やっぱりWWEは凄い!

 2・11=有明コロシアム、2・12=日本武道館の2連戦という形でWWEが1年4ヵ月ぶりに日本上陸を果たした。11日はサムライTV『S-ARENA』が入っていたために断念、12日の武道館大会に行ってきた。
 正直、私は今のWWEの流れに詳しくない。でも、大して予備知識がなくても試合そのもの、レスラーたちのキャラクター、会場の雰囲気で十分に楽しめた。これは重要なことだ。もちろんWWEでは連続ドラマ的なストーリーの面白さが大きな要素になっているし、今の日本の団体もストーリー重視の傾向にあるが、知識がなくても楽しめなくては新しいファンが入って来づらい。どんなに面白いストーリーやトッピングがあったとしても、まずは純粋に楽しめる試合ありきなのだ。
 この2連戦はハウスショーだということもあるのだろうが、きっちりと試合を見せてくれた。選手たちは自分のキャラクターを大事にしているし、自分のフィニッシング・ムーヴを大切にしている。プロレスの基本をしっかりと押さえているのは素晴らしい。
 トリプルH、クリス・ジェリコ、ショーン・マイケルズ、若き王者ランディ・オートン、そしてリック・フレアーなどはメジャー感たっぷり。私の世代だと、引退カウントダウンに入っているフレアーに胸が熱くなる。もうすぐ59歳になろうというのに“狂乱の貴公子”と言われた全盛時代と変わらないゴージャスなガウンをまとった姿が最高にカッコイイ。たとえ体がたるんでも、フレアーはフレアーなのだ。さすがにデッドリー・ドライブのバンプは見られなかったが、ショルダー・スルーで吹っ飛ぶ様、前のめりにバンプする様は、もはや芸術品。ウイリアム・リーガルを仕留めた鉄柱を使っての足攻め、エルボーの投下、ニークラッシャー、足4の字固めの流れは見事だった。これが見納めになってしまうのだろうか…。
 もうひとり、私にとって思い入れが強いのがクリス・ジェリコ。私にとってはライオン・ハートなのだ。WAR担当記者時代、クリスは最も親しかったガイジン。私の顔と名前をすぐに覚え、週刊ゴングの愛読者になってしまった。いつの間にかカタカナを覚えちゃって「今度出るスペシャル・イシュー(増刊号)も3冊欲しいんだけど…」と広告までチェックしていたっけ。最後に会ったのは2002年6月、ハワイのニール・ブレイズデル・センターのバックステージ。天龍さん、馬場元子さんと一緒に行ったのだが、クリスは控室から次々とレスラーを連れてきてくれて取材に協力してくれた。そして「テンルーさんとムタとの試合をビデオで見たよ。あれはいい試合だった!」と相変わらずの日本通ぶりを披露していた。
 そんなクリスがプロレスにカムバックして再びWWEのトップ戦線で戦っているのは嬉しい限り。そのクリスと戦ったケネディも観客とのコミュニケーションが取れるいいレスラーだ。
 やっぱりWWEは凄い。何か熟成されたプロレスを見せてもらった気がする。

小原道由は“やる男”

