ノアの若い力

 昨日は新宿FACEの全日本とプレイボーイ・チャンネルのコラボ興行に行くか、ノアの後楽園ホールに行くか迷ったが、青木篤志&谷口周平の十番勝負が見たかったのでノアに行ってきた。
 私は青木には早くから目をつけていた。初めて喋ったのは一昨年9月9日の日本武道館だったと記憶している。当時、キャリア9ヵ月の青木はムシキング・テリーと一騎打ち。普通なら“僕らのヒーロー”テリーのワンマンショー的な試合になるところが、青木はこれを拒絶。得意の腕ひしぎの布石としてロープや鉄柱を使っての腕攻撃、急所攻撃で挑発、さらにオリジナル技のアサルト・ポイント(当時はまだ名前が付いていなかった)を爆発させて食い下がり、自分のカラーを出したのだ。
 そんなファイトに興味を持って話を聞いてみると、
「ただ闇雲にやっても面白くないと考えていたんで。急所打ちですか? 向こうは僕がクリーンに来るだろうと思っていたはずだから、狙ってみました。僕はヒーロー志向じゃないんで。僕はちっちゃいのでダメージを与えるというよりもスピードで丸め込む感じですね。こういうシングル戦は頼る人がいないんで自分で何とかしなくちゃいけないから勉強になります。秋山さんには“近い先輩と当たる時は意地を見せなきゃ駄目だ。やられたら、やり返せ。やり返せなくても根性見せてぶつかっていけ。そうすれば体力も付く。やられっ放しで休んでいちゃ駄目だ”と言われています。毎日勉強して、自分のスタイルを作っていきたいと思ってます」
 という答えが返ってきた。当時の青木は秋山の付人。しっかりと秋山の遺伝子を受け継いでいるんだなと感心したものだ。
 そして昨日はKENTA相手の十番勝負。あのKENTAに奇襲攻撃を仕掛け、当たりの強いKENTAの打撃に対しても退かない。やられっ放しではないのだ。それどころか、打撃の応酬から腕を取ったりとKENTAを翻弄する場面もあったのだから立派。最後はgo2sleepに沈められたが、KENTAも、
「自分の頭で考えてやっていると思うんです。得意技に持っていくプロセスもしっかり考えていると思うし、多分、これから技も増えてくるだろうから、手強い相手になりますよ。今のまま、いろんなものを吸収してやっていけばいいと思います」
 と、合格点を与えていた。
 ヘビー級の新鋭・谷口については、私的には歯痒さを感じていた。体もある。パワーもある。アマレスという下地もある。だが、それが活かしきれていないというか、自分自身でもてあましているように見えたからだ。ひょっとしたらプロレスに向いていないんじゃないかと思ったこともある。
 それが十番勝負の第1戦で健介と当たったことによって覚醒した感じ。この日の森嶋戦でも、あの145キロの森嶋をフロント・スープレックス、パワースラムでたたきつけ、ヒップアタックを受け止めてジャーマンで投げ捨てるなど、潜在能力をフルに発揮した。
 受けるだけ受けて、最後はラリアット→バックドロップで勝利した森嶋は、
「俺を投げたところで勝てるもんじゃないよっていうのをわからせたかった。今、あいつが使っている技を全部使ったら、その後はどうするの? それが課題だね。考えるきっかけになればいいと思う。アマレスをベースにやっていくのか、どういうスタイルを見つけていくのか。プロレスで上に行くには自分のスタイルが必要だから」
 と厳しい言葉を口にしていたが、今の谷口は持っているものをすべて吐き出すぐらいでいいと思う。そこから、どういう風に“プロレスラー、谷口周平”を構築していくかである。
 年末に青木、谷口がどうなっているか? 凄く楽しみだし、そこにはノアの未来があるはずだ。

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