ドラゲー大田区大会の3人のドラマ

 昨日の大田区体育館大会はドラゴンゲートの2008年初のビッグマッチ。見所はいくつもあったが、ここでは3人のレスラーについて書きたい。エルブレイザー、谷嵜なおき、石森太二。根っこが闘龍門の3人…谷嵜は会社の体制が変わったドラゲーにも上がっていた。
 かつて闘龍門XでミニCIMAを名乗っていたエルブレイザーはPACと組んでツインゲート統一王者の新岩相手に初のドラゲーでのファイト。どんなに難易度が高い空中殺法でも滅多にミスをしないエルブレイザーが飛距離が短かったり、ロープの上でバランスを崩したりと失敗を連発。初めてのリングということでロープの太さ、弾力などが計れなかったのもあるだろうが、やはり相当のプレッシャーがあったのではないか。試合はPACがアラケンに押さえられて、白星を飾ることはできなかった。
「付いていけないです。僕が今までやってきたことは何なんだろう。凄く速いし、巧い。取り残された人間は、所詮、取り残された人間なのかなと悲しくなりましたね。今は、またこのドラゴンゲートに出たいという気持ちが大きいです」
 と、傷心のエルブレイザー。だが、かつて神戸の道場で鬼教官をやっていたアラケンは、
「僕の中では感傷的な気持ちが抜けないままの試合でしたね。神戸の道場で流した汗は血よりも濃いってことですよ。時間さえあれば、いつでもこのリングに来てほしい。いや、来てください…敬語ですね。だって昔は練習生だったかもしれないけど、今、彼は独りでゼロワンMAXさんとかで立派にやっているわけですから、それは凄いことですよ。業界内では未だにヤンチャだって聞きますけど(苦笑)、大人になりました」
 と、素直にその成長を喜んでいた。
 谷嵜の場合は1年8ヵ月ぶりの出戻りだけに観客の反応も微妙。前回の後楽園で噛みついてきたYAMATOをインプラントで下したが、客席は爆発とはならなかった。
「僕がこのリングに上がること、YAMATOが拒絶するのはわかります。お客さんの中にも納得していない人もいると思います。だけど俺はこのリングで死に物狂いで戦っていきます。また一からやり直したいと思います」
 と試合後にマイクで挨拶。控室でも、
「言いたいことはいっぱいあるけど、リング上で見せていきたいと思います。よろしくお願いします」
 とコメントするにとどまった。YAMATOへのタッグ結成呼び掛け、その一方での斎了からのラブコール。プロレスに悩んだ末にドラゲーに戻ってきた谷嵜には、今、新たな運命が押し寄せている。
 そして最後にプロレスリング・ノア代表としてKENTAと共に鷹木信悟&B×BハルクのGHCジュニア・タッグに挑戦し、見事に王座奪取に成功した石森太二だ。
 石森は闘龍門Xのエースだった。闘龍門ジャパンが揉めずに体制が変わらなければ、石森は今現在、かなりのポジションにいたと思われる。ところが体制の激変に伴って石森はドラゲーに上がることなく、エルドラドのリングに上がった。そしてノアに触れたことでエルドラドを退団、フリーとしてノアに上がってきた。ノア所属になったのは今年に入ってからだ。紆余曲折あっただけに、このドラゲーに上がるにあたってはエルブレイザー、谷嵜とは違った複雑な気持ちがあったことだろう。
「ドラゴンゲートに上がるのは、これが最初で最後だと決めていたので、ベルトが獲れてよかったです」
 と試合後の石森。だが、その表情に喜びはなく、
「相手の2人はとても自分より後輩とは思えませんでしたね。お客さんが満足してくれたとしても、自分では納得してないです。存在感ではあの2人より負けていましたから。自分の持ち味を出せないままの試合でした」
 と唇を噛んだ。
 エルブレイザー、谷嵜なおき、石森太二。誰ひとりとして自分の試合に満足していなかった。それだけドラゴンゲートに対する特別な感情がそれぞれにあるのだ。

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