 昨日は朝からバタバタしていてダイアリーを更新できなかった。そこで今日は一昨日の健介オフィス興行への後藤達俊&小原道由の乱入について書こう。
 あの日、乱入の現場は見ていなかった。外敵四天王と戦った川田、彰俊、大谷、吉江のコメントを聞こうと控室に下りていたからだ。そうしたら上から聞こえてくるざわめき。慌てて戻ってみると後藤と小原が健介オフィスの若手を場外でボコボコにしていた。山口竜志の額からは血が流れているではないか。そして割って入った健介オフィス統括の多田女史が小原に吹っ飛ばされた。
 この乱入劇が数時間後、私にも降りかかってきた。夜9時からサムライTV『S-ARENA』の収録。ここに小原が乱入してきたのである。これは私とキャスターの三田さんにとっては完全にハプニングであり、アクシデントだった。
『S-ARENA』はナマ番組だからプログラムは綿密。この日のゲストは15日の新宿FACEにおけるプレイボーイ・チャンネルと全日本のコラボ興行をプロデュースする夏目ナナさんにずっと前から決まっていた。夏目さんはGリングのイメージガール。私がGリングで仕事をすることはないから、普通だったら接点はない。この日は夏目さんが大会プロデューサー、私はコメンテーターということで貴重な接点が生まれたので、個人的には楽しみだった。番組の前半はニュース、後半は夏目さんを迎えてのコーナーということで、小原が入る隙間はなかったのだ。
 だが、この日、健介オフィス興行後に小原が『S-ARENA』スタッフに出演をゴリ押ししたらしい。当然、番組のプログラムは出来上がっているから、これは不可能な話。ところが小原は勝手に来てしまったという。その時、私と三田さんはすでに本番に入っていたから何も知らない。まずは当日のニュースということで健介オフィスのVTRが流れ、それについて喋っていたわけだが、私が後藤&小原の乱入を非難していたところ、小原が「小佐野、ふざけんじゃねぇぞ!」とスタジオに入ってきて、番組に割り込んでしまったのだ。
 舞台裏を書けば、そのあとが大変だった。小原のせいで番組が押し、夏目さんのコーナーに入ったはいいが、最後のVTR後、番組修了まで残り1分30秒! かなり無理な形で夏目さんに締めてもらった。夏目さんには申し訳ないことをしたと思う。
 さて、小原の乱入だが、スタジオに入ってきて凄い剣幕で食ってかかってきた姿に覚悟を感じたのは確か。多田女史を吹っ飛ばした件について様々な意見が飛び交っているようだが、良くも悪くも昔気質のプロレスラーである小原は、自分のプロレスラーとしての行動を邪魔する人間には容赦がない。私にしても口論となった時に「これはちょっとヤバイな」と内心では思っていた。テーブルを蹴り飛ばされたが、そこにはボコッと穴が開いていた。
 どうやら3月の博多で勝彦以下の若手が迎撃するようだが、小原は“やる男”。半端ではないぞ。
 

新生マイケルにマジで期待!

 昨日は新木場プロレスデー。12時からDDT、15時半と19時から望月成晃プロデュースの『武勇伝』と1日3興行だった。11時半過ぎに会場に行くと、すでにモッチーも待機。でも私が取材したのは、実はDDTだけ。夕方までにどうしても終えなければいけない仕事があって、さらに夜には人と会う用事があり、『武勇伝』は取材できなかったのだ。モッチー、正直すまんかった!
 さてDDTは3・9後楽園に向かっての大会。ベルト・キラーと化し、プロレスのベルトも一般人のベルトも区別がつかなくなった矢郷良明がマッスル坂井のコスチュームのベルトへの挑戦を表明。タノムサク鳥羽は男色ディーノのエクストリーム王座への挑戦をぶちあげた。そしてメインではヤスウラノがタッグマッチでKO-D王者HARASHIMAと激突、前哨戦を制している。
 と、いろいろあったが、私のお目当てはメイン終了後のボーナストラック。DDTを自由契約となった中澤マイケル争奪のインディー団体ロイヤル・ランブルだ。参加選手及び団体は長井満也(ドラディション)、小笠原和彦(押忍闘夢)、サバイバル飛田(埼玉プロレス)、佐野直(グレートプロレス)、ガッツ石島(ガッツワールド)、キラー・トーア・マスター(FUCK!)、チェリー(ユニオンプロレス)、金的桜ヶ丘(学生プロレスHWWA)、GENTARO(アパッチプロレス軍)。
 小笠原先生の試合を観るのは久しぶりだし、飛田をナマで観るのは何年ぶりだろうか? ガッツ石島、マスターを観るのは初めてだし、学生プロレスを観るのもメンズ・テイオーの学生時代以来のような気がする。ある意味、私にとって贅沢なカードなのだ。
 ルールは簡単。マイケルをフォールした選手の団体がマイケルと契約を結び、もしマイケルが最後まで残ればDDTと再契約ができるというもの。レフェリーは何が何でもマイケルを他団体に放出したいDDT社長の高木三四郎が務めた。
 ロイヤルランブル形式だから選手が90秒毎に入場するわけだが、一番手はもちろんマイケル。続いて入場はFUCK!のマスター。さすがにマイケルもどインディーには行きたくない。「このどインディーが!」と怒りのラリアット、そしてオーバー・ザ・トップロープで一蹴だ。3番手は長井!「ドラディションなら入りたいです!」と自らダウンして長井のフォールを促すマイケルだったが、これは三四郎レフェリーが認めなかった。
4番目の学生プロレスの桜ヶ丘は「お前が一番、プロレスをナメている!」と、マイケルと長井にふたりがかりで場外に放り捨てられてしまった。5番手はチェリー。マイケルが倖田來未ばりの不適切発言を浴びせて観客のヒンシュクを買う場面も…。
 その後、佐野、石島、飛田、小笠原先生が相次いで入場してくると、徐々に収拾がつかなくなって、三四郎が「ヤバイ、グダグダしてきたーっ!」と頭を抱えるような展開になったものの、ここで試合を締めてくれたのが“インディーの職人”GENTARO。チェリー、ガッツ、長井、飛田を次々に場外に放り出すシビアさでピシッと締めてくれた。
 だが、最後にほくそ笑んだのは小笠原先生だった。何とレフェリーのはずの三四郎が小笠原先生に加担してマイケルにスタナー一閃。小笠原先生が難なくフォールして、マイケルは押忍闘夢所属に決定。実は三四郎は、最初からマイケルを押忍闘夢に入れるつもりだったのだ。
「マイケル、お前の弱点は“場の空気が読めない”“ギャクが寒い”の2つだ。だけど小笠原先生は空気が読めなくても、ギャグが寒くても、そんなのは一切関係ない。超越している。お前も先生の下で一から修行するんだ」
 と、三四郎。今後、マイケルは押忍闘夢所属としてDDTに参戦する模様だ。
 これで少なくともDDTのリングでは、昨年ブレークしたヌルヌル・ブラザースとしてのキャラは封印されてしまうだろうが、あのヌル・ブラを単なるキワモノで終わらせずに「巧い!」と唸らせるプロの職人芸にしたマイケル。それだけに新生マイケルに期待したい。私は真面目にマイケルを買っているのだ!

