長州力の世界

 この土&日の2日間は忙しくてダイアリーを更新できなかった。土曜日は新宿FACEで行なわれた健介&北原のサムライ・ウォリアーズ復活戦(NWS本旗揚げ戦)の週刊ゴング追い込み作業、ロクに寝る時間もなく日曜は午後12時から全日本GAORA中継の解説、その後、新木場に行ってロックアップ旗揚げ戦を取材して週刊ゴングの追い込み作業というのが言い訳だ。そして今日は『NEWS侍!』がある。
 でも、忙しいのは嬉しいこと。会社員時代は「思いっきり眠りたい」とか「入社以来、有給を使ったことがない」とか思うこともあったが、随分と意識が変わった。大仁田がFMWを旗揚げした時、スケジュール表が予定で真っ黒になっていることに喜んでいるのを見て「この人はヘンだ」と思ったが、今はその気持ちがわかるなあ。
 さて、2日間の取材について。NWS本旗揚げ戦については日にちも経っているし、NWS代表の中村吉佐氏、健介&北原のサムライ・ウォリアーズに特別な思い出と思い入れがあるので、それは今週更新のプロレスコラムで書きたいと思う。ここでは昨日のロックアップである。
 ロックアップは、ハッキリ言ってリキプロ。長州の信念を形にするリキプロの興行を新日本が請け負ったという感じだ。前週行なわれたレッスル・ランドはこれから作り上げていくものだが、ロックアップはコンセプトが決まっているから、評判が良かろうが悪かろうが変えようがない。そのコンセプトは“ロックアップから始まって、鍛え上げた体と体をぶつけ合い、体力の限界まで闘う魂のリング”。
 これって、長州が維新軍、ジャパン・プロ時代から理想にしていたプロレスそのまんま。試合の組み立てや、派手な大技の攻防じゃなく、ガンガンぶつかり合えばいいんだというプロレスである。四天王時代の全日本や今のノアとは違うプロレスだ。だから全日本マットを主戦場にしたジャパン・プロが失敗したというのも頷ける。とにかく前に出る長州のプロレスと、受けと組み立てを前提とする全日本のプロレスが噛み合うわけがなかったのだ。もっとも私は、そのギクシャク感の両陣営の「ふざけんなよ、お前はプロレスがわかっているのか!?」というナマの感情のぶつかり合いが面白かったのだが。
 さて、昨日のロックアップはマスコミの評判も上々だった。私からしたら、普段のリキプロを形を変えてやっただけのことで「みなさん、普段のリキプロは見てなかったの?」と言いたい部分もあった。ただ、新鮮に感じたのは新木場という観客数500人にも満たない小さな空間。客席とリングが近いから、リング上の熱気がダイレクトに伝わる。長州は選手たちに「これだけお客に近くで見られることの怖さを知れ!」と言ったというが、こうなると本当に誤魔化しが通用しない。大技の応酬は禁じられているから、ぶつかり合いだけで客を納得させなければいけないのだ。その緊張感が良かった。特に第1試合の裕次郎VS下田大作は、まさにロックアップのコンセプトを体現した試合だったと思う。
 そしてもうひとつ大きかったのは一体感があったこと。今の新日本では長州現場監督に限らず、誰かが何かをやると、それに対する批判が内部から必ず出る。これは取材していても嫌なものだ。だが、ロックアップは長州がプロデュースし、長州を支持するレスラーが集まっているから、みんなひたすら一生懸命に試合をする。プロレスは個人競技と言われるが、イベントはチームワークである。気持ちのいいイベントを見ることができたから、徹夜の追い込み作業も苦ではなかった!

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