マンモス佐々木の戴冠に思うこと

 FMWのテーマが流れる中、リングサイドに殺到し、新WEW王者マンモス佐々木に群がるファン。それは、どこかで見た懐かしい風景。そう、紛れもなくFMWだ。マンモスの姿は大仁田厚、ハヤブサのダブって見えた。
 ここ最近、私はマンモスについて『S-ARENA』で厳しいコメントを出してきた。「冬木さんが巻いていたWEWのベルトは絶対に俺が取り戻す!」「新生アパッチを引っ張る」という発言の一方で大事な時にコロコロ負けていたからだ。しかもその内容自体も褒められたものではなかった。
 だが、昨日の後楽園ホールでのマンモスは違った。正調の黒タイツ、黒シューズにもその決意が表れていた。そして試合では王者・矢野に血ダルマにされながらもアパッチ・ファンの声援に背中を押されて踏ん張った。昨日の観客動員数は1100人。7月20日の後楽園大会に比べたら300人増えたとはいえ半分の入り。だが、そのお客さんがピュアで熱く、観客の少なさを感じさせない。つくづくファンとはありがたいものである。そうしたファンの心意気にマンモスが応えた。最後は必殺29歳で矢野を粉砕だ。
 大相撲の東関部屋時代からプロレス・ファンで、大仁田厚の泥臭いプロレスにハマってFMW信者になり、97年に相撲を廃業、入団テストに合格してFMW入りしたマンモス。ハヤブサ、田中、金村、黒田の頑張りを見、エンターテインメント・プロレスを目指した冬木の生きざまも目の当たりにしてきた。FMWのすべての要素を見てきたマンモスにとって、今回の戴冠は感極まるものがあっただろう。
 だが、マンモスは涙を見せなかった。その表情は厳しかった。初防衛戦を10・22後楽園に定め、挑戦者に葛西を指名した。「これぞ新生アパッチ!」を見せつける大一番である。
 マンモスが王者になったことでアパッチは新しいスタートを切った。10・22は「後楽園ホールを満員にする!」という当面の目標に向けての重要な大会。FMWの遺伝子を持つマンモスが今のインディー界を牽引していくことができるか注目したい。

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