デスマッチ三世代闘争

 昨日の大日本プロレス後楽園大会ではシャドウWXがやってくれた。昨日のメインは伊東竜二&シャドウWXと佐々木貴&宮本裕向の蛍光灯デスマッチ。1・27名古屋でアブドーラ・小林をフォールしている宮本がこの日に結果を出せば1年ぶりにデスマッチ王座に挑戦という流れの中でWXが宮本を旋回式ブレーンバスター(ツイスター)でフォールしたのだ。
「毎回、同じチャンピオンで楽しいか? 宮本が挑戦? 100年早いんだよ、この野郎! 人がニコニコしてると思ってナメてんじゃねぇぞ!」
 と伊東への挑戦をぶち上げたシャドウWXに会場は大爆発。ダイニッポン・コールが自然発生した。
「俺は3代、5代、7代のデスマッチ王者だから。俺は苦労してここまできたから、昔より怖い俺だよ。大日本のデスマッチのレベルをもうちょっと上げないと。佐々木だ、宮本だって他団体にいい顔させないで、大日本内でレベルアップしないといけないでしょう。宮本が文句言うなら何回だってやってやりますよ。この後楽園で火を使えなくしたのは俺だけど、今度は火まみれにして、どこの団体に出ようが通用する俺のラリアットでぶっ倒してやりますよ」
 というのがWXの主張。
 WXは大日本のデスマッチ路線の最初の世代だ。本名でIWAジャパンでデビュー後、12年前に大日本に移り、ミスター・ポーゴに弟子入りして鍛えられた。デスマッチ初代王者がポーゴで2代目が松永光弘。その松永を破って第3代王者になったのがWXだ。その後、アブドーラ・ザ・ブッチャーにベルトを奪われたが王座を奪い返し、山川竜司に奪われるも、これも取り返した。99年11月に山川に奪われて以後は同王座についていない。そこからデスマッチ・ファイターは新世代に突入していった。
 元々、WXは穏やかな性格だけにこのまま埋もれてしまうのかと思いきや、昨年からのリキプロとの抗争から存在感を発揮してここまで来た。数多くの修羅を経験してきた男が本気になったら、これほど怖いことはない。大日本のデスマッチ戦線は第一世代のシャドウWX、現王者の第二世代の伊東、そして第三世代の宮本…三世代闘争に突入したと言っていいだろう。
 この日は見所が多かった。マンモス佐々木と関本大介のWEW選手権はラリアット、チョップが真っ向から火花を散らす真っ向勝負。小細工なしのこの戦いはプロレスの本来の面白さ、迫力を見せつけてくれたと思う。アパッチの黒田&GENTAROと組んだNOSAWA論外は、東京愚連隊として大日本、アパッチの両方に喧嘩を売るというしたたかさを見せていたし、あのアブドーラ・小林をヌルドーラ小林に、怨霊をヌル霊にしてしまったメンズ・ワールドはいつも通りの面白さ。
 その他にも第1試合の大橋篤VS星野勘九郎(プロレスリング・ガロガ)、第2試合の小幡優作(アパッチ)、今井計(大日本)、末吉利啓(EAGLE)VS松田慶三(IWAジャパン)、矢野啓太(バトラーツ)、小部卓真(IWAジャパン)が若手らしくて気持ちのいい試合だった。チーム03の松田はベテランだが…。
 32選手参加の全7試合…非常にボリュームのある大会で満足でした!
P.S. 昨日の書き込みに「8・26特集号に武道館の前に並ぶ子供で私に似た子供が写っているが…」というのがありました。それは79年8月26日、日本武道館で行なわれた『プロレス夢のオールスター戦』のゴング増刊号のことだと思いますが、モノクロ・ページに私が写っている写真は確かにあります。ただし、武道館前に並んでいるのではなく、ファンクラブ仲間とジャレている写真ですが…。ちなみに当時の私は高校3年生です。また、竹内さんですが、順調に一歩一歩、回復に向かっていると聞いています。早く元気になられることを私も願っています。

