SEMに集まるエネルギー

 今、プロレスリングSEMが面白い。元々はノアの若手のための大会だったのが2月から他団体に門戸を開放し、まず健介オフィスが参戦。若手による対抗戦という形になって、とにかく熱いのだ。
 昨日の第11回大会では青木が第1試合で健介オフィスの起田をぶっ潰し、第2試合では石森&谷口VS南野&宮原という形で、かつて闘龍門Xでしのぎを削った石森と南野が火花を散らした。メインでは3月5日の第10回大会で20分時間切れ、5分延長時間切れの熱闘を演じたKENTA&伊藤と中嶋&山口が再戦。伊藤が山口をドラゴン・スープレックスで破り、24分50秒の戦いを制した。
 だが、熱いのは対抗戦だけではない。杉浦VS太田、丸藤VS平柳のノア内の先輩VS後輩は、熱い…というより凄かった。もう、ほとんどかわいがりなのだ。杉浦は太田に何もさせず、ダウンすれば「立て!」と踏み潰して、最後は後頭部にフルスイングのキックをぶちこんで終わり。丸藤も普段の華麗なファイトではなく、張り手、踏みつけ、強引にマットにねじ伏せる体固め…と、エゲツないファイト。あの平柳が悪党ファイトをする余裕がまったくなかった。そして最後はヘッドロックでねじり上げて終わりだ。
「下で健介オフィスの起田クンが見ていたので、甘っちょろいことはできないなと。いや、平柳とは高校時代にレスリングで2回ぐらい対戦しているんですよ。俺は18歳でこの世界に入って、あいつは遅れて入ってきたけど(高校卒業後、サラリーマンを6年やった後にノアに入門)年は一緒。あいつは俺をどう思っているのか…追いつこうと思っているのか、追い越そうと思っているのか、このままでいいと思っているのか。もっと早く潰そうと思えば潰せたけど、裏で言ってもわからないので、お客さんの前で俺はあいつにメッセージを送ったつもりです。あれが今の俺と平柳の差ですよ。これからどれくらいの勢いで、どれくらいの時間で成長するのか…今日のお客さんに次のシリーズでも、その次のシリーズでも成長を見せろと。平柳のヒール? まだ俺の方が悪いでしょ。ワルだって探究していけば、それはそれでいいんですよ。中途半端が一番悪い。俺をワルできりきり舞いさせられるならやればいいし、できないなら方向転換は今のうちですよ。今、若手の間で差がつく分岐点にきているでしょ。そこで何をすべきかですよ。プロなんだから、俺たちの厳しい練習をクリアーしてデビューしたんだから、その頃の気持ちを思い出せって。最後の決め技? ヘッドロックだって決め技になるってことです。俺もそうだけど、若い頃は技を考えたり、大技を使いたかったりするんだよね。俺の場合は世渡り上手だったから、すいすい来ちゃったけど、平柳は俺と違って真面目で世渡り下手だから、しっかりやった方がいいんですよ」
 と丸藤は厳しいファイトを語った。そこには高校で同期だった平柳への気持ちもあるし、セコンドで見ている健介オフィスの選手に見せつけてやるという気概もあった。健介オフィスだけではない。この日のセコンドには、昼間に道場に練習にきていた柿本大地以下、DDTの若手の姿もあった。
 今、SEMの世界には団体の枠を超えて若いレスラーのエネルギーが集まってきている。そのエネルギーは今後のプロレス界の大きなパワーに転換されるはずだ。

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