将斗と義人

 27日は昼のプロレスリングSUNだけでなく、夜のゼロワンMAXにも足を運んだ。第0試合の浪口VS高西を含めて全9試合がシングルマッチ。途中にタッグや6人タッグを入れて変化をつけることなく、すべてをシングル戦にするのは冒険だ。つまらない試合が2試合も続けば、お客は飽きてしまうだろうし、同じタイプの試合が続いても退屈してしまう。その意味では、それぞれにカラーが違う試合になったのだから及第点。
 さて、個人的に一番インパクトがあったのは、やはり田中将斗の復帰戦である。昨年11月に脱臼グセがついていた右肩を手術して、半年振りにのカムバック。今回の再出発に賭ける将斗の気持ちは、シェイプアップされた体に表れていた。大胸筋がパンパンに張り、無駄な肉のない文字通りの逆三角形。右肩を筋肉で固めたということもあるのだろう。試合後、肉体改造について聞くと、将斗は、
「ただリングに上がるだけなら2~3ヵ月で上がれたと思います。でも完璧に治さなければ手術に踏み切った意味がないし、リングに上がる以上は、ファンの人たちに変わったところを見て感じてもらわなければいけないでしょう」
 とニッコリ。試合は負けてしまったが、スピード、パワー、試合勘…すべてOKだった。あの大横綱・千代の富士(現・九重親方)も肩の脱臼グセを克服してから大記録を作っている。将斗のレスラーとしての充実期はこれからである。
 そして、この将斗に真っ向から勝った佐々木義人も素晴らしかった。義人は将斗に憧れてFMWの門を叩いた男。今回の将斗復帰に際しては、自ら復帰戦の相手を名乗り出た。普段は物静かな青年の義人だが、将斗に向かっていく闘志は鬼気迫るものがあった。最後のラリアットは、FMW入門から今日まで培ってきたものすべて、想いのすべてをぶつけた技だったと思う。
 この試合には、きっと2人しかわからないドラマが詰まっていたはずだ。

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