キラー・ハルク

 ドラゴンゲートには本当に様々な流れがある。昨日の後楽園ホールは私にとって今年初めてのドラゲー。見所が満載で気が抜けなかった。
 昨日の柱は土井吉と新岩のツインゲート戦。新岩が2代目王者になり、土井吉は先に鷹木信悟&ハルクにGHCジュニア・タッグを奪われており、タッグ無冠になってしまった。そして新王者チームにCIMA&ドラゴン・キッドのCK1が挑戦の名乗りを上げた。
 そんな大きな流れとは別に注目はハルクVS神田の喧嘩腰の抗争、ハルクとYAMATO、土井と吉野の仲間同士の険悪な関係だ。
 タッグで当たったハルクと神田はおよそドラゲーらしくない大乱闘。最後は神田の背後から脳天にイスを振り下ろしたハルクが反則負けに。そのハルクは仲間のYAMATOに対しても「お前がニューハザードの足を引っ張ってるんだよ!」と喧嘩を吹っかけている。アイドル的イメージが強いハルクだけに、こうした荒々しい“キラーの部分”が顔を出すのはいいことだと思う。そんなハルクに対して「何がキラー・ハルクだよ。ただの酒乱じゃねぇか!」がYAMATOの言葉だ。
 タッグ無冠になった土井吉は試合後にお互いに責任を擦り付け合う仲間割れ。これには女性ファンから悲鳴が上がった。昨年のタッグMVP候補だった土井吉だが、今年はお互いに違うステップを踏もうというのか。
 ハルクとYAMATOの諍いはニューハザードを、土井吉の諍いはマッスル・アウトローズを揺るがす問題。両ユニットは次回の後楽園ホールで大江戸式カウントダウン・イリミネーションマッチで激突する。そこでどんな流れが生まれるのか? 今年もドラゲーからは目が離せない。そして、個人的にはハルクの弾けっぷりに期待している。
 

取材拒否は単なるデマ

 昨日、以下の書き込みがありました。
「Gスピリッツの月刊最終号にNOAHの記事が出なかった理由を教えて下さい。一説には取材拒否と聞きます。小橋の表紙は謝罪しても許してもらえなかったのですか? ノアはそれほどまでに傲慢なのですか? もしそうだとしたら、マスコミはなぜ戦わないのですか?」
 まずGスピリッツ第5号にノアの記事がなかったことに特別な理由はありません。あの号は東京ドーム大特集、そして大晦日&1・4東京ドーム、マスカラス特集の3本柱だったというだけです。本来なら、なるべく多くの団体を取り上げたいのですが、大きな特集を組むと物理的に無理になります。ノア、全日本関係の記事がなかったのはそれだけのことです。
 それから取材拒否というのは単なるデマ、噂に過ぎません。第4号の表紙の件は完全にこちらサイドのフライングでしたが、12月2日の小橋復帰戦の前にすべて解決しています。
 こうした噂はGスピリッツ、あるいはノアに悪意を持った人たちが流しているとしか私には思えません。
 

小島は真のヒールになれるか?

