龍虎相打つ!

 ミドルキック、ローリング・ソバットが分厚い肉体に突き刺さる。重いチョップが白い胸板をみるみるうちに真っ赤に腫れ上がらせる。昨日のリアルジャパン後楽園大会で実現した初代タイガーマスクと天龍源一郎の激突は見応えのあるものになった。
 初代タイガーは仮面シューター・スーパーライダー、天龍は折原昌夫をパートナーにしてのタッグ対決だったが、いきなりキックVSチョップの真っ向からの打撃戦に。初対決で相手に体をさらすのは怖いはず。特に打撃だったら1発でもっていかれる危険性もある。だが、両雄共にプロレスラーの心と意地を持っていた。「初代タイガーマスクのキックがどれほどのものか確かめてみたい」「噂に聞く天龍のチョップを受けてみたい」という感情があったに違いない。
 初代タイガーはハイキックも決めたし、旋回式のフライング・クロスアタック、ツームストン・ドライバーも決めた。一方の天龍は顔面ステップキック、グーパンチ、キックをキャッチしてのドラゴン・スクリューを披露。はっきり言って、ふたりとも全盛期を過ぎている。それでも残された夢の対決としてファンの期待に応える試合、攻防をやってのけたのだから、さすがとしか言いようがない。最後は初代タイガーのブレーンバスターを天龍が首固めに丸め込んで決着をみた。
「ローリング・ソバットがアバラ、ミゾオチに入ってペースが落ちたね。下半身の力がスーッと抜けた。それが彼にとっては俺が重くなっちゃってコントロールできなくなったんだと思う。あの重いペースになったら俺の勝ちだよ。初代、2代目(三沢光晴)とやったけど、やっぱりタイガーマスクは魅力的な人だね。今度は絶好調のタイガーマスクとワクワク感だけじゃなくて中身で勝負してみたい」(天龍)
「場外に飛んだ時に(右の)股関節を脱臼してしまいました。チョップは噂に聞いていた以上でしたね。あれで余裕がなくなった。相手に合わせて体重を増やして思い切り蹴る練習をしていましたけど、裏目に出ましたね。蹴っていても200キロぐらいのサンドバッグを打っているみたいな感じで(苦笑)。真っ向から行っちゃって、いつものタイガーマスクのスピードのファイトではなかった。次は本来のタイガーで、体を絞ってスピードで勝負したいですね」(初代タイガー)
 どうやら一夜だけのドリームカードではなく、続きがありそうなムード。そう、ふたりとも頑固な昭和のプロレスラーなのだ。

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