27年前のアメリカ縦断

 今朝の朝日新聞を読んでいたら、今時の大学生、短大生は卒業旅行に何回も行くのだとか。いい時代になったもんだ。それだけ就職状況も好転しているということだろうし、アルバイトでお金も稼げる。それにJTBのガクタビとか、学生向けに安いパックツアーも多く出回っているから海外に出やすいんだろう。若者よ、行ける時にいろいろなところに行くべし!
 と、オジサン臭いことを書いてしまったが、私が大学生の頃…ニ十数年前は海外に行くというのは金持ちか、変わった奴しかいなかった。だって『ウルトラクイズ』で「みんな、ニューヨークへ行きたいかーっ!?」って福留さんが叫んでいた時代なのだ。
 私の場合、大学を卒業せずに中退してしまったから、もちろん卒業旅行なんてなし。だが、未だにいい思い出になっているのは大学2年生の夏休みに8月3日出発~8月27日帰国の23泊25日の日程でアメリカ・プロレス旅行をしたことだ。
 当時、私はゴングでアルバイトを初めて1年数ヵ月。あの頃、アメリカはまだプロレスの本場であり、ナマでアメリカン・プロレスを観ることはプロレス・マスコミの間でもひとつのステータスになっていた。新人レスラーが海外武者修行で箔をつけるのとまるっきり同じだ。東スポの山田隆さんから聞くアメリカでの体験談を聞くのは原稿取りに行った時の楽しみだったし、竹内宏介さん、ウォーリー山口さん、当時は大学生だったジミー鈴木さんもアメリカに相次いで行った。「こうなったら俺も!」と、ゴングのアルバイトでコツコツ貯めた80万円を総資金にアメリカに旅立ったのである。
 当時は今のようにパックツアーが一般的になっていなかったし、プロレスを観るならパックツアーでは無理。完全なる個人旅行だ。東京ーサンフランシスコ間の往復チケット、現地でのデルタ航空のラウンズチケット、グレイハウンド・バスの1ヵ月パスを購入していざ出発。頼りになるのは『地球の歩き方』だけだった。
 今、思うと無謀な旅だった。初日はサンフランシスコからルイジアナ州のニューオリンズに入ったが、飛行機が遅れて夜中に着いたため、空港でイエローページをペラペラめくりながらホテルを探した。その後もホテルは予約しないですべて飛び込み。それも『地球の歩き方』に載っているホテルしかわらない。クレジットカードを持っていなかったから、常にディポジットを払わなきゃいけない。何もかもが現金払いだったから、毎日残りの現金を日割り計算して1日いくら使えるか計算していた。金欠気味になってからは夜中にグレイハウンドに乗って移動すると同時に宿泊代を浮かしたし、帰国時にはホテルから空港までのタクシー代が足りなくなってドライバーにまけてもらい、最終的に持っているのは日本円の2千円だけというギリギリの旅だった。
 でも可能な限り試合は観た。①ルイジアナ州バートンルージ②フロリダ州マイアミ③フロリダ州ウェストパームビーチ④ミズーリ州セントルイス(キール・オーデトリアム)⑤ミズーリ州セントルイス(TVスタジオ)⑥ジョージア州アトランタ⑦フロリダ州タンパ⑧テキサス州ヒューストン⑨テキサス州サンアントニオ⑩テキサス州ダラス⑪テネシー州ナッシュビル⑫ケンタッキー州ルイビル⑬ノースカロライナ州シャーロッテ⑭ウェスト・バージニア州リッチモンド⑮ニューヨーク(MSG)と15大会も観ることができたから初アメリカとしては上出来だったと我ながら思う。
 学生の皆さん、時間があるうちにいろいろなことを体験しましょう。きっと将来、役に立つし、いい思い出になりますよ。

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