 現在の私は週刊誌や新聞の記者ではないので記者会見にはめったに顔を出さないが、昨日はTARUがオーナーを務めるバーで小島聡が記者会見をやるというから足を運んでみた。来たる3月1日、両国国技館で健介の三冠王座に挑戦する小島は、記者会見を開いた理由を、
「せっかく三冠戦が決まっても、王者の健介が盛り上げに貢献していないから、自分の方からいろいろ言わせてもらう。健介政権は全日本プロレスにとって、プロレス業界にとってよくない。健介がトップにいたら業界が盛り上がらない」
 と語った小島は、健介について以下のように斬っていった。
「俺が勝つのは当然であって、俺はそれより先を見据えているから。ただ勝つんじゃない、今までにないくらい惨めな負け方をしてもらう。ブードゥー全員でかかってこいって? あまりにもベタな発言でチャンチャラおかしいよ。…チャンチャラおかしいもベタだけど(苦笑)。まあ、健介の技を全部受けてやってもいいし。その上で俺にやられたら、これ以上の惨めさはないだろう」
「次のシリーズは北斗晶が付いてくればいい。健介は北斗がいないと所詮、何もできない男だから。ピンチになったら北斗に駆け寄ってアドバイスしてもらえよ。だいたい俺は北斗が生理的に嫌いなんだ」
「タレントとしては尊敬しているよ。でもプロレスラーとしては何一つ尊敬に値するところはない。今の健介の体を見たら、いかに練習を怠けているかわかる。両国が終わったらキッチリとタレントに転向しろ」
「健介は俺のことを若手の頃にしごいたと思っているだろうけど、今振り返ってみれば、感謝するところは何もないな。まあ、入門してから散々いじめられて…この太い右腕は健介、お前が作ったんだ。その辺だけは感謝してやるかな。今の服は右の袖だけ太くしている特注品だから。今の俺の右腕は健介より太いよ」
 かつてはコメントすると人の良さが丸出しになっていたことを考えれば、これだけの言葉を並べられるだけでも今の小島がヒールとして生きていこうというのがわかる。普通に考えたら、小島の立場で健介を「健介!」と呼び捨てにすることすらためらわれるはずだ。
 91年に新日本に入門した小島は、健介にとっては道場で指導を始めて2年目の新弟子。夢中になって教えただろうから、相当に厳しかったはず。それに対して小島は“いじめ”“感謝はない”と言ったが、素の小島にはやはり感謝があるはず。その証拠にコメント中にポロッと感謝の言葉が出てしまった。
 だが、3・1両国では感謝の部分は置いておいて、その当時に感じたはずのナマの憎悪をぶつけるべきだ。そこで初めて小島のヒールとしての迫力、凄味が出ると思う。ヒールは演じるものではない。小島の内面から出るヒールの匂いを3・1両国では感じてみたい。
 

