新生アパッチ宣言!

 15日~17日の3日連続で新木場において葛西純プロデュース興行が行なわれた。『Gスピリッツ』の原稿書きで残念ながら15&16日はパス。ようやく昨日の最終日だけは行くことができた。3日間連続で取材しているという週プロの松川記者に聞いたところ、毎日が濃い内容だったようだ。15日=素足画鋲デスマッチ、16日=7種類のアイテムを使ったタッグ・デスマッチ、そしてこの最終戦ではBJWデスマッチ王者で“デスマッチの絶対王者”と呼ばれる佐々木貴と葛西純のガラス・クラッシュ+αデスマッチである。
 2人ともデスマッチの天才だった。リングの対角線上に巨大なガラスがセッティングされたが、それを無暗に使おうとはしない。「一体、いつガラスに突っ込むんだ!?」という緊張感の中で試合が繰り広げられ、誰もが予想していない場面で葛西が貴をガラスに衝突させた。パーンと飛び散るガラス。リングの上にはその破片が広がる。だが本当に凄かったのは、ガラスが砕け散ったあとの攻防だ。
 キチ○イ・コールが爆発する中で、葛西は場外に机をセッティングして貴をガムテープで固定すると、2階のバルコニーの上からダイブ! 貴はガラスの破片が敷き詰められているキャンバスめがけて雪崩式Dガイスト! 葛西は+αのアイテムの剣山の上に貴をダルマ式ジャーマン! 去年のアブドーラ・小林戦を再現するかのように貴の後頭部に剣山が突き刺さった…。
 両者はまるでバケツで血をかぶったように全身が真っ赤。そのフィニッシュも壮絶だった。ダウンした貴の上にイスでガラスをセットし、その上から葛西がパールハーバー・スプラッシュ! 貴はもちろん、葛西だってガラスの衝撃を受けるわけだが、敢えて自分の体をも傷つけるのが葛西のデスマッチに懸ける心意気なのだ。
 ノンタイトルとはいえ、デスマッチの絶対王者が敗れた。その瞬間、新木場に葛西コールが大爆発。
「貴、この3日間よ、お前とやってきてようやくわかったよ。お前は本当にデスマッチが好きなんだな。おい、いいか…大日本の後味がいいデスマッチだけがデスマッチじゃねぇぞ。人間臭くて泥臭いデスマッチ…これがアパッチのデスマッチなんだ」(葛西)
「葛西、アパッチのデスマッチ…十分わかったよ。俺もアパッチのデスマッチが大好きだーっ!この3日間、楽しかったよ。でも、これだけは忘れるな。俺は諦めが悪いから、完全に負けたとは思っちゃねぇ。アパッチのデスマッチをまだまだやろうぜ!」(貴)
 今度は大アパッチ・コール!貴は大日本ではエースでも、所属するアパッチではたかし軍を結成して嫌われていた。アパッチのファンが貴を認めた瞬間だ。
「今の言葉、聞き逃さないぞ。大日本だけに力入れてんじゃねぇぞ。敵同士だけど、一緒にアパッチを盛り上げていこうぜ!」(葛西)
 ここで矢野に奪われたWEW王座の奪回を宣言しているマンモス佐々木を呼び込んだ。
「葛西、貴、3日間お疲れ様でした。凄いなあ。俺にはこんなことでけへんけど、アパッチにベルトを取り返してくるから」(マンモス)
「アパッチのリングに真壁を呼び込んだのはたかし軍かもしれないけど、オイシイところを取られてたまるか。真壁がデスマッチ云々と偉そうに言ってるけど、デスマッチの王者は俺だ。俺がぶっ潰してやるよ!」(貴)
「金村抜きでこの3日間やってきた。俺っちだけじゃなくて、この新メンバーでこれだけ満員にしてきたんだ。この3人の新生アパッチで、後楽園を満員にしてやろうぜ! そして俺っちは10月の後楽園で、俺が考えたデスマッチでその時のWEW王者に挑戦するから!」(葛西)
 ボスの金村は大日本の8・13岡山大会で負傷し、胸部圧迫骨折の疑いでこの3大会を欠場した。ここで若い人間たちの意地がいい形で出た。最近のアパッチは確かに興行不振。7月20日の後楽園ホールはわずか800人の客しか入らなかった。みんなが危機感を持っているのである。今回の3連戦は15日=250人(満員)、16日=300人(満員)、17日=400人(超満員札止め)と、会場の規模から考えたら大成功だったと言える。
「金村抜きで3日間、客を集めた。今まで口では“金村、黒田の時代じゃない”って言っていたけど、今日がスタートです。これから3人でスクラム組んで、絶対に後楽園ホールが満員になるように盛り上げていきます」
 と葛西が言えば、貴も、
「俺だってアパッチの一員だから。たかし軍団を作ったのもダンスを踊って、みんなで手を挙げてっていうナマぬるい団体を盛り上げるためだった。でも、このアパッチがなくなっちゃったら全部オジャンだからよ、俺らがリングで体と体をぶつけ合って、デスマッチやって、血を流し合って、盛り上げてやる。この前の後楽園は客が少なくて悲しかったし、寂しかった。きっと葛西もマンモも思っていたんだろう。今日は葛西に負けたけど、今日がスタート。何も終わんねぇよ。これからだよ、本当の戦いは」
 とコメント。こうした新世代のアクションに金村と黒田はどう対応していくのか? またアパッチには、これとは別に“デスマッチを排除した本当のプロレス追求”を謳うGENTARO、ウインガー、HI69のパルプ・パックス(通称・紙バック)もある。
 内部の問題、そして新日本との絡み…アパッチの先は読みにくい。だが「何とかしたい!」というエネルギーが充満していることだけは確かだ。
 なお、今日は新木場で橋本友彦興行が行なわれるが、ここでは佐々木貴と鈴木みのるが6人タッグで激突する。デスマッチ絶対王者と三冠王者の激突…これは見逃せない!

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