小島聡の欠場に思う

 小島聡が16日に右肘を手術。しばらく欠場することになった。“しばらく”というのは、手術をしてみなければ、見通しが立たないという意味である。正式な病名は変形性肘関節症、及び尺骨神経麻痺を併発、肘関節遊離体(関節ネズミ)が発生していて、早急に除去しなければいけないという。また神経断裂の疑いもあって、その修復手術もやなければいけなくなりそうだ。
 小島が右腕に痺れを感じるようになったのは1年以上も前のこと。フィニッシュが右腕でのラリアットだから、どんなに故障していようが酷使するしかない。あるいはヒール転向は右肘の状態を考えてのスタイル・チェンジを模索していたのかもしれない。
 今年3・1両国で健介の三冠王座に挑戦する前の記者会見では「この太い右腕を見ろ! 今、俺は右の袖だけ大きくした特注のシャツを着ているんだ」と大見得を切ったが、もうかなり悪い状態だった。食事の際に箸が使えずにスプーンを使っているという話を伝え聞いたのは三冠挑戦直後…3月12日開幕の『HOLD OUT TOUR 2008』直前のこと。この時点ですでにドクター・ストップがかかっていたはずだが、小島は右腕をバンテージでぐるぐる巻きにして、その上にサポーターを着けて出場、今回の『チャンピオン・カーニバル』にも名乗りを上げてきた。健介への挑戦が惨敗に終わっているだけに、今回の春の祭典で結果を出したいという一念だったのではないかと思う。
 私はTV解説で小島の右肘についてはあまり触れないようにしていた。本人が右肘の故障をひた隠しにしていたし、あくまでもVMのカラーを貫こうとしていからだ。だが、いざカーニバル本番になったら触れないわけにはいかなかった。「このバンテージは新しいコスチュームだ!」などとウソぶいても、もはや誤魔化せない。カーニバルでの小島はイス攻撃や急所打ちはあったものの、基本的には正攻法だったし、右腕の痛みを超えたファイトをやっていたことがファンの心を掴んだのだろう。
 ここ最近の不人気ぶりから一転して、徐々に声援が増えていったし、2日目のテレビのゲストだった田代さやかさんは最初「反則する小島選手は嫌いですね。武藤選手に勝ってもらいたいです」と言っていたのが、試合が進むにつれて小島ファンになっていた。最終日のゲスト、小阪由佳さんはプロレスを観るのは初めてだと言っていたが、最後の公式戦で棚橋に必死にラリアットを見舞っていく小島を観て泣いていた。優勝戦も感動的だったが、小阪さんは「私の中では小島選手と棚橋選手の試合…小島さんが最高でした」と言っていた。特にプロレスファンでない人の心も打つ…やはり小島は人を惹きつける何かを持っているのである。
 とりあえずは手術。それから復帰までどれだけの時間がかかるかはわからないが、その時間を大切にして、心も体も再生された小島聡として元気にリングに戻ってきてほしい。

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