お詫び、訂正&返答

 今日は書くネタがないので、お詫び&訂正、それからコメントへの書き込みに対する返答をさせてもらいます。まずはお詫び&訂正です。昨日の『健介オフィスの新人へ…』について赤猫さんから
「起田選手の出身はアメフト(オービックシーガルズ)だったと思うのですが」
という指摘がありました。その通りです。ラグビーで日本一は私の勘違いでした。アメフトの日本一ですね。ここでお詫びするとともに訂正させていただきます。
 以下は、寄せられたコメントへの返答です。
「Gスピが月1販売ではなくなります。大丈夫ですか? 個人的には毎月購読しているので残念です」
A=毎月楽しみにしていた読者の方々には申し訳なく思っています。不定期になったのには当然、大人の事情というものもありますし、また作り手側としてはジックリと丁寧に作りこんでいきたい…今までにないプロレス専門誌をキッチリと作っていきたいという気持ちが強くあり、5ヵ月連続で出版するのはキツイ部分もありました。もちろん、理想は月1回発行なので、今、あらゆる面で見直している最中です。モバイルGスピリッツで編集長の清水さんが語っているように近々、発売日を発表できるでしょうし、ホームページも開設される予定です。もうしばらくお待ちください。
「ターザン山本!さんもいらっしゃってたんですね。何か景気のいい話はされていませんでしたか。夢とか未来とか」
A=これは1月31日の馬場さんを偲ぶ“70歳バースデー・パーティー”の件ですね。山本!氏は遅れて来たために気付いたら会場にいたという感じで、私は話をしていません。
「ぜひ、そのスマートなチップの払い方を教えていただきたかったです。特別なことなのかな? それともタイミングですか?」
A=これは私がハワイで馬場さんから学んだことへの質問ですが、正直な話、特別なことではありません。その当時の私は二十代半ばの若造で海外経験も少なく、お金がなかったのでチップを払うような店にはほとんど行ったことありませんでした。もちろんクレジット・カードで支払う際のチップの付け方も知らなかったので、馬場さんのチップの払い方(現金、カード共に)が凄くカッコよく見えたわけです。実際は常識的な、基本的なことだと思いますが、それ以来、私も堂々と(?)チップが払えるようになりました。
 これは馬場さんの話からは外れますが、かつて天龍さんはハワイでピンクパレスと呼ばれるロイヤル・ハワイアンという老舗ホテルをよく利用していましたが、天龍さんのチップの払いのよさが評判になり、天龍さんがサッと手を挙げると、ホテルの従業員が一斉に駆け寄ってきたというエピソードがあります。
 ということで、本日のダイアリーでした!

健介オフィスの新人へ…

 我々、プロレス・マスコミの人間にとっての楽しみのひとつにレスラーの成長を見続けるというのがある。入門から練習生、デビュー、そしてステップアップしていく過程を見られるのは記者冥利につきる。私の場合、現場担当記者時代の小川良成、佐々木健介、小橋建太、菊地毅、北原光騎、折原昌夫、望月成晃などが印象に残っている。もうデビューはしていたが三沢光晴、川田利明、冬木弘道、ターザン後藤には一緒に成長してきた同志的な感覚がある。
 さて昨日の『S-ARENA』には健介オフィスの3人の若者がやってきた。去年の9月にデビューした山口竜志、来たる2・11後楽園ホールでデビューする起田高志、宮原健斗だ。竜志と起田&健斗の間のキャリア差はわずか5ヵ月になるわけだが、すでにプロレスラーの竜志と、これからデビューする2人とは全然違う。竜志は全日本のリングに上がり、勝彦の怪我によって否応なしに健介のパートナーとして上位で試合を組まれ、連日のようにみのるなどの先輩にボコボコにされ、試合後には健介に怒鳴られ…という日々を経験してきたから、キャリア5ヵ月といっても、濃密な時間を過ごしてきたのである。
 起田はラグビーで日本一になった男。平成元年生まれの健斗は、健介と北斗からリングネームを貰ったのかと思いきや、これが本名だという。ただし「どうして健斗っていう名前になったのか、両親に聞いたことがないのでわかりません」とのこと。その由来はどうあれ、何だか運命的なものを感じる。
 2人とも口にしていたのは「技術じゃなくて、この1年間、きつい練習をやってきた気迫、いろんな想いを見せたいです」ということ。そう、それでいいと思う。健介も北斗も健介オフィスを団体にした理由について、
「本物のプロレスラーを育てたい。強いレスラーを育てたいから」
 と言っていた。だから練習は本当に厳しい。その厳しさを乗り越えてデビューに漕ぎ着けたのだから、堂々と胸を張ってリングに立ってほしい。自信を持って試合をしてほしい。君たちは選ばれし者なのだ。

