永田が見せつけるもの

 話が古くなってしまうが、一昨日=21日夜の新日本・後楽園について書きたい。この日はNJC優勝戦。勝ち上がってきたのは永田と真壁だった。こういう1発勝負のトーナメントは、時の勢いがある選手が有利。その意味でこの2人の進出は順当と言えば順当だったと思う。
 試合は真壁がGBHのメンバーも使ってのやりたい放題。中には「これが新日本の春の覇者を決める優勝戦か!?」と文句を言う人もいるだろうが、私としては是。真壁が“新日本ストロング・スタイル”の呪縛から解き放たれてヒールとしてのスタイルを確立してイキイキしているのは喜ばしいこと。客の煽りもうまい。やはりレスラーにとって一番大事なのは、自分を活かすキャラクターを確立することだ。
 対する永田は、そんな真壁をすべて受け止めた。試合後、真壁のファイトを非難することもなかった。あらゆるファイトを受け止められなければ新日本の看板を背負えないことを永田は知っている。
 そして勝ったのは永田。今の永田には、本人が言うように「風が吹いている」と思う。02年4月から翌03年5月まで第31代IWGP王者として10回防衛の記録を作ったにもかかわらず、それ以降、今日まで丸4年も挑戦権すら与えられなかったのである。
 永田はバランス感覚を持つ頭のいい男だから、自分を殺してしまうことが多かった。新日本がガタガタするたびに捨石的な役目を負わされ、それを本人も受け入れていた。去年も試合では棚橋に勝っているにもかかわらず「営業サイドの意見なので…」と挑戦権が棚橋に回った。その理由を公表されてしまったら、ハッキリ言って永田の立場はないのだ。それでも永田はそれを受け入れた。
 もちろん永田の中には葛藤があった。去年の秋ぐらいだったか、
「いや、今は新日本もいいムードになってきましたけど、昨年(05年)の秋から今年の春にかけては、口にこそしなかったけど、俺もいろいろ考えたんですよ。自分のこれからのレスラー人生の時間を考えたら“このまま新日本にいていいのか!?”って。外に出たら、また違う世界が見えるんじゃないかって。ガタガタした当時は口に出せませんでしたけどね」
 という話を聞いた。新日本のことを思うからこそ、自分の本音をグッと抑え込んでいたのだ。
 そして、そんな日々があるから今の永田がいる。真壁に勝利後の控室でのマスコミとの応答の中で、私は「今度の挑戦で棚橋選手に見せつけたいモノはありますか?」と尋ねた。ちょっと意地悪い質問だったかもしれないが、永田はしばし考えた後、
「ミスターIWGPを見せつける」
 と答えた。
 新日本低迷の中で1年間、IWGP王者として頑張った永田。そして不遇だったこの4年間。そのすべてを棚橋にぶつけるのだ。今度の棚橋VS永田は大勝負になる。

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