。ユーモラスな雰囲気を封印してのまっすぐな戦いぶりは新鮮だった。最後は石森のスーパースター・エルボーで南野がフォールされたが、観客は福田&南野にも惜しみない拍手。
「この興行に初めて出て、いきなりタッグ・チャンピオンと戦えたのは嬉しいし、いい経験になりましたよ。お客さんにどう映ったかはわかりませんけど、次にやったら違う結果を出せると思います。確かに向こうのタッグワークは素晴らしいし、石森も進化しているけど、俺らだって進化していますから。次が楽しみですよ!」と、福田も南野も手応えを語った。いずれ、タッグ王座に挑戦という可能性を十二分に感じさせてくれる試合だった。
 メインの丸藤&青木VS中嶋&起田のノアVS健介オフィスは、残り試合時間2秒の19分58秒に中嶋が青木をジャーマンで仕留めるという熱闘。デビュー3ヵ月に満たない起田の健闘が呼び込んだ結果と言っていい。
 試合後、ちょっと面白いシーンがあった。丸藤が中嶋だけでなく、起田にも一本指を差し出して1対1をアピールするような仕草を見せると、礼儀正しい起田が頭を下げようとした。その瞬間に丸藤の張り手がバシーン! すかさず起田も大先輩の丸藤にビンタを返した。これに丸藤は満足気にニヤリ。
「中嶋選手はタッグ・リーグの公式戦でも当たっているけど、久々にシングルでやってみたいなと思う素晴らしい選手ですよ。起田選手は、よく言われる“若手に足りないもの”を持っている選手ですね。胸を貸したつもりはないですよ。彼のキャリアが何ヵ月であろうと、俺は同じ立場としてリングに上がって、戦ったわけだから」と丸藤。
 丸藤は、SEM興行ではいつも自分の試合が近づくまで記者席で他の若い選手の試合を観ている。そこで感想を聞いてみたら「ウチの選手は多少なりとも知識のある選手なら対応できるんだけど、未知の相手だと明らかに戸惑っている。未知の相手と戦った時は強い弱いは意外と関係ないですからね。知らない相手だと確かに怖いというのはあるだろうけど、そこでどういう相手であろうと戦える対応力を身に付けないと」。
 スタイルに関係なく、誰とでも戦える実力、臨機応変さ、気持ちの強さを養う場がSEM。このリングからは明るい未来が見える。

「SEMに感じる明るい未来」への1件のフィードバック

  1. 週刊プロレスの宍倉です。NOAH4・27武道館では何年ぶりかに沢山、話せて、楽しかった。「ブログに名前を出させてもらって、すみません」と言っていたので早速、初めてこのブログを見ましたが、あやまるどころか、こちらもうれしい内容で感謝です。悪口でも何でも書いてください(笑)。ブログといえば、いままではウチの湯沢クン、須山氏、あと好きな元AV女優(笑)の3つしか見ていなかったのですが、今度はこの「maikai」も「お気に入り」に入れました。みんな、仕事以外にブログも頑張って、えらいなあ。お互い「花の(笑)1期生」として、厳しい状況下、生き抜きましょう。

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