『ハッスル』の主役は

『ハッスル・エイド2007』を受けての昨日の『ハッスル・ハウス26』は見ものだった。とにかく最近感じるのは、作り込みに隙がなくなっていることだ。今回は橋本真也三回忌追善の意味も込めた『ハッスル・キング・フォーエバー』ということで、第1試合に登場した恐・イタコに破壊王が降臨。それもおふざけにならず、見事な水面蹴り、橋本そっくりのフォームのDDTを披露したのだからニクイ! ちゃんとやってくれれば、ファンは大喜びである。
 第2試合ではジャイアント・バボとアントキの猪木がタッグで“幻のBI対決”を再現。この手のパロディはハッキリ言って私は好きではない。先人たちへのリスペクトが感じられないからだ。やっぱりパロッていいものと悪いものがある。だが、リングアナとしてケロちゃんと木原オヤジを起用したあたりは隙がない。この2人がOKならば、文句も言いづらくなってしまうのだ。試合の方は、猪木は芸人だから、モノマネでいっぱいいっぱい。本人は大好きな猪木として試合ができるのだから感慨もあっただろうし、実際に試合後には涙を浮かべていた。そういった純なところは好感が持てた。また、バボがコブラツイスト、猪木が卍固めという競演シーンも演出。これは1971年3月2日、蔵前国技館における馬場&猪木VSミル・マスカラス&スパイロス・アリオンの名場面を再現したもので、こうした細かいところはマニア心をくすぐる。
 ただし、本物のレスラー、バボ…長尾クンには、馬場さんの研究が足りない。長尾クンは新日本出身だし、実際に馬場さんに触れたことがないから無理かもしれないが、上っ面のアポーだけじゃなくて、スローモーな中にも要所で緩急をつけた動きなど、馬場さんのさり気ないレスラーとして素晴らしさまで表現してこそ、レスラーがやるモノマネだと思う。
 そんなこんなをすべて吹っ飛ばしたのは、ハードゲイのコスチュームに身を包んでメイン終了後に乱入した天龍源一郎。その存在感は他をよせつけない。そして、どんなキャラになろうとも、天龍源一郎は天龍源一郎だった。かつて冬木弘道は「どんなにキャラ付けしたって、最後にはその人間が出る。ファンはそれを見る」と言っていたが、まさにその通り。あのHGに負けた意味は、これからの線を見ることによって明らかになるはずだ。
 ハードゲイ姿になっても、なおブレない天龍。今、『ハッスル』の主役は、紛れもなく天龍源一郎になった。『ハッスル』の関係者がこの天龍の覚悟にどう対応していくのか、お手並みは意見だ。

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