トリプル・ヘッダー

 昨日は1日で3大会を観るという強行軍。12時から後楽園ホールのみちのく、16時からディファ有明のノアSEM大会、18時30分から後楽園ホールに戻っての新日本というスケジュールだ。
 みちのくはサスケと佐藤兄弟の宇宙大戦争が目当てだったが、強く印象に残ったのは義経にハッピーマンが挑戦したメインの東北ジュニア・ヘビー級戦。義経は素顔時代から数えるとキャリア4年半。ハッピーマンは5年。ただし試合数を考えれば、もっと浅いと言っていい。そんな2人がみちのくの東京大会のメインを務めたのだ。義経は本当に天才。どんな空中殺法をやっても余裕が残っていて正確。それこそ初代タイガーマスク以上の素質だと思う。「時代が違っていたら…」と思う選手だ。また素顔の義経の性格が天然だけに、リング上を見るとなおさら天才だと思ってしまう。
「このベルトの価値を俺たちの世代で上げていく」
「みちのくは俺が守る!」
 そんな言葉を口にする義経を見ると、本当に成長していると感心する。このまま2008年も伸びていってほしい。ただし、怪我だけには気をつけてもらいたいものだ。
 後楽園からディファ有明に移動。試合開始前には到着した。今回のSEMは豪華カードだ。オープニングでは、今年のジュニア・タッグ戦線でお互いに高め合った鈴木鼓太郎と石森太二が来年のジュニア戦線を睨んで激突。第2試合ではGHCジュニア王者・金丸に来る1・18栃木で川畑の白GHCに挑戦する伊藤がアタックした。第3試合は1・20後楽園ホールでの十番勝負第1戦で健介と対戦することになった谷口がヨネと激突。休憩時間後の第4、5試合は師匠VS付人で田上VS平柳、三沢VS太田。セミは青木が秋山と十番勝負第1戦、メインは森嶋&潮﨑VS丸藤&KENTAだった。SEMのコンセプトは若手による大会だが、このラインナップは後楽園ホール級。それだけ若い人材が育っているということだ。
 ヨネとのバチバチ・ファイトでKOされた谷口だが、やはりヘビー級の馬力と頑丈さは魅力。この日のように弾ければ、健介ともいい試合になるはずだ。師匠VS付人では田上、三沢の優しさが見えた。共に若い人間の攻撃を真っ向から受け止めて、田上は喉輪落としから俺が田上、三沢はタイガー・ドライバーからエメラルド・フロウジョンと、共に必殺フルコースで仕留めた。「顔じゃねぇ!」といなすのではなく、きっちりと自身のフィニッシュ技を使って、そのダメージを体で教えてやる。特にツバ吐くなど、悪態をつきまくった平柳に肩を貸しながら引き揚げていった田上の姿は微笑ましかった。
 この2試合とは対照的に青木と同じ目線で戦ってシビアに潰しにかかったのが秋山。それは十番勝負という意味合いもあるし、青木がそのレベルまで来ているという証拠。そして「ここまでやれれば、あとの9戦も乗り切れるだろう」という秋山ならではの厳しい優しさだと思う。
 メインの森嶋&潮﨑VS丸藤&KENTAはこれからのノアのメイン。ここ1~2年、“ノア新時代”という言葉が使われるが、あと1年経ったら、この4人が間違いなくノアを引っ張っているのではないか。
 このSEM興行後、後楽園にUターンしたのが20時ちょっと前。前半戦が終了した休憩時間中だった。お目当ては棚橋VS井上亘のIWGPヘビー級王者VSジュニア・ヘビー級王者だ。これも感慨深いものがある。98年に入門テストに合格し、99年にデビューした2人(亘が少し先輩)が共にヘビー、ジュニアの頂点に立って戦ったのである。棚橋も試合後に「ヤングライオン時代の楽しさ、悔しさ、恥ずかしさ…すべての気持ちが甦りました」と言っていた。
 メキシコを経て、勢いだけでなく巧さを身に付けた亘、後楽園の亘人気に対してヒール的なファイトで試合を組み立てていった棚橋。今の2大チャンピオンは強さよりも巧さが目立つ。ひょっとしたら、これを物足りなく思うファンもいるかもしれないが、私はいいと思う。今までのキャリアの中で2人が積み上げてきたものなのだから。
 みちのく、ノア、新日本…3大会を通して観て、主役になっていたのは若い世代。プロレスの場合は時代がゴロッと変わることは難しいが、ジワジワと世代交代が成されていることを実感した。

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