硬軟両立!2008年のDDT

 昨日の東京は2年ぶりの大雪。正直な話、12時開始のDDT後楽園大会への足取りは重かった。ところが会場に入るや、聞こえてきたのはMIKAMIの歌声。そうか、今日は11時40分からダークマッチならぬ、MIKAMIのダークミニライブだった。普段はレジェンド軍が勝ったらMIKAMIが黄金のマイクで歌うのが恒例になっていたが、絶叫系の歌が多いために試合後に歌うのは本人的にも辛いはず。だが、ライブに専念すれば声も伸びるというものだ。こんな雪の日の試合前にこうしたお楽しみがあるとトクした気分になる。こういう遊び心がDDTのいいところなのだ。
 その一方でこの日のラインナップはどちらかというと硬派。メタル・ヴァンパイアとしてお笑いの要素を封印、ヒールに徹する大鷲と諸橋晴也がベビー・ターンしたKoo&諸橋正美を蹂躙。ディック東郷とアントーニオ本多の師弟対決もシリアス・モードの試合である。キャラの面白さで支持を得てきたアントンだが、昨年暮れからはお笑いを封印して東郷に挑んでいる。この抗争はアントンにとって“まっとうなレスラー”としても独り立ちするためには避けて通れないものなのだろう。あの東郷相手に腕の取り合いなどに付いていくアントンの技術、そして試合への集中力に注目してもらいたいと思う。
 セミ前にはKO-D王者HARASHIMAとゼロワンMAXのUN王者・佐々木義人がタッグ対決。義人のパートナーになった柿本がHARASHIMAと義人の対決を阻止する(?)というKYキャラを演じて“DDT遊び心テイスト”も加わったが、これも基本的には真っ向勝負だった。
 セミでは飯伏のインディペンデントワールド世界ジュニア王座にデビュー10周年のタノムサク鳥羽が挑戦。鳥羽の試合に対する集中力と気迫は素晴らしかった。お互いにノーガードで相手に体をさらしての打撃戦はプロレスでしか有り得ない展開である。フラフラになりながら「もっと打って来い!」と飯伏に顔を突き出す鳥羽は最高にカッコよかった。
 こうして全体的に硬派な感じで進んだが、メインエベントはお楽しみマッチ。次期KO-D王座挑戦者決定ロイヤルランブルだ。これは挑戦者を決定すると同時に、解雇を言い渡されている中澤マイケルの進路が決定する試合。もしマイケルが優勝すれば、DDTとの契約も勝ち取れるというものだ。
 何とか解雇にしたい社長の三四郎は出場順のトップにマイケルを指名、自らは2番目に有刺鉄線バットを手に登場してマイケル抹殺を目論むがマイケルは粘る。結局、最後に残ったのはマイケルとヤスウラノだったが、ここでマイケルは惜しくも敗退。これによって2月10日の新木場大会でマイケルを欲しがるインディー団体によるマイケル争奪ドラフト・バトルロイヤルが行なわれるというのが話のオチだった。
 ここまでマイケルをいじるのは、それだけマイケルに魅力がある証拠。昨年、松永とのヌルヌル・ブラザースで人気を博したマイケルは、そのキャラだけでなく、インサイドワーク等の技術を磨いてきた。それが今、活きようとしている。2・10の結末がどうなるにせよ、マイケルは今年注目の男である。
 さて、ロイヤルランブルの結果、3・9後楽園でHARASHIMAへの挑戦者はヤスウラノに決定した。ここには2人のプライベートなドラマがある。
「お客さんは知らないことだけど、俺とお前は10年前からの知り合いだよな。それがこうやってタイトルマッチがやれる。今度の後楽園ではいい試合をしよう」
 というHARASHIMAの言葉に号泣するウラノ。だが次の瞬間、握手と見せかけて急所キック!
「10年前に出会ったことなんかすっかり忘れちゃったよ! お前なんかに興味ねーよ! 俺が興味あるのはベルトだけ。俺にとってのいい試合っていうのは俺が勝つことなんだよ!」
 マスクマンのHERO!としてデビューしたHARASHIMAはプロフィールをほとんど公開していないし、ウラノも基本的なプロフィールしか知られていないから、10年前に何があったのかは言及しない。ただ、今度のタイトルマッチは2人にとってとても大事なものなのだ。きっと大勝負になるだろう。
 またDDTは3・16新木場でスポーツライクなプロレスを目指す新ブランド“ハードヒット”を立ち上げる。これは従来のプロレス・ルールにロスト・ポイント制を導入する。選手の持っているポイントは5ポイントでダウン、ロープ・エスケープで1ポイント原点となる、かつてのUWFルールのようなもの。そのエース的存在になると思われる飯伏は4・11ボストン~4・19シカゴ(全4大会)の日程でROH遠征が決定した。
 王者HARASHIMA、飯伏といった若い力による真っ向勝負のプロレス、新ブランドのハードヒット、従来のプロレス・ファンの心をくすぐるネタと遊び心などなど…2008年のDDTは硬軟両立を目指す!